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税理士の人手不足、受験者は増えているのになぜ採れない?資格者とパート別の採用方法を徹底解説

税理士の人手不足、なぜ採れない?資格者とパート別の採用方法を徹底解説

 

「求人を出しても、税理士どころか事務スタッフの応募もほとんど来ない」「やっと採用できたと思ったら、また欠員が出て募集のやり直し」。税理士事務所の所長や採用担当の方のなかには、こうした悩みを抱えているケースも多いのではないでしょうか。

 

業界全体が人手不足だと言われているので、自分の事務所だけが採れないわけではないと考えたくなりますよね。ただ、国の統計を追っていくと、税理士試験の受験者数や、会計事務の仕事を探している人の数は、世間のイメージとはかなり違う動きをしています。そして、税理士事務所の採用は「誰を採るか」によって、難しさも打ち手もまったく別物になります。

この記事では、最新の統計で税理士業界の人手不足の実態を確認したうえで、資格者を採る場合と、パート・事務スタッフを採る場合に分けて、それぞれの採用方法を具体的に解説します。なお、業務効率化や定着の話は本記事では扱わず、「どう採るか」に絞ってお伝えします。読み終えるころには、資格者とパート・事務スタッフ、それぞれに合った採り方を選べるようになるはずです。

この記事は本気の改善を目指す方向けです

この記事は「求人を出しても人が集まらない状態を脱したい」「採用をうまくいかせて、所内の忙しさを変えたい」と本気で考えている方に向けて書いています。一般論ではなく、実際にわたしたちが支援した会社様と一緒に行った「具体的施策・成果」も紹介しているため、やや長文ですが、最後まで読むことで自社にも応用できる改善の視点が得られると約束します。
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この記事を書いているスリーカウントについて

私たちスリーカウント株式会社は、WEBマーケティングを専門に、これまで全国で700社以上の集客・採用支援に携わってきました。Indeed 認定ブロンズパートナー、求人ボックス ダブルスターパートナーとして、求人原稿の作成から媒体の運用までを一緒に進めています。

 

士業の分野では、税理士事務所をはじめ、社労士・行政書士・司法書士・弁護士の事務所の集客をお手伝いしてきました。採用の面でも、税理士法人様の採用支援に入り、パートスタッフから資格をお持ちの方まで、応募を集める仕組みづくりをご一緒しています。

 

本記事では、そうした現場での経験をもとに、「税理士事務所は、誰をどう採れば人手不足から抜け出せるのか」という視点でお伝えしていきます。まずは、税理士業界でいま実際に何が起きているのか、その現状から見ていきましょう。

税理士事務所の人手不足、いま実際に何が起きているのか

税理士事務所や会計事務所の人手不足について調べると、その原因としてよく挙げられるのが「税理士試験の受験者が減っている」という話です。ところが、国税庁や厚生労働省の最新の数字を並べてみると、少し違う姿が見えてきます。ここでは、採用の打ち手を考える前提になる4つの事実を確認しておきます。

税理士法人は増えたのに、税理士はほとんど増えていない

まず、受け皿となる事務所の数を見てみます。日本税理士会連合会によると、税理士の登録者数は令和8年8月末日時点で82,343人です。令和元年6月末日時点では77,947人だったので、約7年2か月で5.6%の増加にとどまっています。

一方で、同じ期間に税理士法人の数は大きく増えました。

 

項目 令和元年6月末日 令和8年8月末日 増減
税理士登録者数 77,947人 82,343人 +5.6%
税理士法人(主たる事務所) 4,003 5,330 +33.2%
税理士法人(従たる事務所) 2,036 3,167 +55.6%

 

(出典:日本税理士会連合会「税理士登録者数」。令和元年6月末日の数値は同ページの当時の掲載内容)

 

支店にあたる「従たる事務所」は1.5倍以上になっています。個人の事務所が法人になったケースも含まれうるので、すべてが新しい事務所というわけではありませんが、人を必要とする法人や支店が増えているのに、税理士そのものはほとんど増えていないことは確かです。1つの事務所から見れば、資格者を取り合う相手が増えている状況といえます。

税理士試験の受験者は、5年連続で増えている

では、税理士を目指す人は減っているのでしょうか。実は、税理士試験の受験者数は令和2年度の26,673人を底に5年連続で増えており、令和7年度は36,320人になりました。底から見ると36.2%の増加です。

この増加には理由があります。令和5年度の試験から受験資格が緩和され、会計学に属する科目(簿記論・財務諸表論)は、誰でも受験できるようになりました。令和7年度の科目別の受験者を見ると、簿記論が18,466人、財務諸表論が15,629人で、延べ受験者52,236人のうち約65%をこの2科目が占めています。

(出典:国税庁「令和7年度(第75回)税理士試験結果表」/国税庁「税理士試験受験資格の概要」)

本当に減っているのは「試験で税理士になる人」のほう

受験者が増えている一方で、税理士試験で5科目すべてに合格した人(5科目到達者)は、減る傾向にあります。税理士になる道は、試験のほかに免除制度や、弁護士・公認会計士の資格によるものもありますが、試験は税理士を生み出す中心的な入り口のひとつです。

 

年度 受験者数 5科目到達者
令和元年度 29,779人 749人
令和2年度 26,673人 648人
令和3年度 27,299人 585人
令和4年度 28,853人 620人
令和5年度 32,893人 600人
令和6年度 34,757人 578人
令和7年度 36,320人 527人

 

(出典:国税庁「税理士試験」の各年度の試験結果)

 

5科目到達者は令和4年度の620人から3年続けて減り、令和元年度と比べると約3割少なくなりました。試験を受ける人は増えても、試験を通って税理士になる人は減っている。税理士業界の人手不足、とくに税理士不足を考えるときは、受験者の数ではなく5科目到達者の数を見る必要があります。

会計事務の仕事は「求人より探している人のほうが多い」

もうひとつ、事務スタッフの採用に関わる数字も見ておきます。厚生労働省の職業別の統計では、令和8年7月の「会計事務従事者」の有効求人倍率(パートを含む)は0.56倍でした。求人17,745件に対して、仕事を探している人が31,928人いる計算で、同じ集計の全職業の1.05倍を大きく下回っています。

(出典:厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年7月分)」参考統計表)

ただし、これはハローワークを通じた求人・求職の数字で、職業別のため季節調整をしていない原数値です(ニュースで報じられる季節調整値とは別の数字です)。一般企業の経理職も含まれます。税理士事務所の求人だけを表した数字ではありませんが、会計の事務の仕事そのものを探している人は、決して少なくないことは読み取れます。

だから「誰を採るか」で分けて考える

ここまでの数字を並べると、同じ「人手不足」でも、税理士をはじめとする資格者と、事務スタッフとでは状況が大きく違うことが分かります。受験者が増えているといっても、増えているのは会計の2科目の受験者が中心で、すぐに事務所の戦力になる実務経験者が増えているわけではありません。

 

業界全体が人手不足なので仕方ない、とあきらめる前に、次の章で「誰を採るか」の分け方を見ていきましょう。

税理士事務所の採用は「誰を採るか」で難しさがまったく違う

税理士事務所や会計事務所の採用というと、「税理士事務所の求人」をひとまとめにして考えがちです。ところが実際には、資格を持つ人を採るのか、パートや事務のスタッフを採るのかで、採用のやり方はまったく違います。私たちは、ここを分けずに進めることが遠回りの原因になると考えています。

資格者、またはそれに近い人を採る場合

税理士や科目合格者、会計事務所で実務経験を積んだ人など、資格を持っている人やそれに近い人を採ろうとすると、ハードルは一気に上がります。年収の水準が上がるのはもちろん、学生のうちから接点をつくっておく必要が出てくるなど、準備にも時間がかかります。

 

私たちも、後ほど事例でご紹介する税理士法人様の採用支援で、資格をお持ちの方からの応募を何度かいただいたことがあります。求人サイトで採れないわけではありません。ただ、資格者の採用だけを目的に採用活動をスタートすると、うまくいかないケースもあるというのが率直なところです。

パート・事務スタッフを採る場合

一方で、記帳の入力や書類の整理などを手伝ってくれるパートスタッフや事務スタッフであれば、事情がまるで違います。正直なところ、この層はどんなやり方でもある程度は効果が出るので、求人サイトやSNSを使って応募を集めることは、決して難しくありません。

両者を同じ求人で採ろうとしていないか

資格者とパートスタッフでは、見ている求人サイトも、応募を決めるときに気にしていることも違います。誰を採りたいかによって、求人で伝えるメッセージそのものが変わるので、同じ求人原稿・同じ媒体で「税理士事務所スタッフ募集」とひとまとめに出すのは避けたいところです。

 

まずは、いま足りないのが資格者なのか、事務の手なのかを分けて考えてみてください。そのうえで、次の章からそれぞれの採り方を見ていきます。

資格者・経験者の採用は、なぜ難しく、どう向き合うか

資格者の採用が難しいのは、給与の問題だけではありません。まずは給与の実態を数字で確認し、そのうえで、どこに力をかけるべきかを考えるために、資格者の転職事情をお伝えします。

給与は、規模の大きな事務所と比べて大きく見劣りするわけではない

資格者の採用がうまくいかないと、「大手と比べて給与で負けているから」と考えがちです。ところが、厚生労働省の賃金構造基本統計調査を見ると、資格者の月給は、勤め先の規模が小さいほど低いというわけではありません。

 

企業規模 公認会計士・税理士の所定内給与額(月額) 年間賞与など 会計事務従事者の所定内給与額(月額) 年間賞与など
1,000人以上 47万1,400円 176万2,200円 34万7,400円 130万2,700円
100〜999人 52万8,500円 145万2,900円 31万2,600円 100万6,800円
10〜99人 56万4,400円 94万100円 31万2,600円 81万900円

 

(出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」職種(小分類)別(産業計・男女計)。常用労働者10人以上の企業、パートなどを除く一般労働者の集計。公認会計士と税理士の合算で、会計事務従事者には一般企業の経理職も含む)

 

資格者は、規模が小さいほど賞与は少なくなりますが、月給はむしろ高くなっています。月給の12か月分に賞与を足した年収の概算で比べると、1,000人以上が約742万円、100〜999人が約779万円、10〜99人が約771万円で、規模による差はほとんどありません。一方、会計事務従事者は約547万円、約476万円、約456万円と、規模が小さくなるほど下がっていきます。

ただし、規模の小さい勤め先ほど資格者の平均年齢も高く(1,000人以上で35.5歳、10〜99人で46.4歳)、年齢の違いも含まれた数字です。

 

こうした前提はありますが、資格者の採用が難しい理由は、給与だけでは説明がつかないことは読み取れます。資格者が採れない背景には、次にお伝えする転職事情があります。

忙しくて、転職活動をする時間がない

士業の仕事は忙しく、遅い時間まで働いている方も少なくありません。そのため、転職したいと思っても、求人サイトをじっくり見比べたり、何社も面接を受けたりする時間がないのが実情です。求人を出して待っているだけでは、なかなか出会えません。

転職のとき、士業の仕事そのものをやめる人も少なくない

もうひとつ見落とされがちなのが、資格をお持ちの方が転職するとき、士業の仕事そのものから離れてしまうケースです。私たちが見てきた範囲でも、転職を機に「その仕事はもうやらない」と決める人は少なくありません。

 

実は、私たちの会社の人事担当者は社労士の資格を持っています。以前はある税理士事務所で働いていましたが、夜中まで働く日が続いて社労士としての仕事に嫌気が差し、資格は持ったまま別の仕事を選びました。資格があり、人事の実務もこなせる人なので、採用市場で見ればとても価値のある人材です。ただ、こうした人は「士業の求人」を探してはいないため、税理士事務所が求人を出して待っていても、出会うのはなかなか難しいのが現実です。

人材紹介(エージェント)は使う前提で考える

求人サイトでも資格者から応募が来ることはありますが、パートスタッフのように継続して集まるものではありません。そのため資格者の採用では、人材紹介会社(エージェント)は使う前提で考えてください。転職する側も、採用する側も忙しく、どちらも採用活動にじっくり時間をかけられないので、面倒な手続きを代わりに進めてくれるエージェントを通すのが、資格者採用の実際だからです。

 

求人サイトでの募集と、エージェントからの紹介を並行して進めることで、資格者の方と出会える経路が増えます。

なお、このあとパートスタッフの採用ではInstagramをおすすめしますが、資格者の募集にInstagram広告を使うのは向いていません。専門性の高い職種を探している人は、Instagram上にはほとんどいないためです。同じInstagramでも、誰を採るかで向き不向きが分かれることは覚えておいてください。

実務経験前の人を育てるなら、学校との接点をつくる

実務経験を積んだ人は、経験を積んだその事務所でそのまま採用されていることがほとんどで、なかなか転職市場に出てきません。そのため、経験のある人だけを探すのではなく、実務経験前の人を採って育てる選択肢も出てきます。

その場合は、専門学校や大学など、学校との接点をつくっておくことが必要になります。ただ、これも簡単な活動ではなく、すぐに採用につながるものでもありません。資格者に近い人材を採るための、時間のかかる取り組みだと考えておいてください。

パート・事務スタッフの採用は、求人の出し方で差がつく

ここからは、税理士事務所の採用で数の多いパートスタッフ・事務スタッフの採り方です。前の章でお伝えしたとおり、この層はどんなやり方でもある程度は応募が集まります。そのうえで私たちが大事にしているのが、誰に向けて、どんな言葉で求人を出すかです。

税理士事務所の採用の中心はパート・事務スタッフ

資格者の採用が難しいぶん、税理士事務所の日々の業務を支えているのは、記帳の入力や書類の整理などを担うパートスタッフ・事務スタッフです。女性のパートスタッフが中心になって事務所を支えているところもあります。所長や資格者が本来の仕事に集中するためにも、この層を安定して採れる状態をつくっておきたいところです。

 

パートを含めて数十人規模の事務所で、年間で約100人の応募を集めている例もあります。

産休などで入れ替わるので、採用は「年間を通した仕組み」になる

パートスタッフが多い職場では、産休や家庭の事情で退職する人も一定数出てきます。そのため、欠員が出るたびに慌てて募集するのではなく、年間を通して応募が集まり続ける仕組みをつくっておくことが大切です。

 

一度だけ応募が集まっても、次の欠員のときにまた一から募集をやり直すことになれば、所長や職員の負担はいつまでも減りません。

確定申告の時期から逆算して、募集を厚くしておく

税理士事務所には、時期が毎年はっきり決まった繁忙期があります。所得税の確定申告の期間は、原則として毎年2月16日から3月15日までです(出典:国税庁「No.2020 確定申告」)。忙しくなる時期が分かっているので、その前に人をそろえられるよう、募集を厚くしておく時期もあらかじめ決めておけます。

 

気をつけたいのは、確定申告が終わった後の時期です。私たちが見てきた求人市場では、正社員の転職活動は4月に向けて活発になる一方、パートの仕事探しは4月に向けて落ち着いていくという、逆向きの動きがあります。繁忙期が終わってひと息ついた4月にパートの募集を始めると、ちょうど応募が集まりにくい時期に当たってしまうのです。

そのため私たちは、繁忙期の前と後で予算に強弱をつけ、繁忙期に間に合わせたいパートの採用ほど、その前から募集を厚くしておくことをおすすめしています。

「税理士事務所のスタッフ」ではなく、仕事の中身で呼ぶ

「未経験者を採用しましょう」というアドバイスはよく目にしますが、求人の出し方を変えないまま実行しても、未経験の方からの応募はなかなか増えません。未経験の方が税理士事務所の求人を見たとき、「税理士事務所のスタッフ」と書かれているだけで、専門知識が必要な難しい仕事だと感じてしまいます。応募のハードルが高く見えるので、実は向いている人が応募を見送ってしまうのです。

そこで私たちは、「未経験OK。細かい入力作業が得意な方」のように、事務スタッフとしての仕事の中身で呼びかけます。まずは応募のハードルを下げて、「これなら自分にもできそう」と思ってもらうことが先です。

 

広告文でも同じことがいえます。私たちの求人広告の運用経験では、「会計事務所で働きませんか?」と呼びかけるより、「子育てしながらチャレンジできる会計事務所です」と、働く人の状況に寄り添った言葉にしたほうが、クリック率に3倍の差が出ることもあります。

▶ 求職者が求人をどんな順番で見て、どこで応募をやめてしまうのかは、こちらで詳しく解説しています。 採用マーケティングとは?中小企業の手法・進め方と成功事例を徹底解説

ハードルは下げても、魅力は下げない

ただし、ハードルを下げるだけでは「この事務所で働きたい」という気持ちは生まれません。大切なのは、応募のハードルは下げながら、楽さではなく、その事務所がやっている仕事の素晴らしさを伝えることです。

 

後ほど事例でご紹介する税理士法人様の採用サイトは、この両方をうまく伝えています。求人の見出しは「【未経験OK!】子育てママにピッタリの働き方が見つかる!スタッフ募集中」で、「パートスタッフの8割が未経験からのスタートです。それでも活躍できる場があります」とハードルを下げています。その一方で、自分たちの仕事の先にあるものを「顧問先企業の笑顔と成長」と伝え、どんな思いで仕事をしている事務所なのかが分かるようにしています。

 

「うちは普通の事務所だから、伝えられる魅力がない」と感じている所長の方もいるかもしれません。

▶ 大手と条件で比べられないときの採用の考え方は、こちらで解説しています。 中小企業の採用サイト制作:費用と進め方、”条件で戦わない”作り方

媒体は、パートの方が見ているところに出す

パートスタッフの募集では、Indeedや求人ボックスに加えて、アルバイト・パート向けの求人媒体やハローワークも十分に使えます。資格者向けの転職サイトではなく、パートの方が普段仕事を探している場所に求人を出すことが基本です。

そのうえで、媒体の求人から事務所のことをもっと知ってもらうために効いてくるのが、次にお伝えするSNSとのつなぎ方です。

すべての求人に「Instagramで事務所の日常を公開しています」と書く

子育て中の主婦の方をはじめ、パートで働きたい方の多くはSNSを日常的に使っています。そのため、事務所で手が回るのであれば、Instagramは税理士事務所のパート採用でかなり効果的です。

ただし、アカウントをつくって投稿するだけで応募が来るわけではありません。正直な話、知らない事務所のInstagramに興味を持つ人はいないので、興味がないことを前提に、見に来てもらうまでの流れをつくることが決め手になります。

そこで私たちは、すべての求人媒体の原稿に「Instagramで事務所の日常を公開しています」と入れて、見に行く理由をつくるようにしています。どの媒体からでもInstagramへ移れるようにしておくと、応募につながる人の母数を広げるのに大きく役立ちます。

 

先ほどの税理士法人様でも、採用サイトに「職場の雰囲気を覗いてみる」とInstagramへの入り口を置いています。

▶ Instagramを求人に活かす流れのつくり方は、こちらの記事が参考になります。 インスタ求人の効果を最大化するには?年間400件の応募につながったアカウント活用法

税理士法人様の事例:新聞広告で採用ゼロから、Instagramで選ばれる事務所へ

ここまでお伝えしてきた採用の考え方を、実際に私たちが支援した税理士法人様の事例でご紹介します。採用がうまくいかなかった状態から、どのように変わっていったのかを見ていきましょう。

相談をいただいた時点:新聞広告に費用をかけても採用できなかった

ご相談をいただいた当時、こちらの税理士法人様は、求職者が求人を探すときの動き方が変わってきていることへの対応に課題を抱えていました。新聞に50万円の求人広告を出しても応募は1人だけで、さらに広告費を追加して合計100万円を掛けても、ひとりも採用できなかったこともあったそうです。

取り組んだこと:採用サイトとIndeed、そして自社のInstagram

そこで私たちは、Indeedをより効果的に活用できる採用サイトの制作サービス「フエルーボ」の導入と、Indeed広告の運用、求める人物像(ペルソナ)の見直しと求人原稿の改善を一緒に進めました。担当の方からは、フエルーボを活用したらすぐに反応が出て応募が来るようになったと伺っています。ペルソナを見直したうえで原稿を読み返したところ、担当の方ご自身がハードルが高すぎる部分に気づいたそうです。前の章でお伝えした「ハードルを下げる」ことの大切さを、支援先の方も実感された場面でした。

 

あわせて、事務所の皆さんが自分たちでInstagramの発信を続けられるよう、社内の運用体制づくりもお手伝いしています。

変わったこと:入社したパートスタッフ全員がInstagramを見ていた

その結果、最近入社したパートスタッフの10名全員が、事務所のInstagramを見ていたことが分かりました。求人はタウンワークやIndeedなどいくつかの媒体に出していましたが、最終的な決め手は自社のホームページとInstagramで、とくに投稿に写る職員の方々の笑顔だったそうです。他の事務所と比べたうえで「ファンです」と応募してくれる方も出てきました。

 

パート採用の費用は「その単価を続けられるか」で見る

採用の費用を考えるとき、応募1件あたりいくらで集められたかという単価に目が向くと思います。ただ、税理士事務所のようにパートスタッフの入れ替わりがある職場では、単価とあわせて、その単価を年間を通して続けられるかを見ることが大切です。

一度だけ安く応募が集まっても意味がない

ここで気をつけたいのは、一時的に数千円で応募が集まったといった結果に満足しないことです。一度きりの募集で安く応募が集まった、というだけなら、正直どの事務所でもできます。

 

見るべきなのは、年間を通して、同じくらいの費用で応募を取り続けられるかです。続けられる費用で応募を集められるかどうかが、人手不足から抜け出せるかどうかを分けます。

面接したい人数から、必要な費用を逆算する

パートスタッフの募集であれば、うまくいけば1件あたり約1万円で応募を集められることもあります。この単価なら、10人と面接したい場合は約10万円が目安になります。採用したい人数と、そのために会いたい人数から逆算すれば、年間でどのくらいの採用費を見込んでおけばよいかが見えてきます。

よくある質問

最後に、ここまでの内容を、所長の方が迷いやすい問いの形で整理しておきます。

Q. 資格者は求人サイトで採れますか?

採れることはありますが、それだけに頼るのはおすすめしません。人材紹介会社との併用と、実務経験前の人を育てる場合の学校との接点づくりを、あわせて検討してください(「資格者・経験者の採用は、なぜ難しく、どう向き合うか」の章)。

Q. 人材紹介会社(エージェント)は使ったほうがいいですか?

採りたいのが資格者なら、エージェントは使う前提で考えましょう。一方、パートスタッフや事務スタッフであれば、エージェントを使わなくても、求人媒体とInstagramの組み合わせで応募を集められます。まずはいま足りないのがどちらかを分けて考えてください。

Q. パートスタッフの求人は、どの媒体に出せばいいですか?

Indeedや求人ボックスに加えて、アルバイト・パート向けの求人媒体やハローワークも使えます。どの媒体に出す場合も、求人の原稿に「Instagramで事務所の日常を公開しています」と入れて、事務所の様子を見に行ける入り口をつくっておくのがおすすめです。

まとめ:税理士の人手不足から抜け出す第一歩は、「誰を採るか」を分けること

税理士の人手不足は、業界全体の問題として語られがちです。しかし最新の統計を見ると、税理士試験の受験者は増えている一方で、試験で税理士になる人は減り、会計の事務の仕事を探している人は求人より多いという、ばらばらの動きをしています。

 

  • 資格者の採用は、忙しさや転職の事情からハードルが高い。人材紹介会社との併用や学校との接点づくりを前提に考える

  • パート・事務スタッフの採用は、求人の出し方しだいで応募を集められる。「税理士事務所のスタッフ」ではなく仕事の中身で呼び、ハードルを下げつつ事務所の魅力を伝える

  • Instagramは、すべての求人から見に行く理由をつくってこそ効果が出る

  • 採用の費用は、1回の単価だけでなく、その単価を年間を通して続けられるかで判断する

 

▶ 採用と並んで、顧問先を増やす集客に悩んでいる方は、こちらで解説しています。税理士の集客・営業方法。紹介が届かない経営者と出会い、顧問先を増やすWeb集客

 

「求人を出しているのに応募が来ない」「どこから手をつければいいか分からない」という場合は、私たちの30分無料コンサルティングで、いまの求人の出し方を一緒に見直してみませんか。税理士事務所の採用を支援してきた経験をもとに、事務所の状況に合った採り方をご提案します。

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この記事はわたしが書きました

スリーカウント株式会社 代表取締役鈴木悠資

2007年、静岡大学在学中に大学のメンバーとスリーカウント株式会社を創業。2011年にインターネット広告運用を本格化して以来、約15年にわたりWebマーケティングを活用した「集客」と「求人」の課題解決に取り組む。
現在は浜松・静岡・東京の3拠点・20期目のWebマーケティング会社の代表を務める。

専門は、インターネット広告・SEO・SNS・サイト改善などを“バラバラの施策”で終わらせず、お客様と見込み客の間の「コミュニケーション」を設計するコミュニケーションマーケティング。自社の支援だけでなく、静岡県内の広告代理店やWebマーケティング会社に向けた技術教育も継続して行っている。

広告領域では Google Premier Partner、Yahoo!広告 正規代理店、Facebook マーケティングパートナー、採用領域では Indeed 認定ブロンズパートナー、求人ボックス ダブルスターパートナーの認定を受け、運用データに基づく戦略設計とWebサイト改善を強みとする。

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