「工務店の集客で成功している会社とそうでない会社の違いを知りたい」
「ネット広告ってSNSとかリスティングとかあるけど、いったいどれが成果出るの?」
2025年現在、多くの工務店様がこのような疑問を抱えています。インターネット集客の重要性が高まる中、効果的な戦略を立てることは工務店の成功に直結します。しかし、どの手法が自社に最適なのか、判断に迷う方も少なくありません。
本記事では、これら工務店様が抱える集客の問題に対して、WEBマーケティングの専門社である私たちが、ネット広告を稼働している弊社200以上のお客様のアカウントから得た知見をもとに、こういう企業は成功をしている、こういう企業は失敗しているというリアルなインターネット広告の実態についてお伝えします。
成功企業と失敗企業の違い、そして各種ネット広告の効果的な活用法を詳しく解説することで、皆様の工務店のネット集客成功への道筋を示していきます。
ここからは、2025年の最新トレンドを踏まえた工務店のネット集客成功のための戦略について、具体的に見ていきましょう。
本題の前に少し自己紹介を・・・
弊社スリーカウント株式会社は静岡県にあるWEBマーケティングの専門社ですが、
工務店様の集客に対して過去多くの取り組みをしている企業です。
上記以外にも株式会社LIXIL様からの依頼を受けて工務店様向けのWebマーケティングの勉強会講師を行ったり、静岡県地域の工務店様の支援を担当。
全国の工務店様・ハウスメーカー様60社以上のお客様のインターネット広告に携わっています。
フォロワー12.1万人の新築の注文住宅の会社様も弊社のお客様の例では、インスタグラムの運用で広告費を半分近くまで減額することに成功しました。
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工務店の集客でそもそも陥りがちなコト
インスタグラムが登場したことにより工務店の集客方法は大きく変化をしました。
このサイトをご覧になっている工務店のオーナー様やマーケティング担当者のほとんどの方も実際にインスタグラムを活用して集客しようとされている(成功に限らず)のではないでしょうか?
またインスタグラムの広告や、その他インターネット広告も以前と比べると非常にポピュラーになりましたし、多くの広告代理店様がおそらく提案されているのだと思います。
そこで質問です。
「果たしてうまくいっていますか?」
これは多くの工務店様のホームページ(WEBサイト)を見てきて明らかに感じることですが、なんでこんな状態なのに、広告を出稿してしまっているのかな、と感じることが多々あります。
おそらく工務店様は「インターネット集客」の順番を間違えてしまっている状態です。
それって知らないから仕方ないですよね。
広告代理店様やWEBの制作会社様に言われるがままに実行されてきたこともあるのではないかと思います。
工務店様の集客でよく陥りがちなコトについてざっくりと書いてみました。
1:インスタ・ホームページを用意しているのにうまくいかない
2:競合他社との違いを伝えられていない
3:リスティング広告をよくわからないまま使用して、よくわからないレポートが毎月届く
弊社では2019年〜2025年にかけて多くの工務店様の運用レポートを拝見してきましたが、仮に50社の運用レポートがあるとしたら正直「40社」は間違った運用をしています。
現在運用をしていてもそれだけ上記のように間違った運用をしています。
「そんなバカな」と思うかもしれませんが、事実です。
毎月のネット広告費が100万円を超えるお客様も上記のうちには含まれます。
これだけ工務店様はインターネット集客の順番を間違えている状態なのです。
注文住宅の購入検討者の「7割」はInstagramを利用している
ゼロシード株式会社がコロナ禍で注文住宅を購入された方600人超に調査したアンケートによると、Instagramを利用して情報収集を行った人の割合は68%(458人)と、全体の約7割を占めていることがわかりました。
コロナ禍を経て、消費者行動のオンライン化が進んでいます。
工務店の集客においても、InstagramやYou Tubeを始めとしたSNSの活用は必須になってきています。
特にInstagramは「インスタ映え」とも呼ばれるように、ビジュアルの良い画像投稿との相性が良い媒体です。
そのため、印象的な施工外観やインテリアなどを動画や画像でおしゃれな投稿を行うことで、自社のファンを増やしたり完成見学会、モデルハウスなどのイベントを知ってもらう、予約してもらうきっかけとして利用されています。
チラシや看板によるオフラインでの周知の効果
チラシ配布や折り込み、看板などを使ったオフライン施策は、成果が出にくくなったと言われていますが今でも有効な施策のひとつです。
チラシや看板を通じて工務店の名前を覚えてもらえれば、イベントやモデルハウスの集客にもつながります。
ただし、チラシや看板にかけるコストについては、コストパフォーマンスを考えながら実施する必要はあります。
こうしたオフラインでの周知を住宅展示場などの周辺や見込み客の多いエリアで行うことで、これからご紹介するインターネット集客との相乗効果が期待できます。
広告を考える前にやることがある
こんなことをインターネット広告の運用会社が言うべきではないかもしれませんが、多くの工務店様が広告を出す前段階で間違っています。
そもそもインターネット広告はインターネット広告を使うと集客が出来るというかんたんなものではありません。
広告の役割は一部見学会の告知の場合を除いて、基本的に【見込みユーザーをホームページに呼ぶこと】までなんですよね。
このサイトをご覧になっている工務店様のホームページ、皆様の見込みの顧客(仮に32歳、既婚の女性としましょう)が見た時にどう思いますか?
「あ、この工務店ってすごく雰囲気よさそうだな」って思ってもらえますか?
誤解をしてしまうとあれなんですが、チラシの場合はチラシを見た時点で「いいな」って思われるかどうかが大事ですが、ネット広告の場合は広告をクリックした次の瞬間に「ホームページ」が見られます。
そのためホームページを見て「いいな」って思われなかったらもう集客としては「アウト」なんです。
もちろん集客手法や運用方法でどれだけ確度の高い見込みユーザーをホームページに呼び込めるかは変わりますが、それでもあくまでホームページに呼ぶところまでです。
工務店の集客において、以下のことに気をつけてみてください。
ご自身の周りで家を検討している方に皆様に自社のホームページとライバルのホームページを見てもらい、「あなたのホームページで住宅を建てたいねっ!」って思ってもらえたら広告を出しましょう。
インスタを実行しても同じです、ご自身の周りの方が皆様のインスタを見て、「いいな」って思えるか。周りの方ですらいいなと思えないものを見ず知らずの方が思うでしょうか?
これは工務店に限らずインターネットで集客するときの基本中の基本です。
ですが、これが出来ていない工務店が普通にインターネット広告を出しているから驚きです。(特にインスタグラムの広告が目立ちます)またサイトが重い(開くまでに時間がかかる)、SSLの対応、スマホ対応していないなど論外です。
以下私たちが広告を運用する上で感じるWEBサイト上で工務店様が確実に直さなければいけないポイントを記載します。
【基本中の基本のNG行為】
・ホームページの作り込みが甘い、特にトップページがダサい
・スマホ対応されていない
・インスタグラムとホームページの世界観が統一されていない
・サイトが重い(開くまでに時間がかかる)
・SSLの対応(セキュリティ対応)していない
・問い合わせフォームが簡潔でない
【成果の出ている工務店が気を付けているポイント】
・トップページのぱっと見の雰囲気に力を入れている(理想は直帰40〜50%以下)
・事例ページがめちゃくちゃ濃い(1つ1つにストーリーもある)
・紹介する事例は自社の魅力が伝わる例だけを選んでいる
・写真のクオリティと統一感にこだわっている
・サイトからの予約に特典を付けている(クオカードなど)
・代表挨拶やスタッフ紹介の想いが強く、会社がサイトから見て伝わる
・資料やカタログ請求が作り込まれている
・フォームが簡単に入力できるようになっている
・必ず見るたびにイベントを開催している
・インスタのアカウントがとてもおしゃれでホームページと世界観が統一されている
広告について解説する前に、広告を出す前にやっておくべきことを確認しておきます。
ホームページを徹底して作り込む
先程記載をした「成果の出ている工務店が気を付けているポイント」の中の項目は、必ず押さえてください。
特にトップページが「ダサい」「重い」時点でどんな広告をかけたとしても離脱原因となってしまいます。
現在、家を建てようというユーザーはインスタで情報を集めてから気になる工務店のホームページを確認します。
つまりホームページはインスタで感じた興味を確信を持つ場となっています。
せっかくインスタや広告からホームページを訪問してもらっても、ホームページがよくなければ離脱してしまいもう帰ってくることはありません。
広告を出せば集客できる、という時代は終わりました。ホームページのクオリティが重要です。
逆にきちんとホームページが出来ていれば、広告に多少不備があったとしてもパフォーマンスは上がってきますのでまずはここから取り組んでください。
例を挙げるなら自分の周りにいる人やお客様となりそうな方が「このホームページいいな」って思ってもらえて初めて第一段階突破です。
ホームページ制作についてはこちらの記事でくわしく解説しています。
インスタグラムのアカウント開設とデザインの作り込み
お客様の多くが住宅を検討する際、必ずといっていいほどインスタグラムに到達します。
分譲住宅でなく、注文住宅であればなおさら必須です。すでに説明しましたが、今では工務店選びではホームページより先にインスタグラムを見る流れとなっています。
そのためインスタグラムのアカウントを開設し、各写真の見栄えだけでなくアカウント全体の統一感を意識し、少し大袈裟な言い方をすれば世界観を作り込んでいくことをイメージしてください。
何度も言いますが「アカウントの写真の上げ方を統一」し、「徹底してオシャレに作り込み」をしてください。
周りのお客様に見て頂き、「すごいおしゃれだね」と思ってもらえて、第一段階突破です。
自分の周りの方ですらいいと思わないものを御社を知らないお客様がいいと思うはずありません。
また、インスタグラムを見ているお客様の動線は、インスタ→ホームページだけではありません。
実はホームページからインスタという動線も多く、ユーザーはインスタとホームページをぐるぐる回遊していることも多いです。
インスタとホームページを行き来しやすい設計とすることで、CVRも高まっていきます。
リスティング広告よりインスタ広告がいいってほんと!?
これも非常に誤解があります。知識のない広告代理店様やインターネット上に存在する怪しい情報で、誤解が生まれているように感じます。
「リスティング広告よりインスタ広告の方が集客パフォーマンスが出る」
その答えについては私たちは「NO(ノー)」と言えます。
ではなぜ多くの方が「リスティング広告でなくインスタ広告」と考えるのかを説明します。理由は主に2つです。
1 .住宅を検討するスタートはデザインから
お客様が住宅を検討される際に一番初めに考えることは「機能」でも「予算」でもありません。
思いつくのは住宅の「デザイン」です。
住宅を建てることを検討した時に一番初めに機能や予算のことを考える方はいないですよね。
なんとなくこんな家がいいな、あんな家がいいなと考えた先に、機能や予算、家族構成、土地といった制約が出てきて工務店を決めて、見学会に行くのです。
そのため住宅ではデザインから探せるインスタグラムが重要だと考えるのは間違いありませんが、「インスタが重要だからインスタ広告も出そう」という安易な考え方に陥ってしまいがちな点には注意が必要です。
集客を担う担当者の気持ちはもちろん理解できますが、例えば住宅を検討したばかりのユーザーに対して「見学会に来てください」というのはちょっとハードルが高い、とイメージすると理解いただけるのではないでしょうか。
後ほど詳しくご説明しますがインスタ広告を回す前にやるべきことは、フォロワーを増やすことです。成果を出すためには、正しい順番で集客媒体を活用することが重要となります。
2 .リスティング広告で成果を出せる企業が少ない
私たちは過去60社以上住宅関連の広告レポートを拝見してきました。全国でもこれほど多くの工務店様と集客改善に取り組んでいる広告代理店は少ないのではないでしょうか。
こうした経験を基に工務店様のリスティング広告の配信レポートを見てみると「意図していない広告配信」を行っていることが非常に多く、工務店様にとってはリスティング広告で成果を出そうとしても成果が出せないというケースをよく見かけます。
ではどうするべきか。
リスティング広告で成果を出すためには当たり前のようですが「アタックしなければならない層(顕在層)にきちんと広告を配信する」ことからスタートしていく必要があります。
これが間違っている例として「住宅を検討したばかり」の潜在層にアタックしていたり、ライバル企業名を検索をしているユーザーにアタックしていたり・・・。
そんなはずはないと思っている工務店の皆様、これがリスティング広告の落とし穴です。
私たちの経験上、10社のレポートを見たら正直7〜8社はいまだにこの状態です。
例えば、レポートを見る際に「キーワードのレポート」の提出を受けているかと思いますが、実は配信しているキーワードと配信されているキーワードには相違があることをご存知でしょうか。
先日も「福岡市 注文住宅」と調べているユーザーにアタックしているつもりが、このユーザーのクリックは全体のうちの20%程度で、80%以上はライバル名か、しまいには「中古住宅」「ログハウス」「新築マンション」など、見込み客ではない層に配信をされていました。
こんな配信内容では、当然のことながら結果が出るわけないですよね。
また「分譲住宅」と「注文住宅」では配信内容も広告文も変わるのですが、この辺の住宅業界を知識を理解した上で配信をしている企業は本当に少ないと思います。
上記のように頼みの広告代理店様ですらリスティング広告についてよくわかっていないまま配信をされていますから、話題の「インスタグラム」で広告を出そうと考えてしまうのも無理はないのかもしれません。
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上記のような成果の出ないリスティング広告などが理由でインスタグラム広告のほうがいいと思ってしまう方も多いのですが、リスティング広告とインスタグラムではアタックする層が異なります。
予算と成果の最大化を考えるのであれば、広告以前に顕在層にどう届けるかを設計していくことが重要となるのです。
【20%が相場?】リスティング広告の運用代理店の費用・手数料の相場と料金体系について
主流になっている見学会タイプの広告の落とし穴
注文住宅の広告は現在見学会タイプが主流ですが、それしかやらないのは避けた方が良いです。
上の図を見るとわかるように、見学会タイプは購入意欲が高い層向けなのでCVにつながりやすいです。
費用対効果が良く利益を生みやすかったことから、ここを目掛けて出稿・運用する会社が続々と増えました。
ただしその結果、新しい顧客を育てることが抜け落ちているため徐々にCVが獲得しづらくなっています。
この記事をお読みの工務店様も、そういった実感があるのではないでしょうか?
月の広告予算が10万円以下であれば、確かに見学会タイプの広告を優先すべきです。
しかし中長期的に見た場合には、見学会の広告だけでは先細りになってしまうのは明らかです。
そのため、自社を知ってもらうリスティング広告や興味関心を作る広告も必要となってきます。
工務店の専門分野に適した広告を選ぶことがポイント
当然ながら工務店の分野によりニーズが異なるため、それに合わせて広告も使い分けなくてはなりません。
工務店は以下の4つに分けて考えます。
家を建てる場合は、注文住宅と分譲住宅に分けて考えます。さらにリノベーションとリフォームも別で考えるべきです。
それぞれターゲットとなる層は違います。ですので広告の戦略も異なります。
そこを理解しないと、ムダな広告費ばかり払い続けて結果が得られないという事態が避けられません。
それぞれの広告運用の方法についてはこれから具体的にまとめていきます。
広告の種類と使い分け
工務店の広告運用を分野別に解説する前に、まずは広告の種類と目的を解説します。
- ディスプレイ広告
- リスティング広告
- インスタ広告
広告は目的ベースで使い分けます。順に解説します。
ディスプレイ広告
「ディスプレイ広告」はポータルサイトなどの広告枠に表示され、画像や動画・テキストなどで作成されたバナーによる広告のことです。
年齢、過去の検索キーワードなど、表示させるターゲットの条件を設定できます。
工務店様の場合、この広告を扱うべき理由は2つです。
- 見学会の告知
- 自社への興味関心の醸成
見学会では顕在層がターゲット、興味関心では潜在層を顕在層に近づけることが目的です。
使い方・目的が違うと狙う層も変わってくるわけですね。
興味関心の広告では、広告を見た見込み客が顧客となるのは短ければ1週間程度、せいぜい数か月です。
見てから顕在層になるまでの期間は意外と短いです。
なお費用は、クリックすると課金されるパターンと表示されるだけで課金されるパターンがあります。
リスティング広告
「リスティング広告」は、Googleを中心に見込み客が検索エンジンで検索したときキーワードに連動して検索結果とともに表示される広告です。
検索結果と同じくテキスト形式で、見出しと説明などが表示されます。表示させたい検索キーワードにオークションで入札し、表示をクリックされると課金されます。入札額はシステムが自動で決定することがほとんどですが、上限を決められます。
工務店様の場合は「どんな家を建てているのか」「どんな会社なのか」を伝えて、準顕在層の顧客を獲得するために使います。
顧客が工務店様を検索するときは、既にある程度候補を絞り込んでいる状態です。その状態に対して新たに自社が候補入りしてもらうためには、魅力や強みを伝えて他社との違いを明確にすることが大切です。
インスタ広告
「インスタ広告」は、インスタグラム内で表示される広告です。
投稿と同じく写真や動画で訴求でき、広告を表示させる配信面も複数あります。
広告を配信する際は、広告を見た人への安心材料として数千人単位のフォロワーがいるとより効果的です。
用途は2つあります。ディスプレイ広告と同じで、
- 見学会などの告知
- 自社への興味関心の醸成
です。見学会の広告は顕在層向け、興味関心の広告は潜在層を顕在層に近づけるためのアプローチです。
その点もディスプレイ広告と共通ですね。
インスタ広告の具体的な運用
インスタ広告はまずはホームページに入ったユーザーに対して「リマーケティング」で配信をしていくことが最初の一歩です。
確度の高いユーザーを獲得できます。見学会などのイベントの情報と合わせて配信することで非常に高いパフォーマンスが期待できます。
続いて【インスタのアカウントのフォロワーを増やすための広告】を配信します。
ここでは「デザイン」と「キャッチコピー」に力を入れます。
ユーザーが家を探すきっかけとなるデザインに対して、「欲しい・良い」と思われるような広告を考え抜きましょう。
個人的な経験としては高頻度で「広告を切り替えていく」ことでパフォーマンスは向上していく傾向があります。
工務店様の分野別広告運用と広告費の例
では、これらの広告をどのように運用していくか、広告費の例と合わせて工務店様の分野別に解説します。
もし予算が少ない場合には、基本的には顕在層への配信を優先させてください。
注文住宅
「家を建てる」工務店様は、注文住宅と分譲住宅に分けて自社に当てはまる方で考えてください。
さらに注文住宅は、規模ごとにおすすめの運用方法が異なります。
規模は以下の3つに分けて考えます。
広告の考え方については、この3つで自社がどこに当てはまるかで戦略を変えていきます。
規模が大きくなるほど対応エリアも広がるでしょう。
規模別に解説します。
小規模(年間棟数15棟未満)
年間棟数15棟未満の小規模の工務店様の場合、見学会タイプの広告を運用します。
広告の種類はディスプレイ広告かインスタ広告、広告費は月額10万円が目安です。全額見学会タイプの広告に使います。
そのほかのポイントもまとめておきますね。
小規模棟数の場合はホームページが整っていないことも多いのですが、広告配信の前にそちらを作り込むことを先に取り組んでください。
特に、事例やコンセプト・イベントのページに力を入れることが大切です。
これらは、自社が「どんな会社」で「どんな家を建てるのか」を伝えるのに適したページです。
また、宣伝する見学会はおもしろい企画を作ることが大切です。
企画段階でターゲットを明確にして、ターゲット層が思わず来たくなる企画にしてください。
正直なところ、小さい会社の見学会に行きたいと思う人は少ないです。
それでも行きたいと思ってもらうためには、お祭り・イベント化するのも有効です。
例えばヨーヨーすくいやゲームなどができると、小さいお子さんのいるファミリー層にアピールできます。
広告もアピール方法を工夫してください。ターゲットに刺さる、面白さが伝わるキャッチや目を引く動画などを活用しましょう。
中規模(年間棟数50棟未満)
年間棟数50棟未満の中規模では、まずホームページとインスタの統一感をチェックしてください。
ホームページ・インスタが、自社の勝ちパターン通りにコミュニケーションが統一されていない、ブレが生じて自社の魅力が伝わっていないことが非常に多いです。
広告も含めて統一感を持たせて「ブレ」を解消し、「統一」させてください。
広告費の目安は月額30万~100万円です。見学会・リスティング・興味関心の広告の3つを確実に押さえます。
配分は、見学会に半分、リスティングと興味関心に残り半分です。
見学会広告のポイントについては小規模と同じです。
思わず行きたくなるような企画と広告のアピール方法の工夫が大切です。
リスティング広告は、検索キーワードと表示させたいキーワードの確度にこだわってください。
おそらく皆さんがイメージしているよりも相当シビアに対応する必要があります。
興味関心の広告は、どんな会社でどんな家を建てるのかがわかるように作り込んでください。
ターゲットを明確にしてから作らないと、表現がブレてしまい相手に伝わりません。まずは興味関心を持ってもらう対象をはっきりさせてください。
大規模(年間棟数80棟以上)
年間棟数80棟以上の大規模では、まず「オウンドメディア」「ペイドメディア」「アーンドメディア」すべてが勝ちパターンのコミュニケーション統一をできているか確認してください。
それぞれの例は、
- オウンドメディア…自社ホームページなど
- ペイドメディア…広告など
- アーンドメディア…SNSなど
です。ちなみにこの3つを「トリプルメディア」と言います。
広告費の金額は事業規模に応じて変わります。
広告の種類と予算の割り振りの割合は中規模と同じで、見学会に予算の半分、リスティング広告と興味関心の広告に残り半分を充てます。
また、大規模の場合はそのほかに、
- YDA(Yahoo!ディスプレイ広告)
- LINEのディスプレイ広告
- YouTubeショート広告
をプラスするとより良いです。いずれもインスタ広告と同じく、見学会の刈り取りと興味関心の広告として使用します。
分譲住宅
分譲住宅の場合、「場所」を前面に出した広告が有効です。
例を挙げると、
- 「浜松市中央区」
- 「〇〇小学校 徒歩10分」
- 「〇〇駅 車で5分」
といった内容です。よく見かけるのではないでしょうか。
1つ目の例は地名をストレートに表現したもの。エリアがブランドになっている場合などに有効です。
2つ目・3つ目は、利用が想定される学校や公共交通機関への距離を示して利便性を表現したものです。
分譲住宅を検討しているのはまだ土地がない方々で、潜在顧客と顕在顧客の両方が存在します。
その時点では住宅会社に興味がない方であっても、「立地」一本で惹き付けることができます。
リノベーション
リノベーションの場合は2つの顧客層があり、戦略も分かれます。
- 年齢が上の層…子育てが終わったなど生活環境の変化に伴い、自宅や実家をリノベーションしたいと考えている
- 新築代わりの層…中古物件をリノベーションして住みたい若い層
ニーズがはっきりと違うので、アピール方法も変わります。それぞれ別々に戦略と予算を解説します。
【年齢が上の層を狙う場合】
戦略は、リスティング広告を中心とした配信です。「リノベーション」を含めたキーワードで検索する人に向けて配信します。
予算の割り振りは、
- 予算が10万円の場合:リスティング広告に全額
- 予算が20万円以上の場合:リスティング広告10万円+イベントの広告&ディスプレイ広告10万円
です。
まずリスティングで自社を知ってもらうことを優先させ、さらに余裕があれば見学会などディスプレイ広告を出していきます。
【新築代わりの層を狙う場合】
戦略は、インスタやYoutubeでのイベント関連の広告の配信とリスティング広告です。
下が予算別の割り振りです。
- 予算が10万円の場合:リスティング広告5万円+イベントの広告5万円
- 予算が20万円以上の場合:リスティング広告10万円+イベントの広告&興味関心を作る広告10万円
ある程度の予算を用意できる場合は、興味関心にも回しましょう。
イベントの刈り取りだけだと先細りになってしまいます。
リフォーム
リフォームの場合、リスティング広告との相性が非常に良いほか、SEO対策も効果的です。
たとえば「地域×リフォーム」「地域×リフォーム×水回り」のようなキーワードで対策するのがおすすめです。
広告の予算と割り振りについては以下のイメージです。
【予算が10万円の場合】
リスティング広告一択です。キーワード別の割り振りは下の通りです。
- 地域×リフォーム5万円
- 地域×リフォーム×場所(キッチン、トイレ…)5万円
検索キーワードにマッチした広告をできるだけ「低単価」で出すことが重要です。
【予算が20万~30万円の場合】
リスティング広告とディスプレイ広告を組み合わせます。
ディスプレイ広告は、
- YDA(Yahoo!ディスプレイ広告)によるリマーケティング
- YouTube広告
の2種類です。「リマーケティング」とは、自社ホームページに訪問した人に再度広告を表示させる手法です。
予算の割り振りは以下が目安です。
- 地域×リフォーム8万~12万円
- 地域×リフォーム×場所8万~12万円
- リマケYDN&YouTube5万円
その他運用の補足
広告が軌道に乗ってきたら、MA(マーケティングオートメーションツール)の導入やYouTube動画も視野に入れるとよいです。
ここで解説しておきます。
MA(マーケティングオートメーションツール)の導入
インスタのアカウントがそこそこ育ってきて、広告もうまく回ってきているということは、すでに集客としてはある程度成功をしている企業様となるかと思います。
マーケティングオートメーションをいれるメリットは「ナーチャリング(顧客育成)」が可能になることです。
住宅は検討期間が非常に長いという特徴があり、数年前に1度資料請求をしたお客様でもまだ決定できずにいる方もいらっしゃるため、MAツールを導入し顧客リストのデータベースを作ることで眠っていたお客様を可視化できるようになります。
マーケティングオートメーションはWEB上におけるお客様の行動を記録することができるため、ホームページ上のどんな内容に興味がある、メルマガのこの部分に反応しているなど、行動履歴からある程度趣向や確度を測ることが可能となります。
行動履歴を基にお客様に対して適切なアプローチをとることで、来場した際や電話対応でのアタックの精度が上がり、最終的に高い制約率を産み出すことに繋がります。
実は相性が良い!YouTube動画にチャレンジ
YouTube動画にチャレンジをしている工務店様も増えてきました。
YouTubeから集客を考えている方も多いと思いますが、実はここで直接集客も1つですが、サイト内のお客様の声や、コラムに埋め込んでいくことで、「サイトの滞在時間」が伸び、これが「検索エンジンのアプローチ」に非常に効果的です。
そのためYouTubeを始めたら、検索順位が上がって集客が増えた。という方も増えているのが2025年現時点の最新情報です。
特に性能系の住宅を取り扱う工務店は相性が良いためおすすめです。自社の作る住宅の性能や強みを動画で直接語りかけることで、自社のファンを育成することも可能となります。
集客がうまく行っている工務店様は、ここまで挙げた集客手法を正しい順番で行っているから成功しているのです。
この順番を間違えてしまい、ホームページを作り込んでいないにもかかわらず広告を開始してしまったりすることが、効果が出ない原因であるケースも多いです。
【画像だけ】でYouTubeに広告を出す方法!知らなきゃ損するYouTube広告の裏技
広告作りのポイント
広告運用の流れを解説しましたが、運用する広告の作り方のポイントも確認しておきましょう。
広告の種類にかかわらず、以下のポイントを守って作成してください。繰り返しますが、精度・確度はかなり厳密に追求する必要があります。
ターゲットを明確にする
広告を作る前に、まずはターゲットを明確にしてください。自社が実際にお客様から支持されている強みを把握したうえで、ターゲットを明確にするのが理想です。
把握のためには、過去の施主様を対象にアンケートを取るとよいです。
普段から情報を収集する仕組みを構築しておくと、ターゲットの変化にも素早く柔軟に対応することもできます。
写真・キャッチコピーなどの間にズレを作らない
写真が与えるイメージとキャッチコピーのイメージをそろえることも大切です。違和感をなくすということです。
たとえば、おしゃれな家を建てたいと考えた方がどの工務店がいいか調べているシーンを想像してみてください。
たまたまどこかの工務店の広告を見かけたとします。キャッチコピーはデザインのよさをイメージさせるものであっても、画像が子供向けの楽しい印象だったらどうでしょう?クリックしてみますか?
たぶんしませんよね。
「一応見ておこうかな」とクリックする可能性もなくはないですが、「この工務店は良さそう」とは思わないでしょう。
しかし、いざ自分が広告を作る側に回ると、それをやってしまうのです。
広告の違和感はクリックしてもらえない原因になります。「同じようなイメージ」では足りません。「一致しているイメージ」を目指してください。
ターゲットがあいまいだと、広告もあいまいになります。
ターゲットを明確にして、そのターゲットに写真もキャッチも「刺さる」ように作り込んでください。
支持されている強みをキャッチコピーで表現すると「刺さる」言葉になります。
ホームページ・インスタと統一感を持たせる
ホームページ、インスタを中心に、各メディアで発信する世界観はすべてそろえてください。ズレがあるとやはり離脱の原因になります。
これについてもちょっと考えてみればわかります。
インスタで北欧テイストの家づくりの写真が気になってホームページを見てみたのに、サイトの雰囲気が和な印象だったとしたら?違和感があって見るのをやめますよね。そしてもう見に行くことはないのではないでしょうか。
経験上、ホームページの制作会社とインスタの運用支援を同じ会社が担っていることはほぼないです。
また、インスタの運用は、
- 自社で行う
- 代行業者に任せる
- コンサルタントのアドバイスを受ける
あたりが普通であることから、ホームページの制作会社とはよほど意識して連携しないと、統一感を持たせることは不可能です。
最後に(まとめ)
いかがでしたでしょうか?
今回は「工務店の集客方法〜インターネット広告の勝ちパターン〜」について工務店の集客で失敗してしまうことや、リアルなインターネット広告の改善方法まで広く記載をさせて頂きました。
少し前であればチラシを強化して見学会に呼ぶ。そこからホームページが入ってきて、ホームページを経由して見学会に呼ぶ。こうした集客方法を行っていたのではないでしょうか。
今ではソーシャルはもちろん、カスタマージャーニーを設計し、お客様が探すきっかけにはどんな広告を充てるべきか。
自社に合ったインスタの目的や運用方法など、広告全般について広く考えなければいけない時代です。
私たちスリ—カウント株式会社は集客と求人の問題をWEBマーケティングで解決していくことをミッションに、全国の工務店様に対して成果の出るWEBマーケティング施策を提供しております。
ぜひとも今回の記事を参考にしていただき、問題の解決にお役立てください。
またリスティング広告の新規の検討や乗り換えを検討されている工務店様や、そもそも集客全般の相談に乗ってほしいという方などいらっしゃいましたら、30分の無料コンサルティング相談を実施しておりますので、お気軽にご相談ください。
現在弊社では東は東京を超えた北関東のお客様から皆々九州のお客様まで工務店様の集客改善に力を入れております。
どうぞお気軽にご相談ください。