リスティング広告を運用していく上で重要となってくるのが「数値の扱い方」です。
クリック数にしろクリック率にしろ、ただ数値が大きければいいというものではなく、
これらはあくまで「適切なターゲットに絞った配信ができているか」を確認するための
パーツの1つにすぎません。
今回は、私が特に重要だと思う指標の1つ「インプレッションシェア」の扱い方についての、ワンポイントアドバイスです!
■インプレッションシェアって?
ひとことで言うと、「広告表示率」です。
広告表示のターゲットとしての条件を満たす検索が1万回かけられたとして、
そのうち実際に広告が9千回表示されたら、インプレッションシェアは90%ということですね!
反対に、残りの10%は「インプレッションシェア損失率」と表現されます。
では、ターゲットとしての条件を満たしているのに、広告が表示されないとは、
一体どういうことなのでしょうか?これには、2パターンあります。
A.広告ランクが、表示される水準を満たしていない
広告ランク(入札価格×広告品質)が低く、掲載順位が表示水準に達しないパターン。
Googleでは「インプレッションシェア損失率(広告ランク)」、
Yahooでは「インプレッション損失率(掲載順位)」を表示項目に追加することで確認できます。
広告ランクが低い広告は、入札単価を上げるか、広告品質を見直しましょう。
B.予算が不足している
予算不足も広告が表示されない原因となります。
たとえば、設定した1日の予算に実際の利用金額が達すると、広告は表示されなくなります。
Googleでは「インプレッションシェア損失率(予算)」、
Yahooでは「インプレッション損失率(予算)」を表示項目に追加すると確認できます。
■インプレッションシェアの「扱い方」
Bの場合、予算増額により「損失率」を抑えて、
100%表示を目指した方が良さそうな気がしますが、実はそうではありません。
では、何を読み取り、どうリアクションすべきなのでしょうか?
下図を使って説明していきます。
リスティング広告でターゲットとなりうるキーワード群には
コンバージョンに対する見込み度に幅があり、
よくこの図のようなピラミッド型で表現されます。
たとえば、新作の赤いスニーカーを通販で売るために、
リスティング広告でPRしたいと考えたとします。
今回、どうせなら赤に限らずスニーカーを通販で購入しようと思っている
全てのユーザーにPRしようと考え、キーワードを「スニーカー 通販」と設定しました。
1ヶ月間運用したところ、インプレッションシェアが50%となりました。
50%は表示されていないということになります。
インプレッション損失率をチェックしたところ、予算不足が原因だということがわかりました。
ここで、何を読み取るかが重要です。
ターゲットは「スニーカーを通販で購入しようと思っている全てのユーザー」なので、
その中には、
① 赤いスニーカーを求めているユーザー(見込み度:高)
② 赤以外の色を求めている、もしくは色を指定していないユーザー(見込み度:中)
の両方が含まれ、いずれのユーザーにも50%程度しか広告が表示されていない状況です。
これは、①のより見込み度の高いユーザーに対して十分に広告を表示していないにも関わらず、
②のユーザーに対し広告を表示している、非常に効率の悪い状態であるといえます。
つまり、「予算に対して、ターゲットが広すぎる」ということが、
ここで読み取りたい情報となります。
ここでとるべきリアクションは、キーワードを「スニーカー 赤 通販」などに設定し、
①のより見込み度の高いユーザーにターゲットを絞り込むことです。
ピラミッドの図で表現すると、以下のようなイメージです。
こうして絞り込みをかけることで、②のユーザーには
まったく広告表示がされなくなりますが、
①のより見込み度の高いユーザーに対しては
十分に広告が表示できるようになりました。
このように、インプレッションシェアは、
「予算とターゲットのバランス」を確認し、整えるのに有効な指標なのです。
■まとめ
冒頭でも記したように、リスティング広告の効果を最大化するには、
「適切なターゲットに絞った配信ができているか」がカギです。
限られた予算を最適なターゲットに集中するための指標として、
インプレッションシェアの役割と重要性がおわかりいただけたでしょうか?
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