Googleのリスティング広告は、少ない費用からでも自社のサービスや商品情報を発信できる広告です。そのため、ビジネスの規模に関係なく、多くの企業で実施されています。
本記事では、リスティング広告の概要を紹介したうえで、特徴やメリット、実施する際の手順、出稿する際の注意点などを解説していきます。
この記事でわかること ・Googleリスティング広告の仕組みやメリット ・Googleリスティング広告を出稿する方法 ・Googleリスティング広告を出稿する際のポイント・注意点 |
Googleリスティング広告とは?
リスティング広告と聞くと、ユーザーが検索したキーワードに連動して表示される「検索広告(テキスト広告)」をイメージするかもしれません。
しかし厳密には、画像や動画を用いた「ディスプレイ広告」もリスティング広告の一種です。
検索広告 | ディスプレイ広告 | |
掲載場所 | 検索画面 | サイトやアプリ内 |
広告形式 | テキスト | テキスト、画像、動画など |
ターゲット設定・表示される仕組み |
検索キーワード ※ユーザーが検索したKWに合わせて表示される |
ユーザーの興味や行動に基づいて表示 |
とはいえ実際のところ、文脈によっても異なるものの、検索広告のみを指して「リスティング広告」と言われるケースがほとんどです。
検索広告とディスプレイ広告はどちらも異なる広告手法ですが、メリットや目標達成における基本的な仕組みは似ています。ここでは検索連動型広告を中心に、リスティング広告について解説します。
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リスティング広告の仕組み
リスティング広告は、ユーザーが特定のキーワードで検索をした際に、そのキーワードと関連性の高い広告が表示される仕組みです。広告主はキーワードと入札単価を設定し、オークション形式で広告の掲載順位が決まります。
基本的には、入札金額が高ければページの上部など目立つ場所に広告を掲載できます。ただし、キーワードと広告の関連性が高い場合は、相手よりも低い入札単価で高い検索順位を獲得することも可能です。
また、リスティング広告は広告がクリックされると設定したクリック単価に基づいて課金されるため、広告が表示されるだけなら費用は発生しません。
費用:1,000円から配信できる
リスティング広告では最低出稿金額が設定されていないため、広告主によって自由に予算を設定できます。クリック単価が低いキーワードであれば1,000円からでも広告キャンペーンを始めることが可能です。
リスティング広告の活用例
リスティング広告は、主に以下の2つのケースで効果を発揮します。
・認知度が高くよく検索される商品・サービスを扱っている
・ユーザーニーズが顕在化している
リスティング広告は検索型の広告のため、よく検索される商材が適しています。また、ユーザーのニーズが明確化していると検索窓に悩みや解決方法、目的が入力されやすく、広告による成果向上も見込めます。
たとえば「○○(サービスの一般名詞) おすすめ」は、ユーザーから検索されやすく、リスティング広告と相性の良いキーワードです。ユーザーニーズも明確なので、コンバージョンにもつながりやすいでしょう。
Google広告のリスティング広告の特徴・メリット
リスティング広告には、以下のような特徴やメリットがあります。
・購買意欲の高い見込み顧客に配信できる
・細かなターゲティングができる
・即日配信ができ即効性が高い
それぞれ見ていきましょう。
購買意欲の高い見込み顧客に配信できる
リスティング広告では、特定のキーワードで検索しているユーザーに対して広告を表示できます。ユーザーは何かしらの解決策を探している状態なので、適切な答えを提示できれば広告をクリックされる可能性が高くなります。
たとえば「○○ 比較」と検索しているユーザーは、購入前の比較検討段階であり、購買意欲が高い状態です。このようなコンバージョンに近いユーザーに広告を表示できるため、広告からのコンバージョン率が高くなるという特徴もあります。
細かなターゲティングができる
リスティング広告では、広告のオーディエンス(配信するターゲット)を細かく設定できます。
たとえば「20代の東京都内に在住していてコスメに興味を持っている女性ユーザー」のように、細かい条件を指定してターゲティングをすると、単に女性ユーザーに配信するよりも広告の訴求力を高められるでしょう。
主なターゲティングの項目は下記の通りとなります。
ターゲティング項目 | 詳細 |
アフィニティセグメント | ユーザーの興味関心、習慣など |
カスタムセグメント | 広告主が定義した条件に基づくユーザーセグメント |
詳しいユーザー属性 | 年齢、性別、収入など |
ライフイベント | 結婚や引っ越しなど、ユーザーの重要なライフイベント |
購買意向 | 製品購入やサービス利用の意向 |
データセグメント | 既存の顧客リストやウェブサイトの訪問者 |
参考:オーディエンス セグメントについて|Google広告 ヘルプ
即日配信ができ即効性が高い
リスティング広告は「広告を掲載したい」と思ったらすぐに掲載できます。そのため、急なイベントの開催やキャンペーン情報の告知にも役立ちます。
同じ検索エンジンでのマーケティング施策であるSEOは、結果が出るまでに時間がかかりやすく上位表示も保証されません。しかし、リスティング広告であれば設定後すぐにターゲットとなるユーザーにアプローチできます。
さらに、テキストベースの広告を使用するため、バナーや動画といったクリエイティブ素材の用意も不要です。
Googleリスティング広告の設定方法・やり方
リスティング広告の仕組みやメリットが理解できたら、実際に広告の設定を進めていきましょう。リスティング広告を配信するまでの流れは以下のとおりです。
1.Google広告アカウントの作成
2.キャンペーンの作成
3.キーワードと広告の設定
4.予算の設定
5.広告審査・配信
それぞれの手順について詳しく見ていきましょう。
1.Google広告アカウントの作成
リスティング広告を設定する前に、まずはGoogle広告アカウントを作成する必要があります。アカウント作成は無料でできるため、下記の手順で進めましょう。
1.Google広告にアクセス
2.「今すぐ開始」をクリック
3.画面に表示される指示に従って必要な情報を入力
2.キャンペーンの作成
広告アカウントを作成したら、次はキャンペーンを作成しましょう。キャンペーンは広告を管理するための単位で、広告グループ→キーワードの順に小さな階層に分けられます。
管理画面左の「キャンペーン」アイコンをクリックし、サイドメニューから「キャンペーン」を選択、続いて青いプラスボタンをクリックし「+新しいキャンペーンの作成」を選択すると、キャンペーンの作成が始まります。
2-1.キャンペーンの目標を選択
キャンペーンを作成する際は、広告の目的に応じてキャンペーンで達成したい目標を選択してください。次に選択するキャンペーンタイプは、ここで選択した目標に基づいて案内されます。ここでは仮に「販売促進」をクリックします。
2-2.キャンペーンタイプを選択
目標を選択した後は、「キャンペーンタイプ」の選択画面が表示されます。今回は検索広告をメインに説明しているので「検索」をクリックします。画像や動画を使ってビジュアルで訴求する広告を出したい場合は「ディスプレイ」を選択してください。
キャンペーンタイプを選択すると「目標をどのように達成するか選択してください」というチェックボックスが表示されるため、該当する項目にチェックを入れます。
2-3.販売促進 コンバージョン目標を選択
次に「販売促進 コンバージョン目標を選択してください」という選択画面が表示されるため、「購入」「定期購入」のいずれかを選択してください。
2-4.キャンペーン名
コンバージョン目標を選択したら、キャンペーン名を入力します。キャンペーン名は思い付きで決めると混乱を招き、管理や分析を複雑化させる原因になります。
たとえば、「キャンペーンタイプ名_キーワード群のカテゴリー名」のように命名ルールを事前に決めておくと、他の担当者も内容をすぐに把握でき、運用もスムーズです。
2-5.拡張コンバージョンの有効化
拡張コンバージョンを有効にすることで、より正確なコンバージョン計測が可能となります。これは、広告をクリックしたユーザーとコンバージョンに至ったユーザーが一致しているかを判断しやすくなるためです。
デフォルト設定ではチェックボックスにチェックが入っており、基本的にはそのまま利用して問題ありません。
2-6.単価設定
リスティング広告でクリック単価の上限を設定する際は、入札戦略で重視する要素として「クリック数」を選択します。その上で「上限クリック単価による入札の上限を設定」を利用してクリック単価の上限を設定すると、入札単価が設定値を超えないよう自動で調整されます。
単価を設定する場合は、推定クリック数を参考に設定すると効果的です。キーワードに対する推定クリック数は、キーワードプランナーを使うことで簡単に取得できます。
2-7.キャンペーン設定
Google検索結果画面以外にも広告を配信したい場合(ディスプレイ広告も出稿したい場合)は、「ディスプレイネットワーク」にチェックを入れます。その後は下記の設定を進めていきます。
・地域:配信したい地域を選択
・言語:ユーザーの言語を選択(初期設定では日本語になっています)
・オーディエンスセグメント:ユーザーの属性・興味関心等を選択
3.キーワードと広告の設定
キャンペーンの作成後は、広告グループの設定に移ります。広告グループは、キーワードや広告をテーマ・ターゲット別にグループ化した管理単位で、「キーワード」と「広告」から成ります。
広告グループ名は、キーワード群のカテゴリーを示す名前を設定しましょう。広告の管理がしやすくなるほか、レポートの読みやすさにもつながります。
以下でキーワード・広告それぞれの設定方法について解説します。
3-1.キーワードの設定
キーワードを設定する際は、なるべくコンバージョンにつながりやすい検索キーワードを選ぶことが大切です。
その際はキーワードプランナーなどのツールも活用しましょう。ユーザーが検索しそうなキーワードを予測してくれるため、自社の商品やサービスと関連性が高いキーワードを選びやすくなります。
また、リスティング広告のキーワード設定には、マッチタイプの活用が必須です。マッチタイプには「インテントマッチ(旧:部分一致)」「フレーズ一致」「完全一致」の3種類があります。これらを設定することで広告の表示を細かくコントロールできます。
マッチタイプの種類 | 表示される検索語句の幅 | 指定方法 |
インテントマッチ(旧:部分一致) | 検索クエリが広告のキーワードと関連している | 記号で囲まずにそのままKW記載して指定する |
フレーズ一致 | 検索クエリに広告のキーワードと同じ意味が含まれている | “”(二重引用符)でKWを囲む |
完全一致 | 広告のキーワードが検索クエリの意味や意図と完全に一致している | [](角括弧)でKWを囲む |
マッチタイプはインテントマッチから完全一致へと進むにつれて、表示される検索語句の幅が狭くなります。初めて広告を出稿する場合は、適度な範囲で広告が表示できる「フレーズ一致」がおすすめです。
ただし、キーワードの数やボリューム、予算によっては「フレーズ一致」だと広告が表示されないこともあるため留意しておきましょう。
3-2.広告の作成・入稿
広告文は検索結果に表示される文章で、1つの広告グループ内に複数用意できます。タイトルや説明文以外にも広告をクリックした際の遷移先となるURLも設定できます。
効果的な広告文を作成するためには、適切なキーワードの選定や文面の精査、他社の広告文との比較も大切です。
ユーザーに広告をクリックしてもらうためには、下記のポイントも意識して作成してみてください。
①検索キーワードに対応する文言を最初のタイトルに含める ②ユーザーにとってのメリットや行動を促す内容を加える ③サービスの詳細や具体的な内容を記載する |
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4.予算の設定
予算の設定では1日あたりの平均予算を入力します。これは「1か月を通して1日ごとに費やしても問題のない金額」なので、1日あたりの上限金額ではありません。日単位で見れば、1日あたりの平均予算を上回る場合や下回る場合もあります。
5.広告審査・配信
広告文の作成が完了したら、画面右下の「キャンペーンを公開」をクリックすることで、広告の審査に移ります。審査に問題がなければ通常1営業日以内に配信が開始されます。
Googleリスティング広告を出稿する際のポイント・注意点
Googleのリスティング広告は、闇雲に出稿しても思うような成果は得られません。効果を高めるにはポイントを押さえることが大切です。以下でGoogleのリスティング広告を運用する上でのポイントと注意点を紹介します。
広告ランクを上げる
広告ランクを高めれば入札単価(クリック単価)を抑えられます。このランクは下記の6つの要素によって決まります。
・入札単価
|
広告ランクを高めることで、入札単価を抑えながらより上部に広告を掲載できます。逆に、広告ランクが低いとクリック単価が高くなり、競合が強いと広告が表示されません。
また、広告の品質は品質スコアによって評価されます。品質スコアとは1~10の数値で広告の品質を評価したものでGoogle広告アカウントから確認できます。
出稿エリアは広げすぎない
リスティング広告の出稿エリアを設定する際は、無闇にエリアを広げすぎず成約率の高い地域に絞り込みましょう。エリアを絞り込むことでターゲットとする顧客に対してリーチしやすくなり、クリック率・コンバージョン率を高めることができます。
誤字脱字に注意する
リスティング広告を配信する前にテキストが正確かどうか確認しましょう。誤字脱字があると広告の信頼性が損なわれ、クリック率や広告効果の低下につながります。
作成したテキストは必ず見直しを行い、「広告見出し」や「説明文」にミスがないか確認してください。誤字脱字のない正確なテキストを用意することで、広告の信頼性が確保され、検索意図に対する訴求をユーザーへ正しく届けられます。
効果が出ない場合は迅速に改善をして再開する
リスティング広告は管理画面を通じて広告内容の変更や配信停止をすぐに実施できます。リアルタイムでクリック率やコンバージョン率の確認もできることから、広告を配信した後に効果が出ていなければすぐに改善できます。
また、配信直後に反響があっても、徐々に数値が落ちる場合もあるため、キーワードや広告文、遷移先ページの定期的な見直しも大切です。リアルタイムでのデータ分析や迅速な改善を実施することで、広告のパフォーマンスを高めて効果の最大化につながります。
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Googleリスティング広告の特徴を理解してビジネスに役立てよう
Googleリスティング広告は、一般的には検索広告を指す言葉として使われることが多いですが、厳密にはディスプレイ広告も含まれる概念です。
リスティング広告なら、少ない費用で自社のサービスや商品情報を発信することが可能です。ほかにも購買意欲の高い見込み顧客へのアプローチや細かなターゲティング、即効性の高さなど多くのメリットがあります。適切な設定と運用を行うことで、ビジネスの成果につなげることができるでしょう。
一方、広告効果を高めるためには、正しい手順での設定や配信状況に応じた速やかな改善が求められます。スリーカウントでは、経験豊富なスペシャリストが目標設定からキャンペーン運用、成果分析までを一貫してサポートいたします。貴社のビジネスモデルに合った広告戦略もご提案可能です。
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