
こんにちは。スリーカウント株式会社の代表取締役、鈴木です。
今回は「自社EC × SNS集客」をテーマに、自社ECサイトの売上を伸ばしていくうえで、SNSをどう捉え、どう使うべきかについてお話ししていきます。自社ECを運営されている方の中には、
- 広告だけに頼らず、もっと安定した集客の軸をつくりたい
- InstagramやTikTokを始めてみたものの、手応えがない
- 投稿はしているが、売上につながっている実感がない
- SNSをやったほうがいいとは聞くが、何から手を付ければいいか分からない
こうした悩みを感じている方も多いのではないでしょうか。
実際、私たちがお客様のECサイトの売上改善のご相談を受ける中でも、「SNSをやったほうがいいのは分かっているけれど、どう設計すればいいのか分からない」「とりあえず投稿しているが、正解かどうか分からない」という声は非常に多く聞かれます。
一方で、投稿→プロフィール→ECサイトまでの流れが設計されていれば、広告費を大きく増やさなくても、認知・集客・転換率のすべてに良い影響を与えながら、売上を伸ばしていけるのも事実です。
そこでこの記事では、SNSを「なんとなくやる施策」ではなく、「自社ECの売上構造の一部」としてどう組み込むべきかという視点から、徹底的に解説していきます。
この記事は本気の改善を目指す方向けです
本記事では、売上を伸ばすための自社ECにおけるSNS集客について、「まず押さえるべき前提となる考え方」「それぞれのSNSにどのような役割を担わせるか」「アカウント設計・投稿・導線をどう組み立てれば売上につながるのか」といった点を、WEBマーケティングの専門会社である私たちが、実際に自社EC支援の現場で向き合ってきた経験をもとに、できるだけ分かりやすく整理してお伝えしていきます。
やや長文にはなりますが、最後まで読んでいただくことで、「SNSをなぜやるのか」「今の運用で何が足りていないのか」「自社ECに効くSNSの使い方とは何か」といった点が整理できる内容になっています。「SNSを頑張っているつもりだが、成果につながっている実感がない」「これから自社ECの集客を本気で伸ばしていきたい」そんなEC事業者様・ご担当者様は、ぜひ最後までご一読ください。
本題の前に少し自己紹介
改めて、私たちスリーカウント株式会社について少しだけお話しさせてください。私たちは、WEBマーケティングを専門とする会社として、これまで数多くの自社ECサイトの立ち上げ・運用・改善に関わってきました。
特に、「広告や施策を増やす前に、土台をどう整えるか」「今あるリソースで、どう売上を伸ばしていくか」といった、現実的な改善に向き合う支援を得意としています。支援してきたジャンルも、アパレル、食品、日用品、メーカー直販ECなどさまざまです。
たとえば、
・食品ECで、Instagramを起点に認知と集客を積み上げ、安定した成長を続けているケース。
・アパレルECで、広告費を大きく増やすことなく、SNSを軸に売上を約25倍まで伸ばしたケース。
いずれも共通していたのは、「SNSをとりあえず始める」のではなく、どのSNSを、何のために使うのか。どういう流れでECに人を連れてくるのか。を整理したうえで、運用を組み立てていたことです。
私たちは、「バズればOK」「フォロワーを増やせば売れる」といった短絡的な考え方ではなく、自社ECの売上構造の中で、SNSがどこに効いてくるのかを整理したうえで、運用を設計していくことを大切にしています。
本記事では、そうした実体験をもとに、「自社ECでSNS集客に取り組む前に、必ず知っておいてほしい考え方」から順を追ってお話ししていきます。
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自社ECでSNS集客を始める前に押さえる大前提

自社ECでSNS集客に取り組もうとすると、「とにかく投稿を増やせば売れるのでは」「フォロワーが増えれば売上も伸びるのでは」と考えてしまいがちです。
ただ、最初にお伝えしておきたいのは、SNSは単体で売上を生み出す魔法の装置ではない、ということです。
ここで押さえておきたいのが、ECの売上は、アクセス × 転換率 × 客単価で決まる、という点です。
SNSはあくまで、
-
自社ECに「興味を持ってもらう」
-
商品やブランドを「知ってもらう」
-
購入を検討する入口に「良質なアクセスを流す」
ための手段です。ここを取り違えると、フォロワー数や投稿数は増えているのに、売上は一向に伸びない、という状態に陥りやすくなります。
また、SNSは「アクセスを集めるための施策」と思われがちですが、実際にはそれだけではありません。SNS運用がうまくいっている自社ECでは、
・投稿の段階で商品理解が進んでいる
・興味・関心が高まった状態でサイトに来る
・結果として、転換率が高いアクセスになる
という状態が生まれています。つまりSNSは、
・アクセスを増やす
・そのアクセスの“質”を高める
という、2つの役割を担っています。この前提を理解せずに、「とにかく人を集める」運用をしてしまうと、SNSはただの“にぎやかし”で終わってしまいます。
転換率が低いサイトに、SNSで人を流しても意味がない
もう一つ、非常に重要な前提があります。それは、転換率が低い自社ECに、SNSでアクセスを流しても成果は出にくいということです。
分かりやすく言えば、『買いづらいサイトに、いくら人を連れてきても、多くの人はそのまま帰ってしまう』という話です。
SNS運用は、短期間で劇的な成果が出る施策ではありません。時間をかけて、少しずつ育てていくものです。だからこそ、
-
サイトが最低限「買える状態」になっているか
-
転換率を改善する視点を持っているか
この土台がないままSNS集客を始めると、「頑張っているのに成果が出ない」という感覚だけが残ってしまいます。
関連記事:自社ECの売上を伸ばすためのサイト改善|まず見直すべきポイントとは
SNSは“長期戦”が前提の集客施策
SNS集客でもう一つ押さえておきたいのが、短期で結果を求めすぎないことです。広告のように、
・出せばすぐアクセスが増える
・止めればすぐゼロになる
という施策とは違い、SNSは「積み上げ型」の集客施策です。
投稿を重ね、アカウントの世界観が伝わり、徐々に「このブランド、気になる」「この商品、いいかも」と思ってもらう。このプロセスを飛ばして、いきなり売上だけを求めると、SNS運用はほぼ確実に続きません。
SNS集客は「EC全体の一部」だと考える
自社ECにおけるSNS集客は、『SNSだけ頑張る』『投稿だけ工夫する』という話ではなく、
・サイト側の受け皿
・転換率
・リピート導線
とセットで考えるべき施策です。SNSはあくまで、「良いアクセスを、良い状態でECに届けるための装置である」
この前提を共有したうえで進めないと、このあとお伝えする
-
どのSNSを使うべきか
-
アカウント設計・プロフィール設計
-
投稿内容の考え方
-
ECへの導線設計
すべてがズレてしまいます。
SNS集客は、BtoCの自社ECサイトで効果を発揮しやすい
またSNS集客は「すべてのビジネスに向いている施策ではない」という点も大事です。特にBtoB領域では、SNSを集客の主軸に据えるのはかなり難易度が高く、実際の支援現場でも、SNS単体で成果が安定して出ているケースは多くありません。
理由はシンプルで、SNSは「人の感情」や「共感」を起点に広がるメディアだからです。購入までに時間がかかるBtoB商材や、情報収集が主目的の商材では、
SNS上で直接的に行動を起こしてもらうのが難しくなります。一方で、アパレルや食品、日用品などのBtoC向け自社ECでは、SNSが「興味・共感の入口」として非常に機能しやすいです。
こうした前提を踏まえたうえで、この記事では自社EC(BtoC)において現実的に成果につながりやすい考え方に絞って整理していきます。
次の章では、自社ECのSNS集客では、どのSNSを主軸に考えるべきかについて整理していきます。「とりあえず全部やる」のではなく、自社ECにとって現実的で、成果につながりやすい選択肢を見ていきましょう。
どのSNSをどう使うべきか|自社ECのSNS集客は「選択」がすべて

自社ECでSNS集客を考えるとき、まず多くの方が悩むのが「結局、どのSNSを使えばいいのか」という点ではないでしょうか。
Instagram、TikTok、X、LINE、YouTube…。選択肢が多い分、「全部やったほうがいいのでは」と感じてしまうのも無理はありません。ただし、ここで最初にお伝えしておきたいのは、
自社ECのSNS集客において、すべてのSNSを同じ熱量でやる必要はないということです。むしろ、選択を間違えると、
・手間ばかり増える
・担当者が疲弊する
・成果が出ないまま止まる
というケースが非常に多くなります。
自社ECのSNS集客で「主軸」になるのは2つだけ
自社ECのSNS集客で主軸として考えるべきSNSは、基本的にこの2つです。
-
Instagram
-
TikTok
理由はとてもシンプルです。
-
EC商材と相性が良い
-
視覚的に商品を伝えられる
-
検索行動を伴わずに「発見」される
-
興味関心の高い状態でサイトに流入させやすい
この条件を、安定して満たせるSNSが、現時点ではこの2つだからです。
Instagram|自社ECのSNS集客の“王道”
まずInstagramです。Instagramは、
・商品の魅力を丁寧に伝えられる
・世界観・ブランドイメージを作りやすい
・購入検討層との相性が良い
という特徴があります。実際、アパレルや食品などの自社ECで成果が出ているケースの多くは、Instagramを集客と認知の軸として使っています。Instagramの強みは、
-
フィード投稿で「理解」を深められる
-
リールで「新規との接点」をつくれる
-
投稿→プロフィール→ECサイトという導線が自然に作れる
という点にあります。単なるアクセス数だけでなく、転換率が高い状態で流入してくるアクセスを生みやすいのが、Instagram最大の強みです。
TikTok|拡散力で新規接点をつくるSNS
もう一つの主軸がTikTokです。TikTokはInstagramと比べると、
-
拡散力が非常に高い
-
フォロワーが少なくても伸びる可能性がある
-
新規ユーザーとの接点を作りやすい
という特徴があります。
考え方としては、
-
Instagram:理解・検討を深める
-
TikTok:興味の入口を広げる
という役割分担が非常に分かりやすいです。TikTok単体で売る、というよりも、「商品やブランドを知ってもらう入口」として使い、そこからInstagramやECサイトに興味をつなげていく。この使い方が、自社ECでは現実的です。
X(旧Twitter)は「得意な人向け」
Xについても触れておきます。Xで集客ができないわけではありません。実際に、Xを得意とする担当者がいて、属人的に成果を出しているケースもあります。
ただし、
・投稿のセンスや言語化能力に依存しやすい
・担当者が変わると続かない
・組織的に再現しづらい
という特徴があります。
そのため、Xは「最初から選ぶSNS」ではなく、「得意な人がいるなら選ぶSNS」という位置づけで考えるのが現実的です。
LINEは「集客」ではなく「リピート」のSNS
LINEについても、よく誤解されがちなので整理しておきます。LINEは非常に優秀なツールですが、役割は「集客」ではありません。
LINEが本領を発揮するのは、
・購入後のフォロー
・リピート率の向上
・メルマガの代替
といった領域です。LINEのタイムライン投稿(LINE VOOM)で売上がまったく生まれないわけではありませんが、実際の支援現場で見ている限り、全体売上に対する影響は1〜3%程度、多く見積もっても5%に届かないケースがほとんどです。
友だち数が多いアカウントであれば、「投稿した分、少し売上が上乗せされる」という感覚はありますが、LINE VOOMを主軸に据えて集客を狙うのは、費用対効果の面でも現実的ではありません。
そのため、自社ECのSNS戦略としては、
・集客・認知:Instagram / TikTok
・リピート・再購入:LINE
と役割を明確に分けて考えるほうが、失敗しにくくなります。InstagramやTikTokでつくった“興味・関心”を、LINEで「つながり続ける」「もう一度買ってもらう」ために使う。この位置づけでLINEを活用するのが、もっとも健全で再現性の高い使い方です。
「全部やる」より「選んでやる」
ここまでをまとめると、
-
主軸:Instagram
-
拡張:TikTok
-
条件付き:X
-
補完:LINE(リピート)
この整理が、自社ECにおけるSNS集客の現実的な選択肢です。SNS集客は、やればやるほど成果が出るものではありません。むしろ、「何をやらないか」を決めることが、成功の近道になります。
次の章では、SNS運用の土台となる「アカウント設計・プロフィール設計」について解説していきます。ここを疎かにすると、どれだけ投稿を頑張っても、成果にはつながりません。
SNS運用の土台|アカウント設計とプロフィール設計を考え抜く

自社ECでSNS集客に取り組む際、「何を投稿するか」や「どれくらい更新するか」に意識が向きがちですが、私たちがまず最初に整理するのは、アカウント設計とプロフィール設計です。
なぜなら、SNS運用は投稿の工夫以前に、どんなアカウントとして存在しているかによって、成果の出方が大きく変わるからです。ここが9割と言っても過言ではありません。
どれだけ投稿を頑張っていても、
-
誰向けのアカウントなのか分からない
-
何を扱っているのか一瞬で伝わらない
-
次に何をすればいいのか迷ってしまう
こうした状態では、投稿から先の行動、成果につながりません。
このときに意識したいのが、「自分たちが何を発信したいか」ではなく、「情報を受け取る側は、何を知りたいと思っているか」という視点です。
アカウント設計は、投稿内容を決める作業ではなく、ユーザー視点に立って、このアカウントがどんな情報を受け取る場所なのかを定義する工程だと捉えると、設計のズレが起きにくくなります。
アカウント設計とは「投稿の前に決めておくべき前提」
SNS集客におけるアカウント設計とは、投稿を並べる前に、ユーザーの動線と役割を決めておくことだと考えてください。
SNSは、情報を広く届けるためのメディアというよりも、特定の誰かとの関係性を前提に評価される構造を持っています。
そのため、「誰にとってのアカウントなのか」「どこに向かってほしいのか」が曖昧なまま運用を始めてしまうと、発信内容も成果の見方もブレやすくなります。
もう少し具体的に言うと、アカウント設計では最低限、次の3点を整理します。
・このアカウントは「誰に向けたものか」
・投稿を見たユーザーに「最終的にどうなってほしいのか」
・そのために、このアカウントは「どの役割を担うのか」
たとえば、商品の世界観を知ってもらう場所なのか、
購入を検討している人の不安を減らす場所なのか。
この役割が定まることで、投稿内容やプロフィールの方向性も自然と揃っていきます。
また、アカウント設計を考えるうえでは、
・Instagramの中で完結させたいのか
・自社ECに人を連れてくるために使いたいのか
といった目的の違いがある点も、最初に整理しておく必要があります。自社ECに集客をするのが目的であるにもかかわらず、
フォロワーを増やすことや投稿の見た目を整えることが主目的になってしまうと、
「伸びているのに売れない」「売りたいのに届かない」といったズレが生まれやすくなります。
公式アカウントが伸びづらい理由を、構造から理解する
ここで一つ、SNS集客で多くの方がつまずきやすいポイントがあります。それが、公式アカウントは基本的に伸びづらいという点です。
これは、運用が下手だからという話ではありません。SNSはもともと、
・人と人がつながる
・誰かの考えや日常を覗く
といった「対人コミュニケーション」を前提にしたメディアです。そのため、
・ブランド → ユーザー
・会社 → フォロワー
という無機質な構図だけで発信していると、投稿のクオリティ以前に、温度が伝わりにくい状態になってしまいます。
結果として、反応が取りづらくなり、「頑張っているのに手応えがない」という感覚につながりやすくなります。
「中の人」はアカウント設計上の選択肢のひとつ
こうした背景から、アカウント設計の考え方の一つとして出てくるのが、いわゆる「中の人」という存在です。
よく誤解されがちですが、「中の人を出す」というのは、バズを狙ったり、露出を増やしたりするためのテクニックではありません。
本質は、このアカウントは誰が、どんな立場で発信しているのかを、ユーザーが直感的に理解できる状態をつくることです。
人の存在が感じられることで、
・温度感が伝わる
・信頼が生まれる
・商品やブランドの背景が理解されやすくなる
といった変化が起こり、投稿への反応やプロフィール遷移、ECへの流入にも影響してきます。
一方で、すべてのECアカウントで中の人を出すべき、という話ではありません。
・社長が表に出るのが難しい
・担当者が固定できない
・ブランドイメージ的に合わない
こうしたケースも当然あります。その場合は、「誰が作っている商品なのか」「どんな想いで届けているのか」「どんな人たちが関わっているのか」を、投稿やプロフィールの文脈で“感じさせる”設計にするだけでも十分です。
大切なのは、ブランドが人から切り離された存在になっていないか、という視点です。
▼無印良品さんの中の人を感じさせる投稿例▼

SNS集客では「プロフィール」が必ず通過点になる
こうしたアカウント設計を前提にすると、次に重要になるのがプロフィール設計です。InstagramやTikTokでの集客では、多くの場合、
投稿(リール・フィード)で発見される
↓
興味を持ってプロフィールを見る
↓
プロフィールからECサイトに行くかを判断する
という流れを辿ります。
広告を使わない通常運用であれば、なおさらプロフィールは必ず通過点になります。
だからこそ、「投稿だけ頑張る」「デザインだけ整える」といった部分最適ではなく、「投稿 → プロフィール → ECサイト」までを一つの体験として設計することが重要になります。
また実際の支援現場では、プロフィールを閲覧している人の半数以上が、フォロワーではなく非フォロワーであるケースも少なくありません。
つまりプロフィールは、すでに関係がある人のための場所ではなく、多くの「はじめまして」の人が訪れる場だという前提で、丁寧に作る必要があります。
参考記事:Instagram企業アカウント|プロフィール改善で成果を出す4つのポイントを徹底解説
プロフィール設計は「価値の集約点」
SNS集客において、プロフィールは単なる自己紹介欄ではありません。投稿を見て興味を持ったユーザーが、次の行動を決める場所です。
プロフィールでは、
・何を扱っているアカウントなのか
・どんな価値が得られるのか
・なぜECサイトに行く必要があるのか
が、一瞬で伝わる必要があります。特にBtoCの自社ECでは、おしゃれさよりも理解のしやすさが優先される場面が多くなります。
英語や専門用語に寄りすぎず、日本語で、意味が正しく伝わるかどうか。この視点はとても重要です。
また、プロフィールと合わせて設計したいのがハイライトです。ハイライトは、投稿の流れに左右されず、ユーザーが能動的に確認する場所でもあります。
・キャンペーン情報
・商品の特徴や使い方
・お客様の声・実績
といった「購入前に気になる情報」を整理しておくことで、プロフィールからECサイトへの遷移率を高める役割を果たします。
投稿で興味を持ち、プロフィールで理解し、ハイライトで不安が減る。この流れができているかどうかは、SNS集客の成果を大きく左右します。

何を投稿すべきか|自社ECのSNS集客に効くコンテンツ設計

SNS集客というと、「とりあえず投稿を増やそう」「毎日更新しよう」という話になりがちです。もちろん、投稿量がゼロでは当然成果は出ません。ただし、何の役割も整理されていない投稿を量産しても、売上にはつながりません。自社ECのSNS集客では、「量」と同時に「役割の設計」が重要になります。
まず押さえておきたいのは、
InstagramとTikTokでは、投稿に求められる役割が違うという点です。
InstagramとTikTokは「同じSNS」ではない
自社ECのSNS集客では、InstagramとTikTokを次のように考えると整理しやすくなります。
-
TikTok(Instagramリール含む)
→ 新しい人に“知ってもらう”“興味を持ってもらう”ための場所
-
Instagram(フィード投稿)
→ 興味を持った人に“理解してもらう”“納得してもらう”ための場所
つまり、
・TikTok(Instagramリール含む)は「入口」
・Instagram(フィード)は「理解と検討を深める場所」
という役割分担です。この前提がないまますべての投稿で「売ろう」「説明しよう」としてしまうと、どちらのSNSでも中途半端になりやすくなります。
TikTok・リールでやるべき投稿|まずは「興味を引く」
TikTokやInstagramのリールで最も重要なのは、商品を詳しく説明することではありません。ここで求められるのは、「ちょっと気になる」「なんか見ちゃった」という最初の引っかかりです。
リール投稿では特に、
-
最初の数秒(特に3秒)で興味を引けるか
-
最後まで見たくなる流れになっているか
が非常に重要です。
〈よくあるNG例〉
自社ECのSNS運用でよく見かけるのが、次のような投稿です。
-
商品スペックを淡々と説明する
-
豆知識だけを並べた投稿(商品との関係が弱い)
-
「○○とは?」といった一般論だけで終わる投稿
一見、役立ちそうに見えますが、自社ECの集客という観点では、ほとんど意味がありません。なぜなら、
・商品に興味を持つ前に離脱される
・投稿は伸びても、サイトに来ない
・フォロワーは増えても、購買につながらない
という状態になりやすいからです。
〈リール投稿で意識したい視点〉
リール投稿では、
-
「知らなかった」
-
「ちょっと驚いた」
-
「自分に関係ありそう」
このどれか一つでも感じてもらえれば十分です。商品そのものを主役にする必要はありません。『使う前と使った後の違い』『思わず共感してしまう悩み』『「あるある」からの気づき』こうした切り口から入り、最後まで見てもらうことを最優先に考えます。

Instagramフィードでやるべき投稿|商品理解を深める
一方、Instagramのフィード投稿は、リールやTikTokで興味を持ったユーザーが、
・「この商品、ちゃんと良さそうかな」
・「自分に合っていそうかな」
と判断するための場所です。ここで重要なのは、拡散を狙うことではありません。むしろ、
・商品の魅力が伝わっているか
・どんな人に向いているかが分かるか
・不安になりやすいポイントが放置されていないか
といった、納得感のほうが重要になります。
〈フィード投稿で意識したい内容〉
フィード投稿では、次のような要素が有効です。
-
商品の使い方・利用シーンが具体的に分かる投稿
-
「どんな人におすすめか」が明確な投稿
-
写真や動画を通して、商品のイメージが伝わる投稿
ここでのポイントは、売り込まないことです。「今すぐ買ってください」という圧を出すほど、逆にユーザーは引いてしまいます。あくまで、
-
この商品がどんな価値を持っているか
-
使うとどうなるのか
を、自然に理解できる状態をつくることが目的です。

「投稿が伸びない=失敗」ではない
SNS運用でよくある誤解が、「投稿が伸びない=意味がない」という考え方です。自社ECのSNS集客においては、
・リールで拡散を狙う投稿
・フィードで理解を深める投稿
この両方が必要です。フィード投稿は、リールほど伸びないことも多いですが、
・プロフィールに来た人が見る
・商品ページに行くかどうかを判断する材料になる
という、非常に重要な役割を担っています。数字だけで判断せず、「この投稿は、どの段階のユーザーに向けたものか」を常に意識することが大切です。
何を投稿すべきか|まとめと補足
自社ECのSNS集客では、
-
TikTok/リール:興味を引くための投稿
-
Instagramフィード:理解・納得を深めるための投稿
この役割分担を前提に、投稿を設計することが重要です。すべての投稿で売ろうとしない。すべての投稿で伸ばそうとしない。それぞれの投稿に、
「この投稿は何のためのものか」という役割を持たせる。
これができるようになると、SNSは「なんとなく続けるもの」から、自社ECの売上につながる集客装置に変わっていきます。
なお、更新頻度については、「必ずフィードを投稿しなければならないわけではないものの、できれば毎日、難しくても3日に1度はストーリーズを更新したほうがよい」といった目安が語られることもあります。
ただ、繰り返しになりますが、自社ECのSNS集客において本当に重要なのは、その回数をこなせているかどうかよりも、どんな役割の投稿を、どんな設計で積み重ねているかという点であることを、忘れないようにしましょう。
また、Instagramストーリーズは新規との接点を増やすための施策というよりも、すでに興味を持っているフォロワーとの関係性を保つための役割が強い媒体です。
リールやフィードで興味を持ってもらい、ストーリーズで「このアカウントを見続ける理由」をつくる。
そんな位置づけで捉えると、役割が整理しやすくなります。
SNSから自社ECにつなげる導線設計が、成果を分ける

ここまで、アカウント設計や投稿内容について整理してきましたが、SNS集客で成果が出るかどうかは、「投稿が伸びるか」だけでは決まりません。実際の現場で多いのは、
・投稿は伸びている
・いいねや保存もついている
・でも、売上にはつながっていない
という状態です。このとき問題になっているのは、投稿の内容そのものではなく、「SNSから自社ECまでの導線が設計されていない」という点です。
SNSはあくまで“入口”です。その先にある自社ECまで、ユーザーを自然に連れていく設計ができていなければ、どれだけ投稿を頑張っても、成果は頭打ちになります。
ここでは、自社ECにSNS集客をつなげるうえで、必ず押さえておきたい導線設計の考え方を整理していきます。
プロフィールとリンク設計が弱いと、売上にはならない
SNS運用でよくある勘違いが、「とにかく投稿を伸ばせば売上につながる」という考え方です。確かに、投稿が伸びれば露出は増えます。ただし、それは“見られただけ”の状態です。
すでにお伝えしている通り自社ECの場合、ほとんどのケースでユーザーは、
1.投稿を見る
2.興味を持つ
3.プロフィールを見る
4.サイトに行くかどうか判断する
というステップを踏みます。つまり、プロフィールは必ず通過点になるという前提で考える必要があります。
にもかかわらず、
-
プロフィール文が何を売っているか分かりにくい
-
サイトに行く理由が弱い
-
リンク先が整理されていない
といった状態だと、投稿がどれだけ伸びても、その先で離脱されてしまいます。
投稿はあくまで入口です。売上が生まれるかどうかは、プロフィールからリンクを踏む一瞬で決まると言っても過言ではありません。

SNSと自社ECの「温度差」があると、そこで売れなくなる
もう一つ、非常に重要なのがSNSと自社ECの温度感の差です。SNSは本質的に、人と人とのコミュニケーションの場です。
・誰が話しているか
・どんな想いがあるか
・どんな空気感か
そうした「温度」が伝わるからこそ、ユーザーは投稿に共感し、興味を持ちます。ところが、その流れで自社ECに飛んだ瞬間、
・無機質なデザイン
・事務的な文章
・人の気配が感じられない構成
になっていると、そこで一気に熱が冷めてしまいます。SNSは「人の温度感」がある世界です。だからこそ、自社EC側でも、
-
どんな想いで商品を作っているのか
-
誰が関わっているのか
-
なぜこの商品なのか
といった“人の気配”が感じられる設計が必要になります。これは、「おしゃれにする」という話ではありません。冷たくならない、距離を感じさせない、という意味です。SNSで興味を持ったユーザーが、「なんかいいな」と感じたままECに進めるか。
それとも、「急に売り込まれた感じがする」と感じて離脱するか。この差が、売上に直結します。
SNS集客は、投稿 → プロフィール → ECこの一連の流れが、ひとつの体験としてつながって初めて成立します。どこか一つでも温度が途切れたり、導線が弱かったりすると、SNSは「頑張っているのに成果が出ない施策」になってしまいます。
関連記事:自社ECの売上を伸ばすためのサイト改善|まず見直すべきポイントとは
一方でSNS運用だけで完結させようとすると、必ず頭打ちになる
ここまでお伝えしてきた通り、自社ECにおけるSNS集客では、
-
投稿内容をどう設計するか
-
プロフィールやリンク導線で“次の行動”をつくれているか
-
SNSとECの温度差を埋められているか
といった土台が整っているかどうかが、成果を大きく左右します。ただし、正直にお伝えすると、SNS運用だけで売上を伸ばし続けるのは、どこかで必ず頭打ちになります。どれだけ良い投稿をしても、どれだけフォロワーが増えても、自然拡散だけで届く範囲には限界があるからです。
実際、売上を継続的に伸ばしている自社ECの多くは、
・SNS運用で「興味・共感・温度感」をつくり
・その反応の良かった投稿や文脈を、別の形で広げている
という形を取っています。ここで初めて、「広告」という選択肢が視野に入ってきます。とはいえ、いきなり広告を回せばうまくいく、という話ではありません。SNS運用の土台や導線が弱いまま広告を使ってしまうと、
・アクセスは増えたが、売上につながらない
・コストだけが先に膨らむ
・「SNS広告は合わない」という結論になってしまう
といったケースに陥りやすいのも事実です。だからこそ重要なのは、順番です。まずは、SNS運用と導線設計によって“売れる状態の土台”をつくる。そのうえで、次の打ち手として広告を検討する。
この順番を守れるかどうかで、SNS集客の成果は大きく変わってきます。広告やインフルエンサー活用については、本記事とは別に、詳しく以下で解説しています。
関連記事:自社ECのインターネット広告で売上を伸ばす考え方|設計と進め方を徹底解説!
本記事ではまず、「SNS運用で成果を出すための考え方と設計」を、しっかり押さえていただければと思います。
まとめ
自社ECにおけるSNS集客は、「とにかく投稿を増やすこと」や「バズを狙うこと」そのものがゴールではありません。今回お伝えしてきた通り、成果を分けるのは、『SNSの役割を正しく捉えられているか』『アカウント設計・プロフィール設計が、ユーザー視点で整理されているか』『投稿→プロフィール→ECまでの導線が、迷わずつながっているか』『SNSとECの“温度差”がなく、自然に購買判断へ進める状態になっているか』などといった、設計とつながりの部分です。
実際、SNS集客がうまくいっている自社ECの多くは、特別なテクニックを使っているわけではありません。「最初にどこを通るのか」「ユーザーは何を見て判断するのか」「どこで気持ちが冷めやすいのか」こうしたポイントを一つずつ整理し、違和感を減らす設計を積み重ねているだけです。逆に言えば、今SNSを頑張っているのに成果につながっていない場合、
・投稿内容が悪い
・SNSのセンスがない
という話ではなく、設計や導線のどこかで、もったいないズレが起きているケースがほとんどです。もし、
・SNS運用はしているが、売上への手応えがない
・投稿・プロフィール・ECのつながりに自信がない
・どこから見直せばいいか整理できていない
そんな状態であれば、一度立ち止まって「今の設計が、ユーザー目線でどう見えているか」を整理してみる価値はあると思います。スリーカウントでは、『今のSNSとECのつながりはどうなっているか』『どこがボトルネックになっていそうか』『まず直すべきポイントはどこか』を一緒に整理するところからお手伝いしています。「本格的に依頼するかどうかは、その後で考えたい」そんな段階でも問題ありません。もしご興味があれば、まずは30分の無料相談で、今の状況を一度整理してみてください。SNS集客を“頑張り続けるもの”から、事業として積み上がる仕組みに変えていくきっかけになれば幸いです。

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