リスティング広告の運用代行についてのノウハウやテクニックを公開します!

工務店の広告で来場を増やす方法。ネット広告の種類・費用・勝ちパターンを住宅業界15年のプロが解説

 

リスティング広告も出してみた。インスタ広告も試してみた。それでも見学会やモデルハウスの来場が埋まらず、広告費だけが積み上がっていく。工務店やハウスメーカーなど住宅会社の広告で、こうした手応えのなさを感じている経営者の方は少なくないと思います。

 

原因は「どの媒体が正解か」という選び方より前の段階にあることが多いのですが、そこを飛ばしたまま、媒体を足したり止めたりしてしまう。成果が出ているのかどうかを判断する基準がないので、やめる決め手も、続ける決め手も持てないままになります。

この記事では、工務店に効くネット広告の種類と使い分けから、注文住宅・分譲住宅・リフォームという分野ごとの費用の考え方、そして成果を分けるクリエイティブの作り方までをお伝えします。あわせて、広告を出す前に固めておきたい土台と、工務店が使える集客方法の全体像も一度すべて並べます。読み終えるころには、「自社はまず何にいくら使うべきか」がはっきりするはずです。

 

この記事は本気の改善を目指す方向けです

この記事は「広告を出しているのに反響が増えない状態を変えたい」「かけた広告費を来場の数に反映させたい」と本気で考えている方に向けて書いています。 一般論ではなく、実際にわたしたちが支援した工務店・住宅会社様と一緒に行った「具体的な施策や成果」も紹介しているため、やや長文ですが、最後まで読むことで自社にも応用できる改善の視点が得られると約束します。
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この記事を書いているスリーカウントについて

改めて、私たちスリーカウント株式会社について少しだけお話しさせてください。私たちは、WEBマーケティングを専門とし、これまで全国で700社以上の集客・採用支援に携わってきました。

 

中でも注文住宅・工務店の分野は、長くご支援を続けてきた領域です。住宅業界のインターネット広告運用では、全国200社以上の工務店様・ハウスメーカー様を15年以上担当してきました。リスティング広告やMeta(インスタ)広告の運用代行から、集客につながるホームページ制作まで、一社ごとの状況に合わせて伴走してきました。

 

たとえば住宅・不動産のご支援先では、住宅業界全体が厳しい状況の中で過去最高の来場数と集客単価の改善につながった注文住宅のケースや、Web広告に初めて挑戦して1年で反響率を大きく伸ばしたケースがあります。地域ごとに事情が違う中で何が効くのかを、現場で確かめてきました。

 

広告運用については、LINEヤフー Sales Partnerの認定を受けており、リスティング広告の取扱高は静岡県1位です。

本記事では、そうした現場での経験をもとに、工務店・住宅会社が広告で成果を出すために「何に、いくらかけて、どの順番で進めればいいのか」という視点でお伝えしていきます。まずは、多くの工務店がつまずいてしまう共通点から見ていきましょう。

 

工務店の集客がうまくいかない会社に共通する3つのこと

工務店の集客がうまくいかないとき、原因はひとつの施策の失敗というより、もっと手前に潜んでいることがほとんどです。私たちがこれまで工務店の集客を見てきた中で、特によく出くわす原因が3つあります。まずはそこから一緒に確認していきましょう。

 

自社に当てはまるものがないか、思い浮かべながら読んでみてください。

「とりあえず広告」で予算を無駄にしてしまっている

一番多いのが、集客に困ったときにいきなり広告から手をつけてしまうパターンです。リスティング広告やインスタ広告を出してみたけれど、クリックはされても問い合わせにつながらない。それで「広告は効かない」と判断してしまう。

ただ、率直に言うと、広告が効かないのではなく、広告の遷移先であるホームページが見込み客を受け止められていないことのほうが多いです。せっかくお金を払って人を集めても、着地したサイトが古かったり、施工事例が薄かったり、問い合わせフォームが使いにくかったりすれば、当然その先には進みません。広告というのはサイトへのアクセスを増やすところまでしかできないので、受け皿が整っていないまま出稿を続けると、広告費だけが出ていく状態になります。

施策を増やすほど、ひとつひとつが中途半端になる

「集客方法12選」のような記事を読んで、SEOもMEOもインスタもYouTubeも全部やろうとして、結局どれも片手間で終わってしまう。これも工務店でよく見る失敗です。

 

集客チャネルは年々増えていて、たしかに今は「どれかひとつやれば集まる」時代ではありません。ただ、だからといって全部に手を広げればいいわけではないんです。やることと、成果が出るまでやり切ることは、まったく別物です。中途半端に5つやるより、自社に合う2つを徹底したほうが、ほとんどの工務店では結果が出ます。何を選び、何を捨てるか。その判断こそが集客の出発点になります。

自分の会社のサイトを「お客さん目線」で見ていない

最後のひとつは、地味ですが効きます。自分たちがサービスを探して買うときには細かい違和感に気づくのに、いざ提供する側になると「まあこれでいいか」と蓋をしてしまう。これは多くの会社で起きています。

 

一度、自社の社名ではなく「地域名+注文住宅」のような見込み客が実際に打ち込む言葉で検索して、自分の会社が出てくるか、出てきたサイトを見て問い合わせたくなるか、実際に試してみてください。そこで感じる引っかかりが、改善のヒントそのものです。技術的な話を学ぶ前に、この目線を持つだけで直せる部分はかなりあります。

これら3つはどれも、個別の施策の話ではなく集客全体をどう組み立てるかの話です。そこで次の章では、工務店が使える集客方法を一度すべて並べて、全体像から見ていきます。

工務店の集客方法の全体像。オンライン・オフラインのチャネルマップ

工務店のWeb集客の方法を解説する記事はたくさんありますが、いきなり「SEOをやりましょう」「インスタが効きます」と各論から入ると、自社にとって何が必要なのか判断できないまま終わってしまいます。そこでこの章では、工務店が使える集客チャネルを一度すべて地図のように並べて、それぞれが「どんな役割を持つのか」「自社で深くやるべきか、プロに任せるべきか」を俯瞰できるようにします。

 

集客チャネルは、大きく自社で持つメディア・お金を払って使うメディア・他者の発信で広がるメディアの3つに分けて考えると整理しやすくなります。この考え方をベースに、オフライン施策も加えて大きく9つに並べたのが次の表です。

 

区分 チャネル 主な役割 工務店での向き・難易度
自社で持つ(オウンド) ホームページ・コラム 見込み客の受け皿・信頼形成・SEO流入 全社の土台。最優先
自社で持つ(オウンド) 施工事例ページ 「この会社に頼みたい」を生む決め手 効果大。作り込み必須
お金を払う(ペイド) リスティング広告 「地域名+注文住宅」で探す顕在層を獲得 顕在層に強い。費用対効果が読める
お金を払う(ペイド) Meta(インスタ)広告・ディスプレイ広告 デザインで惹きつけ潜在層を掘り起こす 住宅と相性が良い。クリエイティブが鍵
お金を払う(ペイド) YouTube広告 動画で世界観を伝える 認知向け。商材次第
他者が広げる(アーンド) インスタ・公式SNS運用 ファン化・指名検索の土台づくり 中長期。運用体力が要る
他者が広げる(アーンド) Googleクチコミ・紹介・OB顧客 検討後半の後押し・信頼担保 効果大。仕組み化が課題
オフライン 完成見学会・モデルハウス 体験で一気に検討を進める 工務店の主戦場。Webと連動
オフライン 紙チラシ・看板・ポータルサイト 地域認知・比較検討層への露出 地域・商圏次第

 

工務店の集客でまず押さえてほしいのは、この中のどれかひとつで完結するチャネルはないということです。たとえば見学会という強力なオフライン施策があっても、その集客は今やほとんどがWeb経由です。インスタで見つけて、ホームページで施工事例を確認し、見学会に申し込む。お客さんはチャネルをまたいで動くので、点ではなく線でつなぐ意識が要ります。

そのうえで、この記事では工務店の集客の中でも特に費用対効果が読みやすいネット広告を軸に、後半でくわしく掘り下げます。一方で、土台になるホームページ・インスタ運用・施工事例は、それぞれ専門の解説記事を用意していますので、深く知りたいチャネルはそちらと合わせて読んでいただくのが近道です。

 

▶ 集客できるホームページの作り方は、事例10社とあわせてこちらで詳しく解説しています。 集客できる工務店ホームページの作り方

 

▶ インスタ運用で問い合わせを増やす手順は、こちらにまとめています。 工務店のインスタ集客で問い合わせを増やす方法

 

▶ 受注の決め手になる施工事例の作り方は、こちらが参考になります。 工務店の問い合わせが増える施工事例の作り方

自社に合う集客方法の選び方。棟数・予算・温度感で決める

チャネルを並べると、つい「全部やったほうがいいのでは」と思いがちですが、現実問題、人も予算も限られた工務店が全方位に手を出すと、どれも中途半端になって成果が出ません。大事なのは、自社の今の状況に合うチャネルから順番に手をつけることです。この章では、その優先順位の付け方を3つの軸でお伝えします。

軸1:年間棟数と予算で「やる順番」を決める

施策には向き不向きだけでなく「いつやるべきか」という順番があります。目安として、次のように考えると判断しやすくなります。

 

  • 年間数棟〜10棟前後の規模:まずホームページの作り込みとGoogleビジネスプロフィール(MEO)、そしてOB顧客からの紹介の仕組み化から。広告に大きく張る前に、土台と地域での見つかりやすさを固める段階です

  • 棟数を伸ばしたい拡大期:受け皿が整ったうえで、リスティング広告とMeta広告で新規の見込み客を能動的に集めにいく段階。費用対効果を見ながら配分を調整します

  • すでに広告を回している段階:チャネルごとの成果と費用を比較し、勝っているチャネルに寄せ、負けているチャネルを見直す段階

 

順番を飛ばして、土台が弱いまま広告だけ増やすと、先ほどの「とりあえず広告で予算を無駄にする」状態に逆戻りします。

軸2:見込み客の「温度感」でチャネルを使い分ける

もうひとつ大事なのが、お客さんの検討の温度感です。同じ集客でも、すでに「注文住宅を建てよう」と決めている顕在層と、「いつかは家を」と漠然と考えている潜在層では、刺さるチャネルが違います。

 

  • 顕在層…「地域名+注文住宅」で検索する層。リスティング広告とSEOで確実に捕まえる

  • 潜在層…まだ検索していない層。インスタやMeta広告、ディスプレイ広告でデザインから興味を持ってもらう

 

住宅は検討期間が長く、最初の入口は「素敵な家の写真を見て憧れる」というデザインからのスタートが非常に多いのも特徴です。だからこそ、顕在層向けの広告だけでなく、潜在層をデザインで掘り起こすチャネルを組み合わせると、母数そのものが増えていきます。

軸3:工務店はまず「自社サイト+広告」を核に置く

業種によって、力を入れるべきチャネルの重要度は変わります。飲食店ならSNSとクチコミが主役になりますが、検討期間が長く単価の高い注文住宅の場合は、じっくり情報を集められる自社サイトと、能動的に見込み客を集める広告がエンジンになります。SNSはその魅力を伝え、ファンを育てる中長期の土台と位置づけると、力の配分を間違えにくくなります。

 

ここまでで「どのチャネルを選ぶか」の地図が描けました。ここから後半は、その中でも短期間で取り組めて、成果も数字で読みやすいネット広告に絞って、進め方を具体的に掘り下げていきます。ホームページやインスタ、施工事例の作り込みはそれぞれの専門記事に譲り、この記事では「広告で成果を出す」ことに集中します。理由はシンプルで、ネット広告は費用と成果を数字で見ながら短期間で調整できるため、限られた予算の工務店が最初に手応えをつかみやすいからです。

ただし、いきなり出稿するのは禁物です。まずは、多くの工務店が飛ばしてしまう「広告を出す前の準備」から見ていきましょう。

ネット広告を出す前に整えておきたい集客の土台

Web集客を伸ばしたい工務店ほど、すぐに広告から始めたくなります。ただ、ここを焦ると広告の成果が大きく変わってしまうので、この章で「広告の前にやるべきこと」をはっきりさせておきます。結論から言うと、広告は受け皿が整って初めて効くということです。

集客は「アクセス」と「転換率」の掛け算で決まる

集客の成果は、シンプルにすると2つの要素の掛け算で決まります。ひとつは、どれだけの見込み客と出会えたかというアクセス。もうひとつは、出会った人のうちどれだけが問い合わせや来場に進んだかという転換率です。

 

ネット広告ができるのは、このうちアクセスを増やすところまでです。いくらアクセスを集めても、着地したホームページの転換率が低ければ、結果はかけ算なので小さいままです。実際、集客がうまくいっている会社ほど、アクセスの大半を広告に頼り切るのではなく、検索エンジン経由の自然な流入とのバランスで成り立っていることが多いです。逆に、広告だけに依存している会社は、出稿を止めた瞬間に問い合わせがゼロに戻ってしまいます。

この掛け算は、広告費の効率にもそのまま跳ね返ります。転換率が2割改善すれば、広告の獲得単価も基本的に2割改善します。獲得単価が5万円なら1万円分下がるということなので、広告の運用をいじる前に受け皿を直したほうが早い、という場面はかなり多いです。

受け皿になるのはホームページと施工事例

では転換率を左右するものは何かというと、工務店の場合はホームページの作り込みと施工事例の見せ方です。広告から流れてきた人が最初に見るのは、施工事例の写真であり、会社の雰囲気であり、問い合わせのしやすさです。ここが弱いと、どれだけ良い広告を作っても成約にはつながりません。

この「受け皿づくり」は、それ自体が深いテーマなので、本記事では入口だけお伝えして、具体的な作り込みは専門記事に譲ります。広告を検討している段階の方こそ、先にこちらに目を通しておくと、広告費の無駄打ちを防げます。

 

▶ 集客できるホームページに必要な条件と制作手順は、こちらで詳しく解説しています。 集客できる工務店ホームページの作り方

 

土台の重要性を押さえたところで、ここからはいよいよ、工務店の集客で成果が読みやすいネット広告について、種類ごとに掘り下げていきます。

工務店に効くネット広告の種類と使い分け

ネット広告(運用型広告)とひとくちに言っても、リスティング・ディスプレイ・Meta(インスタ)・YouTubeと種類があり、それぞれ捕まえられるお客さんの層が違います。ここを理解せずに「とりあえずリスティング」と始めてしまうと、商材と広告がかみ合わずに成果が出ません。この章では、工務店の集客で実際に使う主要な広告を、向き不向きで見ていきます。

 

▶ 工務店を取り巻く広告環境の最新動向と、これから勝つための広告戦略は、無料の資料にまとめています。[工務店がこれからの集客競争に勝つための攻略法を見る]

リスティング広告:すでに探している人を確実に捕まえる

リスティング広告は、「地域名+注文住宅」「地域名+工務店」「地域名+完成見学会」のように、すでに具体的に検索している顕在層に対して検索結果の上部に表示する広告です。今まさに家づくりを考えている人に直接アプローチできるので、費用対効果が最も読みやすいのが特徴です。

一方で、正直にお伝えすると、リスティング広告で安定して成果を出せている工務店はそれほど多くありません。よくあるのが、配信するキーワードを絞り込めていないケースです。私たちがあるお客様の配信を分析したときには、配信全体の8割近くが、競合他社名や中古住宅・新築マンションを探しているそもそも家を建てない層に当たってしまっていたこともありました。ここを絞り込むだけで、同じ予算でも問い合わせの数はまったく変わってきます。誰に届けるかを詰めきれるかどうかが、リスティング広告の成否を分けます。

Meta(インスタ)広告・ディスプレイ広告:デザインで潜在層を掘り起こす

注文住宅の検討は、「こんな家に住みたい」というデザインへの憧れから始まることがとても多いです。だからこそ、まだ具体的に検索していない潜在層に対して、施工事例の美しい写真で「いいな」と思ってもらうMeta広告のようなSNS広告や、ディスプレイ広告が、住宅と非常に相性が良いんです。

 

リスティングが「探している人を待ち受ける」広告だとすれば、こちらは「まだ動いていない人に憧れを届ける」広告です。インスタの公式アカウントと連動させて、広告で出会った人がアカウントを見て世界観に惹かれ、見学会につながる、という流れを作れると強くなります。

YouTube広告:世界観を動画で伝える

YouTube広告は、家づくりのこだわりやルームツアーを動画で伝えられるチャネルです。認知を広げたい、ブランドの世界観をしっかり見せたいという段階で効いてきます。優先度としてはリスティング・Meta広告のあとですが、動画素材を持っている工務店なら活用の余地があります。

 

▶ 動画素材がなくても始められるYouTube広告の出し方は、こちらで紹介しています。 画像だけでYouTubeに広告を出す方法

 

広告の種類が見えてきたところで、次は「では実際にいくらかかるのか」という費用と、商材ごとの運用の違いを見ていきます。

工務店の分野別。広告運用の方針と費用の目安

「広告を出すといくらかかるのか」は、工務店・住宅会社の経営者が最も知りたいところだと思います。ただ、その金額を考える前にひとつ決めておきたいことがあります。広告のゴールをどこに置くかです。工務店の広告で最後に追うべき数字は、表示回数やクリック数ではなく、見学会やモデルハウスの来場予約です。ここが決まらないまま金額の話をしても、足りているのかどうかを判断できません。

 

そのうえで、ひとくちに工務店・住宅会社といっても、注文住宅・分譲住宅・リノベーション・リフォームでは、お客さんの探し方も検討期間も違うので、Web広告の打ち方と費用感、そして許容できる獲得単価も変わってきます。まず分野ごとの運用の方針を見たうえで、章の最後に金額の決め方をまとめます。

注文住宅:デザイン訴求と顕在検索の二段構え

検討期間が長く単価も高い注文住宅は、潜在層をMeta広告のデザイン訴求で掘り起こしつつ、顕在層をリスティングで確実に拾う二段構えが基本です。一件あたりの受注額が大きいため、来場予約や資料請求の1件あたりの獲得単価がある程度高くても、十分に投資対効果が合いやすい分野です。運用面では、見学会やモデルハウスの開催スケジュールに広告を連動させ、開催の数週間前から予約獲得に向けて配信を強める、という動かし方が効きます。常に一定額を出し続けるより、来場につながるタイミングに山を作るほうが、限られた予算を生かせます。

 

ただし、見学会の広告でありがちなのが、「来場数」だけを追ってしまう落とし穴です。間口を広げて人数を集めても、家づくりを真剣に考えていない見るだけの層ばかりだと、商談にはつながりません。予約時に簡単なアンケートを挟むなど、本気度の高い来場者を見極める仕組みをセットにすると、同じ来場数でも受注につながる質が変わってきます。

分譲住宅:エリアとタイミングで勝負する

分譲住宅は物件のエリアと価格が決め手になるため、「地域名+分譲」「地域名+建売」といった顕在キーワードへのリスティングと、エリアを絞ったMeta広告・ディスプレイ広告が中心になります。配信エリアを物件の商圏に合わせて半径で絞り込み、完成や価格改定のタイミングに合わせて配信を強めるなど、機動的な運用が効きます。物件ごとに広告を出し分けて、どの物件のどの訴求が反応が良かったかを次に生かしていくと、運用するほど精度が上がっていきます。

リノベーション・リフォーム:施工イメージと信頼の訴求

リノベ・リフォームは「この会社で大丈夫か」という信頼が問われる分野です。ビフォーアフターの施工事例を軸にしたMeta広告・ディスプレイ広告で、施工イメージと安心感を伝える訴求が効きます。検索する人も「キッチン リフォーム 費用」のように具体的な悩みを持っているため、リスティングとの相性も良好です。注文住宅に比べて一件あたりの単価は小さい分、獲得単価を抑える運用がより重要になります。

工務店の広告費は「必要な来場数×獲得単価」から逆算して決める

結論から言うと、工務店の広告費は取りたい来場・問い合わせの件数と、1件あたりいくらで取れるかの掛け算で決めます。ここから始めれば、月にいくら用意すべきかは自然と出てきます。

 

「相場はいくらですか」とよく聞かれるのですが、商圏にどんな競合が何社いるか、扱っているのが注文住宅かリフォームかで適正額は大きく変わります。だから他社の金額を持ってきても、自社の判断材料にはなりません。見るべきなのは金額の絶対額ではなく、問い合わせや来場予約が1件あたりいくらで取れているかという単価です。

 

計算はシンプルで、ひと月の広告費を、その月に獲得できた問い合わせ・来場予約の件数で割るだけです。これで1件あたりの獲得単価が出ます。あとは、そこから何件が成約し、受注額がいくらになったかと照らせば、その広告費が合っているかどうかが判断できます。

 

同じ「住宅会社の広告」でも、許容できる単価はまったく違ってきます。注文住宅を主軸にする工務店やハウスメーカーであれば、来場1件あたりの獲得単価が多少高くても受注額が大きいので十分に元が取れます。一方、リフォームのように一件の単価が小さい分野では、獲得単価をどこまで抑えられるかが勝負になります。まず自社の受注額と成約率を出してから、逆算して許容単価を決める。この順番を踏むと、予算の話が感覚論になりません。

 

この単価は、配信の絞り込みや素材の入れ替えで下げていける数字です。先ほどのリスティングの例のように、見込み客以外への配信を絞り込むだけでも大きく改善します。私たちが工務店の広告運用をご支援する際も、まずこの数字を可視化するところから始めます。自社で回すか外部に任せるかも、結局はこの獲得単価を毎月追い続けられる体制があるかどうかで決まります。感覚ではなく数字で判断できる状態を作ることが、広告を続けるうえでの土台になります。

 

▶ 媒体ごとのクリック単価の目安、課金方式の違い、運用を外部に委託した場合の相場(広告費の約20%)まで、金額の全体像はこちらにまとめています。 Web広告の費用相場はいくら?

 

▶ 広告運用を代理店に任せる場合の費用や手数料の相場は、こちらで詳しく解説しています。 リスティング広告の運用代理店の費用・手数料の相場

 

費用の見方が定まったら、最後は同じ予算でも成果を分ける、広告クリエイティブのポイントを押さえておきましょう。

成果を分ける工務店の広告クリエイティブのポイント

同じ広告費、同じ媒体でも、クリエイティブ次第で問い合わせ数は大きく変わります。特に住宅はデザインで選ばれる商材なので、ここの精度が成果に直結します。この章では、工務店の広告で外してはいけないクリエイティブの原則を3つ、そのうえで実際に成果が動いた打ち手をひとつ、お伝えします。

ターゲットを一人に絞り込む

「みんなに届けたい」という広告ほど、誰にも刺さりません。年齢・家族構成・予算・どんな暮らしに憧れているのか、届けたいお客さん像を一人に絞り込むことで、写真もコピーも自然と尖っていきます。エリアやライフスタイルまで具体化できると、配信設定もクリエイティブも精度が上がります。

写真とキャッチコピーの間にズレを作らない

もうひとつ、住宅ならではの注意点があります。デザインで惹きつける訴求と、断熱や耐震といった性能で選ばれる訴求は、狙っている検討段階が違います。同じ会社でも、この2軸を1枚のクリエイティブに混ぜると、どちらにも刺さらなくなります。

 

ありがちな失敗が、写真とコピーがちぐはぐになっているケースです。落ち着いた自然素材の家の写真に、「最安値」「キャンペーン中」のような価格訴求のコピーを乗せると、見た人の中で違和感が生まれて離脱します。届けたいお客さん像に対して、写真の雰囲気とコピーのトーンをそろえることが、クリックのその先につながる条件です。

ホームページ・インスタとトーンを統一する

広告で「いいな」と思ってクリックした人が、着地したホームページやインスタを見て世界観が違うと感じると、その瞬間に気持ちが冷めてしまいます。広告・ホームページ・インスタの3つで、写真のトーンや打ち出すメッセージをそろえておくこと。この一貫した世界観が、検討期間の長い住宅では効いてきます。

 

「どれが当たるか」を当てにいくより、フォーマットを増やす

もうひとつ、実際のご支援先で成果が変わった動かし方をお伝えします。

 

ある工務店様で、「ご来場特典10,000円分プレゼント」というキャンペーンの広告を配信していました。配信期間の序盤は静止画バナーだけを出していたのですが、成果が振るいませんでした。そこで、静止画にBGMをつけて15秒の動画にしたものと、来場してほしいモデルハウスの写真を複数枚並べたカルーセルの2種類を追加し、静止画・動画・カルーセルの3つのフォーマットで配信する形に切り替えました。結果として、表示にかかる単価もクリック率もクリック単価も、そして最終的な獲得単価も改善しました。

 

フォーマット別に見ると、このときいちばん獲得単価が良かったのはカルーセルでした。ただ、ここで「カルーセルが正解」と受け取らないことが大事だと考えています。静止画だけで配信していると、動画やカルーセルのほうが反応しやすいユーザーには広告が届きにくくなる可能性があります。フォーマットを広げたことでそういう層にも届くようになり、そこから配信の最適化がかかっていったと見るのが自然だと思います。

つまり効いたのは「最適なフォーマットを当てたこと」ではなく、「複数のフォーマットを用意したこと」のほうです。写真は撮り溜めているのに静止画バナー1種類だけで回している、という工務店は少なくありません。手元の素材で動画やカルーセルに組み替えるだけでも、届く相手の幅は変わってきます。

 

ここまでで、全体像から広告の実践までを見てきました。最後に、これらを一度きりで終わらせず、成果を伸ばし続けるための考え方をお伝えします。

集客を続けて伸ばすための見直しの習慣

集客施策は、一度設定して終わりではありません。むしろ、出してからどう見直して改善していくかで、半年後・一年後の成果が大きく変わります。とはいえ難しい分析の話ではなく、工務店が押さえておきたい見直しの習慣を3つお伝えします。

 

ひとつ目は、定期的にお客さん目線で自社の集客を体験し直すことです。自分で「地域名+注文住宅」と検索し、広告から自社サイトに入り、問い合わせまでやってみる。そこで感じた引っかかりが、そのまま改善点になります。

 

ふたつ目は、集客をアクセスと転換率に分けて見ることです。問い合わせが減ったとき、それは人が来ていない(アクセス)のか、来ているのに申し込まれていない(転換率)のか。原因を分けて捉えるだけで、打つべき手が変わります。アクセスが課題なら広告やSEO、転換率が課題ならサイトや施工事例の見直し、というように切り分けられます。

 

みっつ目は、チャネルごとの成果と費用を見比べて、配分を変えていくことです。どのチャネルから何件問い合わせが来て、単価はいくらだったか。これを定期的に並べて、勝っているチャネルに寄せ、負けているチャネルを見直す。この地道な調整の積み重ねが、集客を安定させていきます。

 

完璧な計画を一度で作る必要はありません。出して、見て、直す。このサイクルを回し続けられる会社が、結果的に地域で選ばれ続けています。

まとめ。工務店の集客は「全体像→土台→広告」の順で進める

工務店の集客でつまずく一番の原因は、個別の施策の良し悪しよりも、その手前の進め方にあります。本記事でお伝えしてきた流れを、最後に整理します。

 

  • まず、使える集客チャネルの全体像を把握し、自社の棟数・予算・お客さんの温度感からやるチャネルとやらないチャネルを決める

  • 次に、広告に張る前に土台となるホームページと施工事例を固める

  • そのうえで、リスティング・Meta広告を中心に、分野に合った広告を費用対効果を見ながら運用する

  • 出したら見直す習慣で、配分を調整しながら伸ばしていく

 

この順番で進めるだけで、「広告を出しても問い合わせが来ない」という多くの工務店がはまる状態は、かなり避けられます。

そして広告に踏み込むときは、来場を何件取りたいのかを先に決めて、そこから許容できる獲得単価と月の予算を逆算してください。相場を探すより、この順番のほうが確実に自社の答えに近づきます。

 

ここまでお伝えしてきた進め方は、自社の棟数や予算、商圏によって最適な一手が変わります。「自社の場合はまず何から手をつけるべきか」を一緒に整理したい工務店経営者の方に向けて、30分の無料コンサルティングをご用意しています。まずは現状を聞かせていただくところから、お気軽にご相談ください。

 

▶ まずは情報収集からという方は、工務店向けの無料資料もご用意しています。 工務店様向け無料資料をダウンロードする

 

この記事に「共感できた」と感じた方は
私たちと自社の課題について話してみませんか?

この記事はわたしが書きました

スリーカウント株式会社代表取締役鈴木悠資

2007年、静岡大学在学中に大学のメンバーとスリーカウント株式会社を創業。2011年にインターネット広告運用を本格化して以来、約15年にわたりWebマーケティングを活用した「集客」と「求人」の課題解決に取り組む。
現在は浜松・静岡・東京の3拠点・20期目のWebマーケティング会社の代表を務める。

専門は、インターネット広告・SEO・SNS・サイト改善などを“バラバラの施策”で終わらせず、お客様と見込み客の間の「コミュニケーション」を設計するコミュニケーションマーケティング。自社の支援だけでなく、静岡県内の広告代理店やWebマーケティング会社に向けた技術教育も継続して行っている。

広告領域では Google Premier Partner、Yahoo!広告 正規代理店、Facebook マーケティングパートナー、採用領域では Indeed 認定ブロンズパートナー、求人ボックス ダブルスターパートナーの認定を受け、運用データに基づく戦略設計とWebサイト改善を強みとする。

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