
人材紹介や人材派遣のホームページをリニューアルしようと情報を集めている方の多くが、求職者からの登録がなかなか伸びない、企業クライアントからの問い合わせが増えない、といった課題を抱えていらっしゃいます。ホームページを作り直しさえすれば改善する、と単純に思えないのが本音ではないでしょうか。
実はその伸び悩みの背景には、媒体に求人を出すところまでで施策が止まってしまっている、求職者と企業クライアントという2方向のターゲットを切り分けないまま1サイトに詰め込んでしまっている、ホームページ単体で完結させようとしてGoogleマップや広告との連携が取れていない、といった構造的な理由が潜んでいます。
この記事では、人材紹介・派遣会社のホームページで本当に登録率と問い合わせ率を上げるための作り方を、実務目線で順を追って解説していきます。読み終えた頃には、「自社のホームページのどこから手をつけるべきか」がはっきり見えているはずです。
この記事は本気の改善を目指す方向けです
この記事を書いているスリーカウントについて
改めて、私たちスリーカウント株式会社について少しだけお話しさせてください。私たちは、WEBマーケティングを専門とし、これまで全国で700社以上の集客・採用支援に携わってきました。
ホームページ制作の領域では、求職者向けの採用サイトから、企業クライアント向けのコーポレートサイトまで、業種を問わず幅広く制作・改善のご支援をしてきました。集客や採用の現場感を持った制作会社として、見た目の綺麗さだけでなく公開後に登録や問い合わせがちゃんと増えるホームページをご提案しています。
人材業界においては、Indeed・求人ボックス・スタンバイの公式代理店として求人媒体運用も担いながら、人材紹介・派遣会社様のホームページ制作・改善・SEO・広告運用までを一気通貫でご支援しています。“作って終わり”ではなく成果が出るまで伴走することを大切にしており、たとえば人材派遣・紹介業の株式会社アスカ様からも、応募と採用の両方を実現するパートナーとしてご評価いただいています。
本記事では、そうした現場での経験をもとに、人材紹介・派遣会社が自社のホームページから求職者の登録と企業クライアントの問い合わせを増やすために、何から考え、何を作り、公開後に何をすべきかを順番にお伝えしていきます。まずは、なぜ今ホームページが成果を左右するのか、業界の現状から見ていきましょう。
人材紹介・派遣会社にとってホームページが重要な理由

ここではまず、なぜ今あらためてホームページが成果を左右するのか、人材業界の現状から整理していきます。求職者と事業者の需給バランス、媒体投資の偏り、求職者・企業クライアント双方の意思決定プロセスの変化という3つの視点で見ていくと、ホームページに求められる役割がこの数年で大きく変わっていることが見えてきます。
生産年齢人口の減少で、人材業界の競争は年々激しくなっている
人材業界は、そもそも「人が採用できない企業」が増えれば増えるほど需要が伸びる市場ですが、同時に供給側(求職者)の数は減り続けているため、いかに求職者を自社に登録してもらうかという競争が年々激しくなっています。
日本の生産年齢人口(15〜64歳)は、2020年の7,509万人から2070年には4,535万人まで減少すると推計されており、総人口に占める割合は59.5%から52.1%まで下がる見通しです。
(出典:国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(令和5年推計)」)
さらに、民間人材ビジネス市場(人材派遣・人材紹介・再就職支援の主要3業界)の2024年度の市場規模は事業者売上高ベースで9兆7,962億円となり、前年度比3.4%増で拡大が続いています。
(出典:矢野経済研究所「人材ビジネス市場に関する調査を実施(2025年)」)
つまり、求職者は減っているのに事業者は増えているという状況が、人材業界で起きているわけです。現場で実感されている方も多いと思いますが、数年前と同じやり方では求職者も企業クライアントも集まらないという肌感は、業界全体の変化が背景にあります。
「媒体に出す」だけでは勝てない時代になっている
採用・求人支援の現場で700社以上のご支援をしてきて強く感じるのは、人材紹介・派遣会社の多くが「媒体に出す」で止まってしまっているということです。
Indeedに出す、求人ボックスに出す、大手ナビに出す、といった「媒体選び」の話は社内でもよく議論されますが、そこから先の「媒体から自社サイトに来た人が、どのくらいの率で登録・問い合わせにつながっているか」という転換率側の改善は、ほとんど手がついていないケースが非常に多いです。
マーケティングの基本はアクセス数×転換率ですが、アクセス側(媒体)にばかり予算と労力が投下されて、転換率側(ホームページ)が放置されている。これが、人材業界の多くの会社で応募も問い合わせも伸び悩んでいる根本的な理由のひとつです。
求職者もクライアントも、必ずホームページを見に来る
求職者は、Indeedや求人ボックスなどの媒体で気になる求人を見つけても、そのまま応募ボタンを押すことはまずありません。必ず一度、その会社のホームページを見に来て「ちゃんとした会社かどうか」を確認してから応募するのが今の求職者の行動パターンです。
企業クライアント(人材を依頼する企業)も同じです。知人からの紹介や広告で知った人材会社に問い合わせをする前に、必ずホームページで「取引実績は十分か」「自社の業種に対応できるか」「許可番号はきちんと明示されているか」を確認します。
つまり、媒体や広告でどれだけ認知を取っても、最後の意思決定はホームページで行われているわけです。だからこそ、ホームページは営業ツールやパンフレットではなく、登録率・問い合わせ率を左右する”本丸”として捉え直す必要があります。
▶ ホームページに来てもらう”手前”の集客手法については、こちらで9つの方法を詳しく解説しています。
人材紹介会社が集客を成功させるには?具体的な手法9選と成果につなげるポイントを徹底解説
人材紹介・派遣のホームページは「2方向の転換率」で考える

ここが今回の記事で最もお伝えしたいポイントです。他業種のホームページと、人材紹介・派遣のホームページには決定的な違いがあります。それは、2つの全く異なるターゲットを1つのサイトで同時に相手にしなければならないということです。
求職者向けと企業クライアント向け、ゴールが違う2つの転換
人材紹介・派遣会社のホームページを訪れる人は、大きく分けて2種類います。
ひとつは、求職者・派遣登録者。仕事を探していて、御社に登録すべきかどうかを判断したい人たちです。この人たちにとってのゴールは「登録する・エントリーする」ことです。
もうひとつは、企業クライアント。人手不足で採用に困っていて、人材紹介や派遣の依頼先を探している企業の担当者や経営者です。この人たちにとってのゴールは「相談する・問い合わせる・発注する」ことです。
この2者は、見たい情報も、判断基準も、意思決定までのスピードも、全く違います。求職者は「自分がそこで働いて大丈夫か」を知りたくて、企業クライアントは「自社の採用課題を解決してくれそうか」を知りたい。同じホームページに来ても、欲しい答えが全然違うのです。
にもかかわらず、多くの人材紹介・派遣会社のホームページは、この2方向を切り分けずに「とりあえず会社情報を並べる」作りになっています。結果として、どちらの層にも中途半端にしか届かないサイトができあがってしまいます。
両方に共通する考え方:魅力と使い勝手の掛け算で転換率は決まる
2方向のターゲットがいるとはいえ、転換率を上げる考え方そのものは共通しています。弊社で700社以上のサイト改善をしてきて辿り着いた考え方は、とてもシンプルです。
転換率=①商品(会社・サービス)の魅力を上げる × ②使い勝手を良くする
ここで言う「魅力」は、商品そのものの改善ではなく、写真の使い方、キャッチコピー、ユーザーの気持ちに答える構成、言葉の選び方、のことです。求職者にとっての「この会社で働きたいかも」、企業クライアントにとっての「この会社に相談してみたい」という感情を動かす要素。
「使い勝手」は、そのワクワクした気持ちを、迷わせずに登録・問い合わせまで運ぶこと。フォームがシンプルか、スマホ対応がしっかりしていて指で操作しやすいか、欲しい情報にすぐ辿り着けるか、といったことです。
現場でよく見かけるのが、使い勝手の部分ばかりを改善して、肝心の「魅力」が伝わっていないサイトです。フォームをいくらシンプルにしても、そもそもこの会社を選びたいと思ってもらえていなければ、登録も問い合わせもされません。正直な話、影響度は「魅力」のほうが圧倒的に大きいです。
両方に共通する順序:興味→理解→行動
もうひとつ押さえておきたいのが、人が行動するまでの順序です。ユーザーはホームページに来た瞬間、多かれ少なかれ疑っている状態にあります。「本当にこの会社大丈夫か」「売り込まれるんじゃないか」「うまい話には裏があるんじゃないか」と思いながら、ページをスクロールしているわけです。
そんな相手を登録や問い合わせまで運ぶには、興味→理解→行動の順番を守る必要があります。
まず興味。「お?」と数秒だけ足を止めてもらう段階です。ここで数秒以内に「自分に関係ありそう」と思ってもらえなければ、その先のどんなに良い情報も読まれません。
次に理解。「なるほど、そういう会社なのか」と納得してもらう段階です。ここを飛ばして、いきなり「登録はこちら」「お問い合わせはこちら」と行動を迫るサイトが非常に多いのですが、人は理解できないものには行動できません。
そして最後に行動。「これなら大丈夫だ」と確信して、登録や問い合わせに進んでもらう段階です。
求職者向けのページを作るときも、企業クライアント向けのページを作るときも、この順序を守ることがすべての土台になります。次章からは、それぞれの方向ごとに具体的な作り方を見ていきます。
求職者向けページで応募率・登録率を上げる作り方

まずは求職者・派遣登録者向けのページです。求人媒体から流入してきた求職者が、御社のホームページで「登録したい」と思える状態をどう作るか。ここは弊社がIndeedや求人ボックスの公式代理店として求人支援をしてきた中で、最もノウハウが溜まっている領域です。
まず「理解の3つの壁」を取り除く
求職者の登録率が上がらないページには、ほぼ例外なく理解を阻害する3つの壁が立ちはだかっています。どんなに良い情報を載せていても、この壁に当たった瞬間に求職者は離脱します。
一つめが言葉の壁。業界用語や社内用語、曖昧な言葉を使ってしまうことで、求職者がイメージできず離れていく現象です。
たとえば「ポスティング」と書いても、チラシ配りを想像できる人もいれば、できない人もいます。「ヘルプデスク」「SV」「コーディネーター」といった言葉も、人材業界にいる人には当たり前でも、未経験の求職者にはピンと来ない言葉です。言葉の意味が分からないと、その会社自体が好きになれなくなる、という現象まで起きます。
対策はシンプルで、ターゲットにその言葉がどう聞こえるかを想像すること。誤解を招く言葉は定義を説明するか、誰でも分かる言葉に置き換えます。
二つめが経験の壁。文字だけで「実物」を想像させようとしてしまう現象です。「アットホームな職場です」「活気ある職場です」と書いても、求職者はその職場を経験したことがないので、実物が頭に浮かびません。結果として理解に至らず、離脱します。
対策は、写真・動画・具体エピソードで擬似体験させること。実際の職場の写真、先輩社員の一日の流れ、具体的な数字、固有名詞。この情報量がないと、求職者の頭の中に映像は浮かびません。
三つめが順序の壁。求職者が「今」知りたい情報を無視して、いきなり会社側が伝えたいことから語り始めてしまう現象です。
職種によって、求職者が最初に知りたい情報は違います。たとえばドライバー職や軽作業の方であれば「給与」「勤務時間」「休み」といった環境の情報が最優先で、いくら「会社のビジョン」を語っても、その段階の求職者には届きません。一方で営業職や専門職の方であれば、「どんな仕事をするのか」から入ったほうが興味を引ける場合もあります。
順序を間違えると、どんなに良い内容でもノイズとして処理されて終わります。
「受け取ってから渡す」で第一関門を突破する
求職者向けページで最も陥りがちなのが、いきなり自社の強みを語り始めることです。「私たちは地域No.1の実績で」「創業以来◯◯年の信頼で」といった言葉を、トップページやLPの一番目立つところに並べてしまう。
これは、求職者にとっては川の向こう岸から一方的に叫ばれている感覚です。まだ御社のことに興味を持っていない求職者に対して、こちらの言いたいことを一方的に渡しても、受け取ってもらえません。
弊社で一貫してお伝えしているのは「受け取ってから渡す」という順序です。
具体的には、求職者が一瞬で頭に描くであろう不安や疑問を、先にこちらが代弁してあげる。「人材業界ってブラックなイメージありますよね?」「未経験で本当に務まるんだろうかと不安ではありませんか?」「派遣って不安定そうと思われていませんか?」と、相手の頭の中を先に言葉にする。
そうすると求職者は「あ、自分の気持ちを分かってくれている」と感じて、初めてこちらの話を聞く姿勢になります。そのあとで自社の魅力や制度を伝えれば、同じ言葉でも全く違う重みで届きます。
この順序を守れるかどうかで、最初の数秒で離脱するか、その先まで読み進めてくれるかが決まります。これが第一関門の突破と私たちが呼んでいる考え方です。
求職者に伝えるべき5つの要素
第一関門を突破できたあとに、求職者が「登録しよう」と決断するために必要な情報は、経験上5つに集約されます。
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どんな会社なのか:理念や特徴だけでなく、数字や固有名詞を使って具体的に。「創業17年、派遣登録者数◯◯名」のように、信頼性が伝わる解像度まで書く
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どんな環境なのか:給与、勤務時間、残業、勤務地、休日、福利厚生。業界の一般的なイメージとのギャップを伝えるのも有効(「業界のイメージとは違って、◯◯な環境です」など)
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どんなメンバーと働くのか:これは特に重要です。入社理由・登録理由のアンケートで常に上位にくるのが面接官やコーディネーターの印象です。会社全体の集合写真だけでなく、部署ごと・一人ひとりの顔と声が見える状態が理想
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何をやるのか:仕事内容の具体像。一日の流れ、繁忙期と閑散期の差、求職者が実際にどんな業務に就くことになるのか
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どこに向かっているのか:会社の方向性、キャリアパス。ただしこれは興味を持った段階の求職者には不要なこともあるので、順序には注意
この5つが、明確に、確信を持って理解できる状態で伝えられているかどうか。これが登録率を左右します。
業界イメージから「逃げない」
人材紹介・派遣業界に対して、求職者が持っている外部イメージには、正直なところネガティブなものも含まれます。「派遣は不安定そう」「中間マージンで給料が安そう」「使い捨てにされそう」といった声は、サーベイをすれば必ず上位に出てきます。
ここで多くの人材会社がやってしまうのが、不都合な事実から目を背けて、やりがいや理念だけを語ることです。「給料の話には触れずに、成長できる環境をアピールしよう」「派遣のネガティブイメージは見せないで、前向きな事例だけ載せよう」と。
しかしこれは、求職者側から見ると都合の悪いことを隠している会社に映ります。そして、求職者は別の会社の情報も比較して見ていますから、そこで勝負の土俵から外れてしまうのです。
弊社の方針としてお伝えしているのは、事実から逃げず、文脈に変換するということです。たとえば給与が業界平均より少し低いという事実があるなら、それを隠すのではなく、「給与は業界平均並みですが、その分残業は月10時間以下です」「正社員登用の実績が直近3年で◯名あります」といった別の価値軸と組み合わせることで納得感を作る。
不都合な事実から逃げてしまうと、そもそも検討の土俵に乗れません。土俵に乗った上で、どう見せるかを考えるのがポイントです。
企業クライアント向けページで問い合わせ率を上げる作り方

次は企業クライアント向けです。人手不足に悩む企業の採用担当者や経営者が、人材紹介・派遣の依頼先を探して御社のホームページにたどり着いたときに、「この会社に相談してみよう」と思ってもらえるページの作り方を見ていきます。
問い合わせに効く5つのページを押さえる
企業クライアントの問い合わせ率を上げるには、ホームページのどのページを見ても納得感があり、回遊しやすい状態が必要です。弊社の経験上、BtoBのサイトで問い合わせに大きく効く重要ページは5つに絞られます。
一つめがトップページ。役割は「次のページに遷移したいと思ってもらうこと」です。ここで見落としがちなのが、会社のコンセプトをトップページにちゃんと載せるという点です。「コンセプト」ページにしか書かれていないと、本気で検討している人以外はそのページまで行きません。文字数としては最低1,500文字、できれば3,000文字くらい。英語メニューの多用は避けたほうが無難です。
二つめが事例・実績ページ。BtoBでもBtoCでも、問い合わせに直結するページです。特に人材業界では「自社の業種と近い事例があるか」が意思決定に直結します。事例のタイトルに業種・職種・規模・成果を具体的に入れることで、企業クライアントは「うちと似ている」と感じて読み込んでくれます。
三つめがフォームページ。意外かもしれませんが、ここはかなり離脱が起きる場所です。フォームのページまで来たのに、最後の送信ボタンを押せずに離脱していく方が想像以上に多い、というのが現場でよく見てきた実感です。「問い合わせしたら売り込みの電話が来るんじゃないか」というためらいを徹底的に解消する作りが必要です。
四つめがサービス詳細ページ。これはLP(ランディングページ)として作り込むつもりで取り組むのがおすすめです。人材紹介・派遣では「人材紹介」「人材派遣」「紹介予定派遣」など、サービスごとに検討層が違うので、それぞれの詳細ページをしっかり書き込む必要があります。4,000〜5,000文字でもむしろ少ないくらいの会社もあります。
五つめが会社概要ページ。BtoBの企業クライアントは、発注前に必ず「会社の歴史」「規模感」「許可番号」「沿革」を見ます。BtoCの「About Us」的なノリではなく、取引先が安心できる情報が揃っているかという視点で作り込みます。
事例ページは「数字と固有名詞」で解像度を上げる
企業クライアント向けの事例ページで、多くのサイトが陥っているのが抽象的すぎる事例タイトルです。「A社様の導入事例」「◯◯業界の成功事例」のようなタイトルだと、企業クライアントは自分ごととして読み始めてくれません。
解像度を上げる方法は数字と固有名詞を入れることに尽きます。例えば次のようなイメージです。
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悪い例:「製造業の人材派遣事例」
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良い例(書き方イメージ):「従業員100名規模の自動車部品メーカー様。期間工の即戦力配属を1ヶ月以内に実現」
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悪い例:「人手不足に悩むお客様の採用代行事例
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良い例(書き方イメージ):「地方の介護事業所様。採用代行を半年継続し、月ベースで十数件の応募を安定的に獲得」
写真だけ、テキストだけでは伝わりません。写真に補足説明を入れ、対応業種・職種・規模・期間・成果を組み合わせて見せる。そこまでやって初めて、企業クライアントは「うちの会社と似ているな」と感じて読み込んでくれます。
ひとつ注意したいのが更新日時の扱いです。事例を何年も更新していないと、「この会社、最近動いていないのかな」と思われて離脱されます。数年前の事例しかないくらいなら、更新日時は出さないという選択肢もあります。
信頼性を示す業界特有の必須要素
人材紹介・派遣業界のホームページには、他業種にはない業界特有の信頼要素があります。これらが抜けていると、まともな企業クライアントは問い合わせ前の段階で離脱します。
ひとつは許可番号。労働者派遣事業許可番号、有料職業紹介事業許可番号は、サイトのフッターや会社概要に明記するのが前提です。企業クライアントは、法的な許可を持っているかどうかを必ずチェックしています。
もうひとつがプライバシーマーク、ISMSなどの認証です。個人情報を大量に扱う業界なので、情報管理体制がどうなっているかは、企業クライアントにとって見逃せないポイントです。取得していない場合でも、代わりになる個人情報保護の取り組みを明示することが重要です。
さらに取引先企業ロゴや対応業種・職種の明示も、問い合わせ率に効きます。「うちの業界に対応してくれそうか」を判断する材料になるからです。対応職種は具体的に書けば書くほど、検索流入の面でも有利に働きます。
フォームは「ためらい」を徹底的に解消する
フォームで離脱される最大の理由は、入力項目が多すぎることと、問い合わせ後に何が起こるか分からない不安です。
項目数は徹底的に少なくします。人材紹介・派遣の場合、お名前・会社名・メールアドレス・お問い合わせ内容くらいまで絞って問題ありません。特に住所の入力は、問い合わせ段階では不要なケースがほとんどです。
不安の解消も重要です。「24時間以内に担当者から返信します」「しつこい営業はいたしません」「資料のみのご請求も歓迎です」といった一言があるだけで、フォームを送信する心理的ハードルは大きく下がります。
電話・メール・フォームの3経路を並べて、問い合わせ手段を選べるようにするのも効果的です。BtoBの場合、忙しい経営者層は「フォームより電話で話したい」という方も一定数いらっしゃいます。
人材紹介・派遣のホームページ制作でよくある失敗パターン

ここまでお伝えしてきた内容の裏返しでもありますが、現場で実際によく見かける成果が出ないホームページの共通点を整理しておきます。自社のホームページを振り返るチェックリストとして使っていただければと思います。
①いきなり自社の強みを語ってしまう
最も多い失敗が、トップページやLPの一番目立つ場所に「地域No.1の実績」「創業◯◯年」「選ばれ続ける理由」を並べてしまうパターンです。
作り手としては「強みをしっかり伝えたい」という気持ちからなのですが、求職者や企業クライアントから見ると、まだ興味も持っていない段階で一方的に自慢話をされている感覚になります。結果、数秒で離脱されます。
章3【求職者向けページで応募率・登録率を上げる作り方】で触れた受け取ってから渡すの順序を守り、まずは訪問者の不安や疑問を先に代弁する。これだけで第一印象は大きく変わります。
②求職者とクライアント、どちらにも刺さらない
人材紹介・派遣のホームページに特有の失敗が、2方向のターゲットを切り分けずに作ってしまうことです。
トップページに求職者向けのメッセージと企業クライアント向けのメッセージが混在して、どちらを優先して読めばいいのか分からない状態になっているサイト。あるいは、グローバルメニューを見ても「求職者の方はこちら」「企業様はこちら」といった動線が用意されていないサイト。
こうなると、求職者は「ここは自分向けの会社じゃなさそう」と感じて離脱し、企業クライアントも「ここは求人媒体みたいな感じだな」と感じて離脱します。結果、誰の心にも残らないサイトになります。
トップページから2方向の動線をはっきり分け、それぞれのターゲットが迷わず自分向けの情報にたどり着ける状態を作ることが前提になります。
③制作して終わり、更新が止まっている
もうひとつ多いのが、リニューアル直後は気合が入っていたのに、数ヶ月後には更新が止まっているパターンです。
求人情報が半年前のまま、事例が2年前のまま、スタッフ紹介のメンバーがすでに退職している。こうしたサイトは、求職者からも企業クライアントからも「この会社、ちゃんと動いているのかな」という印象を持たれます。
人材紹介・派遣は、情報の鮮度が業種的に特に問われる業界です。求人案件は常に動いていますし、対応できる職種や取引先も増減します。更新体制を制作段階から想定しておかないと、時間が経つほど応募も問い合わせも落ちていき、採用と取引の両面で機会損失が積み重なっていきます。
④ホームページ単体で完結させようとしている
見落とされがちな失敗が、ホームページだけを良くすれば問い合わせが増えると思い込んでしまうことです。
実際には、求職者も企業クライアントも、御社のホームページを見ると同時に、Googleマップの口コミ、SNS、広告、転職会議などのクチコミサイトも見ています。
特にGoogleマップの口コミは、応募者・発注者の意思決定に強く影響します。「応募者は失敗を一番恐れている」という言い方を私たちはよくするのですが、求職者は自分の人生がかかっているからこそ、ホームページだけでなく口コミまで見て「ここなら大丈夫」と確信したい。そのときにGoogleマップの評価が低かったり、悪い口コミが放置されていたりすると、せっかくホームページで良い印象を持ってもらっても一気に冷めます。
ホームページ、Googleマップ、SNS、広告。この4つが同じ一枚絵として見える状態を作れているかどうか。ここまで考えて初めて、ホームページは成果を出せます。
▶ 逆にホームページは作ったけれど集客側に手がついていない方は、こちらで9つの集客手法を詳しく解説しています。
人材紹介会社が集客を成功させるには?具体的な手法9選と成果につなげるポイントを徹底解説
ホームページ制作の費用相場と投資判断

費用感は多くの方が最初に気にされるポイントです。ただし、価格だけで比較すると本当の判断ができない業界でもあるので、相場感と併せて費用対効果の考え方をお伝えします。
人材紹介・派遣会社向けホームページの費用相場
一般的な相場感は以下のとおりです。あくまで弊社を含む業界の相場ベースで、会社や案件の規模により上下します。
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50万円〜100万円:テンプレート活用+一部カスタマイズ。10〜20ページ程度、基本的なコーポレートサイト
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100万円〜300万円:オリジナルデザイン+CMS構築。求職者向け・クライアント向けの動線づくり、事例ページの作り込み、フォームの工夫、スマホ対応(レスポンシブ)までしっかり入る
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300万円〜600万円:本格的な求職者登録機能、派遣スタッフ管理画面、Indeed連携、求人検索機能などを含む。BtoB導線のLP複数本制作も対応
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600万円以上:求人検索システム、応募者管理、スタッフマイページなど大規模システムを含む
人材紹介・派遣業界では、100万〜300万円のレンジで制作される会社が最も多い印象です。ここを下回ると、2方向の動線づくりや事例ページの作り込みまでは手が回らないケースが多くなります。
価格帯別にできること・できないこと
50万円〜100万円のレンジでは、正直なところ「ちゃんとしたサイトがあるという状態」を作るまでです。集客や登録率の改善まで踏み込むのは難しく、すでにある程度の認知がある会社が「名刺代わりのホームページ」として持つイメージです。
100万円〜300万円のレンジになると、求職者向け・クライアント向けの2方向の動線、事例ページの作り込み、フォームの工夫、SEOの基本までが視野に入ってきます。ここが多くの人材紹介・派遣会社の現実的な落としどころです。
300万円以上になると、求人検索機能、Indeed連携、派遣登録フォームのカスタマイズ、応募者管理システムといった業界特有の機能まで入ってきます。事業規模が大きく、自社サイトからの登録・応募を本格的に増やしたい会社の選択肢です。
費用対効果を最大化する考え方
価格の絶対額だけで判断すると、安く作って結局転換しないホームページが最も高くつくことになります。
安く作ったホームページからの登録数が月に数件にとどまる一方、投資して動線や魅力づくりまで作り込んだホームページが月に十数件の登録を生む、というのは現場でよく見かける景色です。そうなると1件あたりの獲得コストは後者のほうが圧倒的に安くなりますし、しかも登録者の質まで変わってきます。
判断の軸は、登録数・問い合わせ数の改善幅で投資対効果を見ること。制作会社に相談するときは、必ず「どのくらいの応募数・登録数・問い合わせ数を想定した作りになっているか」を聞くのがおすすめです。
人材業界に強いホームページ制作会社を選ぶポイント

ここまで読んでいただいた方は、人材紹介・派遣のホームページは2方向ターゲットと業界特有の要件が絡む、やや難易度の高い領域だとお分かりいただけたと思います。制作会社を選ぶときは、次の4つのポイントを押さえることをおすすめします。
人材業界の実績があるか
まず確認したいのが、人材業界での制作実績が複数あるかです。コーポレートサイトを作れる制作会社は無数にありますが、人材紹介・派遣の業界特性(許可番号の扱い、2方向ターゲット、Indeed連携、登録フォームの作り込みなど)を理解している会社は限られます。
業界未経験の制作会社に依頼すると、求職者側の作り込みが極端に弱い、あるいは企業クライアント側の信頼要素が抜け落ちているホームページになりがちです。
求職者とクライアント双方への動線を描けるか
見積もり依頼の段階で、「求職者向けと企業クライアント向け、それぞれの動線をどう作りますか」と聞いてみるのが有効です。
この質問に対して、「求職者はこういう導線で、企業クライアントはこういう導線で」と具体的な回答が返ってくる会社は、業界への理解が深い可能性が高いです。逆に「とりあえずトップページに両方のバナーを置きます」程度の回答しか返ってこない会社は、2方向の動線づくりのノウハウが浅い可能性があります。
制作だけでなくSEO・広告・運用まで一貫支援できるか
人材紹介・派遣の採用と取引の伸びは、公開後の運用フェーズで決まると考えています。SEOで求職者の検索流入を増やし、広告で企業クライアントへのアプローチを組み立て、コンテンツ更新で鮮度を保つ。ここまで踏み込んでくれる制作会社かどうかで、3年後の応募数・問い合わせ数は全く違うものになります。
「制作だけやります、あとはお客様で頑張ってください」という会社と、「制作後のSEOや広告運用も含めて伴走します」という会社では、提案段階から考え方そのものが違います。前者は見た目が綺麗なホームページを作ることがゴールになり、後者は成果が出るホームページを作ることがゴールになります。
Indeed等の外部媒体との連携を理解しているか
人材業界のホームページ制作では、Indeed、求人ボックス、スタンバイなどの外部媒体との連携を前提にした組み立てが必要です。
求人情報を自社サイトに載せれば、Indeedや求人ボックスがクロールして媒体側にも掲載してくれる仕組みがあります。ただし、正しくクロールされるためには、構造化データの実装、求人情報の記載フォーマット、更新頻度などの要件を満たす必要があります。
このあたりを理解している制作会社かどうかで、公開後の集客力は大きく変わります。見積もり時に「Indeedのクロール対応はどう考えていますか」と聞いてみると、経験値が一発で見えます。
ホームページ制作後に成果を伸ばすための運用ポイント

制作して公開したあとが本番です。この章では、公開後の運用で特に意識したいポイントを3つお伝えします。
トリプルメディアをバラバラにしない
ホームページ公開後に最も効くのが、ホームページ・Googleマップ・SNS・広告を同じメッセージで揃えることです。マーケティングの用語では、オウンドメディア(自社が所有するもの=ホームページ、SNS)、ペイドメディア(お金を払って露出するもの=広告)、アーンドメディア(信頼・評判=口コミ、Googleマップ)の3つをトリプルメディアと呼びます。
この3つがバラバラに動いていると、ホームページで得た好印象がGoogleマップの口コミで一瞬で崩れる、広告のメッセージとホームページのコンセプトが違うと混乱を招く、といったことが起きます。
特にGoogleマップは、BtoC・BtoBを問わず意思決定に最も効くツールのひとつです。しかも、日々の投稿更新がほぼ不要で、一度整備すれば長く効きます。多くの人材会社でまだ本気で取り組めていない領域なので、ここを押さえるだけで競合との差が出せます。
求人情報の定期更新とIndeed等の外部媒体連携
人材紹介・派遣会社のホームページは、求人情報の鮮度が成果に直結します。
自社サイトに最新の求人情報が載っていないと、Indeedや求人ボックスへのクロール掲載も止まります。求職者からは「更新されていない=動いていない会社」と見られます。理想は週単位、最低でも月単位での更新体制を、公開前から社内で決めておくのが安心です。
媒体ごとのクローリング掲載の仕組みや、媒体運用・集客手法については、弊社の別記事で具体的に解説しています。
▶ Indeedの自動掲載(クローリング)の仕組みは、こちらで詳しく解説しています。
Indeedで求人を無料掲載する方法は?|条件や注意点を紹介
▶ 求人ボックスのクローリング掲載については、こちらで条件・流れまで解説しています。
求人ボックスのクローリング掲載とは?掲載条件・流れ・直接投稿との違いを徹底解説
▶ Indeed・SNS・広告など媒体ごとの集客手法は、こちらで9つの方法を詳しく紹介しています。
人材紹介会社が集客を成功させるには?具体的な手法9選と成果につなげるポイントを徹底解説
SEO・コンテンツ更新で求職者・クライアントの流入を増やす
ホームページから継続的に求職者と企業クライアントを集めるためには、検索エンジンからの流入を育てる必要があります。
具体的には、求職者向けには「◯◯職 求人 △△市」「派遣 未経験 ◯◯」のようなキーワード、企業クライアント向けには「人材派遣 依頼 ◯◯業界」「採用代行 料金」のようなキーワードで上位表示を狙っていきます。
そのために、コラム記事・事例記事・業界トピックの発信を継続的に行うことがベースになります。月1〜2本でも継続できれば、半年〜1年で検索流入が目に見えて変わってきます。
更新が社内で回らないときは、制作会社にコンテンツ制作も依頼する選択肢もあります。ただし、現場のリアルを知らない外注ライターに丸投げすると内容が薄くなるので、取材ベースで書いてもらう・社内担当者が構成だけ作って外注する、など工夫が必要です。
まとめ
人材紹介・派遣のホームページ制作で成果を出すために、今回の記事でお伝えしてきた要点を整理します。
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人材業界は求職者の減少と事業者の増加で年々競争が激化しており、媒体に出すだけでは勝てない時代になっている
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ホームページは営業ツールではなく、登録率・問い合わせ率を決める本丸として位置づけ直す必要がある
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人材紹介・派遣のホームページは求職者向けと企業クライアント向け、2方向の転換率を同時に組み立てる必要がある
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求職者向けには、理解の3つの壁を取り除き、受け取ってから渡す順序で、5つの要素を伝える
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企業クライアント向けには、5つの重要ページを押さえ、数字と固有名詞で解像度を上げ、業界特有の信頼要素を明示する
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制作会社を選ぶときは、人材業界の実績、2方向の動線、運用まで伴走、外部媒体連携の4軸で見る
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