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税理士の集客・営業方法。紹介が届かない経営者と出会い、顧問先を増やすWeb集客を徹底解説

税理士の集客・営業方法。紹介が届かない経営者と出会うWeb集客を徹底解説

 

「顧問契約の問い合わせはときどき入るのに、経営の相談をしたい経営者とはなかなか出会えない」「紹介で顧問先は増えてきたけれど、この先も紹介だけで大丈夫だろうか」。税理士事務所の集客を考えている所長や担当の方は、こうした悩みを抱えていないでしょうか。

 

税理士の集客方法を調べると、ホームページ、SEO、Googleマップ、リスティング広告、SNSと、たくさんの手法が並んでいます。ですが、手法を上から順に試しても思うような成果につながらないのは、税理士事務所の顧問先がもともとどこから来ているのか、そして誰と出会いたいのかを整理しないまま手法を選んでいるからかもしれません。

この記事では、税理士事務所の集客を支援してきた私たちの経験をもとに、紹介の強さを活かしながら、紹介が届かない経営者とWebで出会うための考え方と進め方をお伝えします。すでに顧問先があり、紹介で仕事が回っている税理士事務所・会計事務所の方を主な読者として想定しています。広告の文章を考えるときに知っておきたい、税理士ならではのルールにも触れています。

この記事は本気の改善を目指す方向けです

この記事は「紹介頼みの集客から一歩踏み出したい」「顧問先や経営の相談を、紹介以外のルートからも増やしたい」と本気で考えている方に向けて書いています。一般論ではなく、実際にわたしたちが支援した会社様と一緒に行った「具体的施策・成果」も紹介しているため、やや長文ですが、最後まで読むことで自社にも応用できる改善の視点が得られると約束します。
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この記事を書いているスリーカウントについて

私たちスリーカウント株式会社は、WEBマーケティングを専門に、静岡県を中心にこれまで700社以上の集客・採用支援に携わってきました。

その中には、税理士事務所をはじめとする士業の支援も含まれています。税理士法人の集客支援のほか、社会保険労務士、行政書士、弁護士、司法書士の事務所の集客も、それぞれ複数社を支援してきました。また、国内上位3%に与えられるGoogle Premier Partnerに2024年・2025年と認定されるなど、媒体公式からも一定の評価をいただいてきました。

 

本記事では、そうした現場での経験をもとに、「税理士事務所が、紹介以外のルートからも経営者と出会い、顧問先を増やしていくにはどうすればよいか」という視点でお伝えしていきます。まずは、税理士の顧問先がどこから来ているのかという前提から見ていきましょう。

税理士の集客・営業は「紹介の商流」から考える

税理士の集客を考えるとき、まずホームページやSNS、広告といった手法から検討しがちです。ですが実際のところ、税理士事務所の顧問先がどこから来ているかを冷静に見ると、手法の前に押さえておくべき前提があります。それが、税理士という仕事がもともと「紹介」で回っている商売だということです。

いい税理士は、経営者仲間からの紹介で決まっている

ある程度の規模で会社を経営している方であれば、周りには同じように会社を経営している仲間がたくさんいます。そして「税理士はどこがいいか」という話は、経営者どうしの間ではごく普通に交わされる話題です。

 

経営者の側から見ると、ネットで調べて会ったこともない税理士に自分から連絡するのは、正直なところリスクがあります。そうなると、経営がうまくいっている知人に「どこの税理士を使っているの?」と聞くのが、いちばん確実な選び方になります。

 

実は私たち自身もそうでした。以前お願いしていた税理士に不満があって変えることになったのですが、そのときもネットで検索したのではなく、経営がとても上手な知人に紹介してもらって、今の税理士事務所と出会っています。

 

税理士事務所が新しい顧問先と出会うルートは、ネット経由よりも、銀行や知り合いの経営者からの紹介のほうが間違いなく多いと私たちは見ています。これは集客を考えるうえで、最初に知っておかなければいけない前提です。

紹介の商流が届かない相手がいる

では、紹介さえあればWebの集客はいらないのかというと、そうではありません。紹介の商流には、どうしても届かない相手がいるからです。

 

地元の経営者どうしのつながりは太くても、県外の経営者とは接点そのものがありません。また、今のつながりの外側には、まだ税理士を探してもいない、まったく知らない経営者がたくさんいます。紹介はとても質の高いルートですが、届く範囲が、今のつながりの広さで決まってしまうという弱点があります。

そこで考えたいのが、Webの位置づけです。Webは紹介の代わりになるものではなく、紹介が届かない相手と出会うための入口として足すものだと私たちは考えています。紹介を否定して「これからはWebの時代です」と言いたいわけではありません。紹介で回っている事務所ほど、紹介の外側にいる経営者との接点をもう1本つくる意味が大きい、という話です。

 

ひとつ付け加えると、紹介で来る経営者は、事務所の名前で検索して確かめます。つまり、事務所名で検索したときに正しく出てくれば十分で、紹介の相手に向けて「地域名×税理士」の上位を競う必要はありません。事務所名で検索すると表示されるGoogleビジネスプロフィール(Googleマップの情報)も、最低限は整えておきましょう。では、「地域名×税理士」で検索しているのはどんな人なのか。この点は、集客方法の一覧を確認したあとで詳しくお話しします。

税理士の集客・営業方法を一覧で整理する

ここで一度、税理士事務所が使える集客・営業の方法を整理しておきます。一覧を眺めて「全部やらなければ」と感じる必要はまったくありません。大事なのは、自分の事務所がどの相手と出会いたいのかに合わせて選ぶことです。その考え方は次の章で詳しくお話しします。

オンラインの集客方法

 

手法 向いている事務所 費用の性質
ホームページ すべての事務所(紹介で来る相手の確認先にもなる) 初期の制作費+更新の手間
コラム(コンテンツマーケティング) 専門分野や独自のサービスを持ち、所長の知見を言葉にできる事務所 主に書く時間。外注すると記事ごとの費用
Googleビジネスプロフィール(MEO) 地域で顧問先を増やしたい事務所 無料(登録と情報の手入れ)
リスティング広告 専門特化している事務所、地域で今すぐ相談したい層を取りたい事務所 月額の広告費(クリックごとに発生)
SNS・YouTube 発信を続けられる体制がある事務所 撮影・編集まで外注すると毎月の費用が大きい
税理士紹介サイト・マッチングサイト 開業直後などで、まず顧問先の数を増やしたい事務所 成果報酬や掲載料(掲載される表現が所属する税理士会の細則に触れないかも確認)

 

▶ Googleビジネスプロフィールの登録や情報の整え方は、こちらで詳しく解説しています。 Googleビジネスプロフィールとは?マップの情報を更新して集客するノウハウを徹底解説!

オフラインの営業・集客方法

 

手法 向いている事務所 費用の性質
既存の顧問先からの紹介 すべての事務所 満足度を上げる日々の仕事そのもの
金融機関・他士業からの紹介 地域の金融機関・他士業と関係を築ける事務所 関係づくりの時間
交流会・勉強会の開催 地域の経営者とのつながりを広げたい事務所 会場費と準備の手間
セミナー・ウェビナー 専門分野を持つ事務所 集客と準備の手間
訪問営業・DM 対象の業種や地域がはっきりしている事務所 人件費・印刷費

 

オンラインとオフラインを並べると、税理士事務所の集客は、紹介という強いオフラインのルートを軸にして、そこにWebをどう組み合わせるかという形になることが分かると思います。このあとは、紹介の外側にいる経営者と出会うためのコラム、地域で紹介を生む勉強会、そしてリスティング広告を中心にお話しします。

「地域×税理士」で探す人は2種類。本当に出会いたい経営者はその手前にいる

税理士事務所の集客は、誰と出会いたいのかによって、狙う相手も手法もまったく変わります。Webで集客しようとしたとき、まず思い浮かぶのは「〇〇市 税理士」のような地域名×税理士のキーワードで上位を取ることだと思いますし、それ自体は無駄な取り組みではありません。ただ、そこで検索している人を分けてみると、地域名×税理士では検索していない相手こそ、事務所が本当に出会いたい相手だということが見えてきます。

税理士がまだついていない開業直後の事業者

1つめは、開業したばかりで、まだ税理士がついていない事業者です。この人たちは顧問先にはなってくれますが、立ち上げ直後なので、どうしても費用はできるだけ抑えたいという希望になります。

 

経営そのものを何とかしたい気持ちはあっても、月に10万円といった経営コンサルティングのサービス費用を積極的に払える余力はまだありません。立ち上げ期は他にお金を使うべきところがたくさんあるので、それは当然のことです。お客さんにはなってくれても、何十年と長く付き合う顧問先にはなりにくい相手でもあります。

今の税理士に不満がある人

2つめは、今お願いしている税理士に不満があって、別の税理士を探している人です。今より良いサービスを求めているので、事務所の強みがしっかり伝われば、顧問先になってくれる可能性は高い相手です。

ただし、ここには注意点があります。「税理士を変えたい」と検索する時点で、今の税理士との関係はもうかなり進んだ状態だということです。そこまで行ってから出会うのではなく、その手前にいる人たちに届く必要があります。これが、私たちがある税理士法人様の集客を支援したときに最初に考えたことでした(詳しくは次の章でお話しします)。

地域×税理士では検索しない、税理士を変える前の経営者

そして、事務所が本当に出会いたい相手は、この2種類の外側にいます。まだ税理士を変えようとまでは考えていないものの、経営に悩んでいる人です。たとえば、後継者との関係に悩んでいる経営者です。

この人たちは「地域名×税理士」では検索しません。検索しているのは、後継者との確執や経営の悩みそのものです。そして、税理士を変えたいと動く人よりも、こうした悩みを検索している人のほうが多くいます。ただ、今すぐ税理士を探しているわけではないので、すぐに問い合わせが来るわけではありません。

ここで大事なのが、この層に対してどう接点をつくるかです。検索広告は、もともと今すぐ探している人に当てるための道具です。すぐに問い合わせをする確率が低い人たちを、そこそこ高いクリック単価で呼び込むのは、はっきり言ってナンセンスです。

 

だからこそ、この層と出会うには別の方法が必要になります。私たちが選んだのは、次の章で詳しくお話しするコンテンツマーケティング、つまりコラムでした。

▶ 手法ごとの特徴や、業種を問わない集客の進め方は、こちらの記事でまとめています。 web集客の方法を3タイプで整理。自社に合う集客方法が今すぐ分かる

変える前の経営者に出会うコンテンツマーケティング

ここでは、経営に悩んでいる段階の経営者と出会うために、なぜコラムなのか、どんなコラムなら問い合わせが来るのかを、実際の支援の事例とあわせてお話しします。

AIで書ける一般論では、問い合わせは来ない

税理士事務所でコラムを本格的に続けているところは、実はそれほど多くないと私たちは見ています。しかも、税理士事務所のコラムはどうしても一般的な内容になりがちです。

 

正直な話、一般的な内容であれば、今はAIでも書けてしまいます。そしてAIが書いたような一般論のコラムを読んだ経営者が、「この事務所に相談しよう」と思うかというと、まず思いません。答えだけが知りたいなら、AIに直接聞けば済むからです。

では、どんなコラムなら出会いにつながるのか。私たちが大事にしているのは、その事務所の所長や担当者にしか書けない内容で、なおかつ実際に検索されている悩みに答えるコラムを何本書けるかです。

 

経営者は日々いろいろな悩みを抱えていて、その悩みそのものを言葉にして検索しています。こうした悩みには、教科書どおりの答えがありません。一般論では答えにならないからこそ、長年たくさんの経営者の相談に乗ってきた税理士の実体験が生きてきます。

 

実際に私たちが支援した税理士法人様では、代表の先生が、これまで顧問先から受けてきた相談をもとに、こうした経営の悩みに答えるコラムを書かれています。公開されているコラムは、どれも経営者が実際に抱えている悩みに、正面から答える内容になっています。

 

補助金や助成金を活用したい経営者を狙うなら、補助金・助成金の名前でコラムを書き、相談の入口にするのも、良いアイデアだと私たちは考えています。社会保険労務士の事務所が書いているテーマかもしれませんが、税理士事務所が取り組む価値も十分にあります。なお、申請書類の作成を引き受けられるかどうかは資格によって業務の範囲が決まっているので、行政書士や社会保険労務士と連携する形で考えるのが安全です。

ある税理士法人様の事例:代表自らのコラムで全国の経営者と出会う

実はこの税理士法人様は、紹介の商流の章でお話しした、私たち自身が知人の紹介で出会い、顧問をお願いしている事務所でもあります。そのご縁から、次のようなご相談をいただきました。

この税理士法人様は、月々の顧問契約に加えて、経営者と一緒に5年後の数字を描き、そこから逆算して経営を支えていく伴走型のコンサルティングサービスを持っていました。このサービスを、地元の顧問先だけでなく、もっと広い範囲の経営者に届けたいというのが、私たちへのご相談のきっかけです。

 

それまでも、地域名×税理士のキーワードでホームページのSEO対策には取り組んでいて、顧問契約についての問い合わせはときどき入っていました。ですが、経営に本気で向き合いたい経営者や役員の方と出会うところまでは、なかなかつながらなかったそうです。

そこで私たちが提案したのが、コラムで接点をつくることでした。キーワードの選び方と書き方は私たちがお伝えし、代表の先生にはご自身の手でコラムを書いていただきました。代表の時間を使う、体力的にも大変な取り組みでしたが、その結果、検索上位に表示されるようになり、ホームページへのアクセスは10倍以上に増えています。最も多い月には、3〜4つのキーワードで月4,000件ほどの新規アクセスを集めていました。

 

コラムを読んで「このレベルのコラムを書けるのは普通じゃない」と感じた方が、事務所の主催する経営塾に全国から参加するようになり、そこから伴走型のコンサルティング契約に至るという流れができました。県外の経営者とも出会えるようになったのは、紹介の商流だけでは実現しにくかったことです。

もうひとつ、コラムの良いところは積み上げ式であることです。この税理士法人様でも、しばらく新しい記事を書けない時期があっても上位のコラムが読まれ続け、毎月コンスタントに問い合わせが届いていて、これまでの問い合わせは累計で100件を超えていると見ています。もちろん、読んだ人が訪れるホームページがきちんと整っていることが前提です。

 

SNSより先にコラムを選ぶ理由

「今はAIの時代なのに、コラムを書くのはどうなのか」「SNSのほうがいいのでは」という声もよく聞きます。もちろんSNSが合う事務所もありますが、良い経営者と出会うことを目的にするなら、コラムのほうが費用対効果が高いというのが、私たちの実感です。

たとえばYouTubeで発信しようとすると、撮影・編集まで外部に任せた場合、仮に月30万円とすると1年で360万円、5年続ければ1,800万円になります。一方でコラムは、主にかかるのは書く時間です。先ほどの税理士法人様のコラムによる集客の支援にかかった費用は、途中から事務所の中でコラムを書けるようになったこともあり、5年ほどで200万円もかかっていないと見ています。1,800万円と200万円ほどを単純に比べるだけでも、コラムのほうがずっと少ない費用で、全国の経営者との出会いをつくれたことが分かると思います。

 

しかも、SNSは続けてもうまくいかないケースが少なくありません。私たちが15年以上Webでの集客を実践してきた実感としても、悩みを解決したい人の入口は、SNSよりも検索エンジンのほうが圧倒的に大きいと感じています。それを考えると、まずはコラムで出会いの入口をつくるほうが、税理士事務所にとって現実的な選択肢だと考えています。

地域での営業は、交流会と勉強会で「横のライン」をつくる

Webの話が続きましたが、地域で顧問先を増やす営業活動ももちろん大切です。最初の章でお話ししたように、税理士の顧問先は銀行や知り合いの経営者からの紹介で決まることが多いのですが、紹介はただ待つものではなく、生まれる確率を上げていくものです。ここでは、交流会や勉強会・セミナーが、なぜ紹介を生むのかを、つながりの「縦」と「横」という見方でお話しします。

縦のラインと横のライン

税理士事務所と顧問先の関係は、事務所と1社ずつがつながっている「縦のライン」です。ただ、顧問先の経営者は、実は経営者どうしで横にもつながっています。これが「横のライン」です。

 

交流会や勉強会を開き、そのあとに懇親会などを設けると、この経営者どうしの横のラインが太くなります。縦と横の両方のつながりが深まると、顧問先の満足度が上がるのはもちろん、経営者どうしの会話の中で事務所のことが話題にのぼる理由が生まれます。

 

「〇〇さんのところの勉強会に出ているけど、実際どうなの?」という会話が自然に起きれば、そこから紹介が生まれやすくなります。紹介は待っていても増えませんが、話題にしてもらえるきっかけをつくることで、紹介が起きる確率を上げることはできます。

顧問先以外にも開く

勉強会や交流会を、顧問先だけでなく「顧問先でなくても参加できます」という形にすると、地域の新しい経営者との出会いにもつながります。つまり、地域での集客の入口にもなるわけです。

ただし、ここには限界もあります。参加してくれる方が、必ずしも事務所が出会いたい企業の経営者とは限らないということです。そこで私たちは、地域での活動に加えて、Webという飛び道具を使って、全国の経営者ともつながれる形を組み合わせることをおすすめしています。前の章でお話ししたコラムは、まさにその役割を担います。

LINEの情報発信でつながり続ける

先ほどの税理士法人様では、地域の経営者とつながるためにLINEでの情報発信も行っています。補助金の情報や、県の最低賃金が上がるといった情報を発信していて、経営者だけでなく、実際に手続きに関わる経理の担当者にとっても役に立つ内容になっています。

 

LINEに登録してもらうと、そこから次の勉強会の案内につなげることもできます。さらに、コラムを読んだ人に「LINEに登録してみよう」と思ってもらえる導線をつくれば、コラム、LINE、勉強会がつながって、出会いの入口が何重にもなります。この掛け合わせを組み立てるのが、私たちの得意とするところです。

リスティング広告は「税理士」単体で出さない

すぐに問い合わせを増やしたいとき、真っ先に候補にあがるのがリスティング広告だと思います。税理士事務所でもリスティング広告は使えますが、キーワードの選び方を間違えると、費用ばかりかかって成果が出ない広告になってしまいます。ここでは、税理士事務所ならではの注意点をお話しします。

「税理士」単体のキーワードには、税理士になりたい人が大量に含まれる

いちばん注意してほしいのが、「税理士」という単語だけで広告を出すことです。「税理士」と検索する人の中には、税理士を探している経営者だけでなく、税理士を目指している人や、税理士の年収を知りたい人がたくさん含まれています。

 

地域を限定して配信したとしても、「税理士」単体で広告を出すと、こうした人たちにも広告が表示され、クリックされるたびに費用がかかります。これはかなり無駄の多い配信になってしまいます。

一方で「税理士事務所」というキーワードであれば、事務所を探している人に絞れるので、効果的な広告になります。ただ、今度は検索する人の数がぐっと少なくなってしまうという難しさがあります。

さらに、配信を続けていると、キーワードを「税務相談」や「税金」といった言葉まで広げたくなりますし、設定によっては自動的に広がってしまうこともあります。そうなると費用対効果はどんどん悪くなり、最終的には「リスティングをやっていても意味がない」という結論になりかねません。どのキーワードで広告を出すかが、リスティング広告ではとても重要です。

全国配信は費用対効果が低い。地域×税理士が基本、専門特化なら効く

全国に向けて広告を出して顧問先を集めようとすると、全国対応の事務所でない限り、費用対効果はあまり高くなりません。地域密着の事務所であれば、基本は「地域名×税理士」「地域名×税理士事務所」といったキーワードで配信することになります。

一方で、相続専門や特定の業種専門のように、専門分野に特化している事務所は事情が違います。専門特化している場合、リスティング広告はかなり効きやすい手法です。特化した分野では、地域で見たときにライバルがぐっと減るからです。これは税理士に限らず、私たちが支援した建設業の許可申請に特化した行政書士の事務所のように、士業全般に言えることです。

 

地域名とあわせて補助金などのキーワードで広告を出すのも、ひとつのアイデアです。

出さない判断もある

最初の章でお話ししたように、税理士事務所の新しい顧問先は、ネット経由よりも銀行や知り合いの経営者からの紹介で決まることのほうが多いと私たちは見ています。つまり、リスティング広告で狙える「今すぐ税理士を探している人」は、もともとそれほど多くありません。

 

実際、先ほどの税理士法人様には、私たちはリスティング広告をおすすめしませんでした。地域名×税理士の検索ですでに1ページ目に表示されていたので、事務所を比べようとする経営者であれば目にとまりますし、ホームページを見れば他の事務所との違いも伝わる状態だったからです。その状態で広告に時間と費用をかけるより、コラムに力を注いだほうが目的に近いと判断しました。

 

もちろん、専門性があって探している人がはっきりしている場合は、広告を出す価値は十分にあります。広告を出すかどうかは、事務所が出会いたい相手が、広告で届く層にどれだけいるかで決めるのがよいと思います。

SEOと広告、どちらが効くのか

「結局、SEOと広告のどちらが効くのか」と迷う方も多いと思いますが、答えは出会いたい相手によって変わるです。ここまでの話を、相手ごとに整理しておきます。

 

出会いたい相手 効く手段 理由
税理士を変える前の、経営に悩んでいる経営者 コラム(SEO) 悩みそのものを検索していて、広告で呼ぶと高い単価に見合わない
地域で今すぐ税理士を探している人 地域名×税理士のSEO(足りなければ地域を絞った広告) 地域名で検索するので、上位にいれば見つけてもらえる
専門分野を探している人 広告もSEOも効く 特化した分野では、地域で見たときのライバルが減る

 

とくに専門分野に特化している事務所は、広告に限らず、コラムやホームページでもネットとの相性がとてもよくなります。相続専門のように分野を絞って打ち出すと、その地域では競合が一気に少なくなるからです。

▶ 配信しているキーワードと実際の流入が合っていないときの見直し方は、こちらで解説しています。 Google広告で効果が出ないときの失敗トップ3と改善手順

問い合わせにつなげる導線をつくる

コラムでアクセスが集まっても、問い合わせが来なければ、事務所にとっての成果にはなりません。とくに経営に悩んでいる段階の人は、まだ税理士を探しているわけではないので、読んだあとの受け皿をどう用意するかが重要になります。

悩んでいる段階の人には、いきなり問い合わせではなく軽い受け皿を置く

実はコラムのページは、サイトの中でも問い合わせが少ないページです。アクセスを集めるうえではとても大切ですが、読んでいる人の多くは、答えを探しに来ただけで、今すぐ相談したいわけではありません。

 

そんな人に、記事の最後で「お問い合わせはこちら」とだけ案内しても、なかなか押してもらえません。そこで大切なのが、問い合わせよりもハードルの低い、軽い受け皿を用意しておくことです。

 

先ほどの税理士法人様では、経営に役立つ小冊子のような無料の資料を用意して、コラムを読んだ人がまずそれを受け取れるようにしています。コラムの中で事務所の名前が自然と印象に残るようにしておくのも効果的です。交流会と勉強会の章でお話ししたLINE登録も、同じ役割を持つ受け皿のひとつです。

 

いきなり問い合わせを求めるのではなく、無料の資料やLINEで一度つながり、勉強会や相談へとステップを踏んでいく。悩んでいる段階の人ほど、この流れを丁寧に用意しておくことが問い合わせへの近道になります。

問い合わせにつながっていないサイトで、まず見る場所

アクセスはあるのに問い合わせが少ないときは、サイトのどこに原因があるかを確認します。やみくもにすべてのページを直そうとするのではなく、問い合わせに影響しやすいページから順に手を入れるのが効率的です。

 

問い合わせに影響しやすいのは、トップページ、該当するサービスのページ、事例のページ、料金のページ、よくある質問、そして問い合わせフォームです。とくに事例のページは、Googleマップでいうところの口コミのような役割を持ちます。「実際にこの事務所に頼んだ会社がどうなったのか」を読者が確かめる場所なので、問い合わせに大きく影響します。

 

少し話はそれますが、私たちが支援した税理士法人様の実績を知って、別の税理士法人様から集客支援のご依頼をいただいたこともあります。実績を見せることが次の出会いにつながるのは、税理士事務所も私たちも同じです。

 

問い合わせフォームも見落とせません。問い合わせをする人は必ずフォームを通るので、項目が多すぎたり、入力しづらかったりすると、それだけで離脱されてしまいます。一方で、「私たちの強み」や「初めての方へ」といったページは、力を入れて作られていることが多いのですが、意外と見られておらず、問い合わせへの影響も小さいことが少なくありません。

そして何より大切なのは、サイトを見た経営者になぜこの事務所に頼みたくなるのかが伝わるかどうかです。これは、使い勝手の細かな改善以上に効果があります。紹介で来た経営者が事務所名で検索したときにも、同じことが言えます。

税理士だからこそ気をつけたい、広告のルール

コラムを書いたり、ホームページや広告の文章を考えたりするとき、税理士事務所には他の業種にはない注意点があります。それが、税理士の業務広告に関するルールです。ここを知らずに、他の業種と同じ感覚で強い言葉を使ってしまうと、税理士としての信用に関わる問題になりかねません。

広告そのものは禁止されていない。決められているのは「何を書くか」

まず押さえておきたいのは、税理士が広告を出すこと自体は禁止されていないということです。ホームページもコラムもリスティング広告も、税理士事務所が集客のために使ってかまいません。ただし、細則では口頭や書面、電磁的な方法など、どんな方法でも業務について情報を伝える行為を広告として扱っているので、ホームページやコラムの文章もルールの対象になります。

 

決められているのは、広告にどんな内容を書いてはいけないかです。税理士会はそれぞれ業務の広告に関する細則を定めていて(考え方を示した運用指針は、日本税理士会連合会や各税理士会が示しています)、たとえば四国税理士会の細則では、次のような広告をしてはならないとされています。(出典:四国税理士会「四国税理士会会員の業務の広告に関する細則」)

 

  • 事実に合致していない広告

  • 誤導又は誤認のおそれのある広告

  • 誇大又は過度な期待を抱かせる広告

  • 困惑させ、又は過度な不安をあおる広告

  • 他の会員又は会員の事務所と比較した広告

  • 法令又は日本税理士会連合会若しくは本会の会則及び規則に違反する広告

  • 上記の他、税理士の信用又は品位を損なうおそれのある広告

 

 

細則は税理士会ごとに定められているので、実際に広告を作るときは、ご自身が所属する税理士会の細則や運用指針を確認してください。

集客の現場でつい使ってしまう表現

この細則の考え方を具体的に示したものとして、四国税理士会の運用指針には、してはいけない広告の例が挙げられています。集客の文章を考えるときに、つい書いてしまいそうな表現も含まれているので、目を通しておく価値があります。(出典:四国税理士会「四国税理士会会員の業務の広告に関する運用指針」)

 

区分 運用指針に挙げられている例
誤導・誤認のおそれ、誇大・過度な期待、過度な不安をあおる広告(細則第3条(2)〜(4)) 「割安な報酬で引き受けます。」「巧みに節税します。」「最高の税務知識を提供します。」「たちどころに解決します。」「税務調査省略になります。」「今の税理士で本当に大丈夫ですか?」
比較広告(細則第3条(5)) 「○○事務所・税理士法人より豊富なスタッフ」「当事務所は○○で他の事務所よりも優れています。」
信用又は品位を損なう広告(細則第3条(7)) 「税の抜け道・・・、抜け穴・・・教えます。」「究極の・・・節税テクニック」

 

この中で、集客に取り組む事務所がとくに気をつけたいのが、「今の税理士で本当に大丈夫ですか?」という表現が例に挙がっていることです。「地域×税理士」で探す人の章でお話ししたように、今の税理士に不満がある人は見込みの高い相手なので、乗り換えを促す言葉を使いたくなります。ですが、相手の不安をあおって今の税理士から乗り換えさせようとする書き方は、ルールに触れるおそれがあります。

また、「割安な報酬で引き受けます。」のように安さを前面に出す書き方も、例に挙がっています。価格で目を引くのではなく、事務所が何を大切にして、どんな支援をしているのかを伝えることに力を注ぐほうが、ルールの面でも安心ですし、事務所が出会いたい経営者にも届きやすくなります。

その点、経営の悩みに答えるコラムは、不安をあおったり他の事務所と比べたりしなくても、中身そのもので「この事務所に相談してみたい」と思ってもらうやり方です。ルールに沿ったまま、事務所の考え方をしっかり伝えられるという意味でも、税理士事務所に向いた集客の方法だと私たちは考えています。

集客を続けられる体制をつくる

ここまでお話ししてきたコラムや勉強会、LINEの発信は、どれも続けることで効果が出てくるものです。ですが、本業が忙しい時期には、どうしても後回しになりがちです。最後に、集客を途中で頓挫させないための体制づくりについてお話しします。

所長一人では続かない。所長はコラムの中身に専念する

集客の取り組みを所長一人で抱えようとすると、ほぼ確実に続きません。本業が忙しくなった時期に、真っ先に後回しになってしまうからです。私たちが集客を支援するときに大事にしているのは、頓挫しない仕組みをどれだけつくれるかです。

 

とはいえ、コラムの中身は所長や経験のある税理士にしか書けません。経営の悩みに答えるには、プロとしての知見が必要だからです。そこで、所長はコラムの内容を考えることだけに集中し、それ以外の作業は周りのスタッフが担う形をつくります。

広報担当を採り、チームで回す

その中心になるのが広報の担当者です。広報は求職者から見て少し華やかで興味を持ちやすい職種なので、他の職種に比べて採用しやすく、きちんとした事務所であれば採れないということはまずないと思います。

ここで大切なのは、最初から経験豊富な人を求めないことです。「Instagramを少し触っている」「広報の仕事をやってみたい」という人でも応募できるように求人を設計すれば、採用そのものはそれほど難しくありません。あとは、その広報担当が実際に機能するように、コラムの書き方やWebの集客の進め方を身につけていく支援をしていきます。先ほどの税理士法人様でも、事務所の中で運用を回せる体制をつくるところまで支援しました。

 

紹介以外の入口を途切れさせないためには、所長がコラムの中身を考え、広報担当やパートのスタッフが形にして発信する体制が欠かせません。

▶ 広報担当をはじめ、税理士事務所の採用の進め方はこちらで詳しく解説しています。 税理士の人手不足、受験者は増えているのになぜ採れない?資格者とパート別の採用方法を徹底解説

外に任せる部分と、事務所の中でやる部分

では、すべてを外部の会社に任せればよいかというと、コラムを書くところまで丸ごと外に出すと、コストがかなり高くなってしまうケースが多いです。取材をして書いてもらう形もありますが、費用はどうしても大きくなります。

 

それ以上に大きいのが中身の問題で、税理士の実務を知らない外部の書き手がAIを使ってまとめた薄いコラムでは、率直に言って逆効果の宣伝になってしまいます。

 

だからこそ、コラムの中身は事務所の中から生み出すのが基本です。所長が自分で書く時間が取れない場合は、社内で知恵を持っている人が所長にインタビューをして、それをもとにコラムを書くという形でもかまいません。

 

AIは、書かせる道具ではなく、所長の考え方を蓄積しておく道具として使うのがおすすめです。所長の考えをAIに蓄積しておけば、多少なりともコラムを書くスピードは上がりますし、スタッフとの分業もしやすくなります。そうすれば、忙しい事務所でもコラムを続けやすくなるはずです。

▶ 集客の全体像から自社に合う手法を選びたい方は、こちらもあわせてご覧ください。 web集客の方法を3タイプで整理。自社に合う集客方法が今すぐ分かる

まとめ:紹介で回ってきた税理士事務所が、Web集客をもう1本の入口にするために

税理士事務所の集客は、手法を並べて上から順に取り組めばうまくいくものではありません。最後に、この記事でお話ししたことを整理しておきます。

 

  • 税理士の顧問先は、銀行や知り合いの経営者からの紹介で決まることが多い。Webは紹介の代わりではなく、紹介が届かない相手と出会うための入口として足す

  • 「地域×税理士」で検索しているのは、大きく分けると開業直後の事業者と、今の税理士に不満がある人の2種類。経営に踏み込んだ相談をしたい経営者は、その手前で経営の悩みそのものを検索している。出会うなら変える前の段階の人に届く必要がある

  • その層と出会うには、所長にしか書けない経営の悩みに答えるコラムが効く。一般論のコラムでは問い合わせは来ない

  • 地域では、交流会や勉強会で経営者どうしの横のつながりを太くすると、紹介が生まれやすくなる

  • リスティング広告は「税理士」単体で出さない。地域名や専門分野で絞り、出さない判断も含めて考える

  • 読んだ人には無料の資料やLINEなど軽い受け皿を用意し、段階を踏んで問い合わせにつなげる

  • 広告の文章では、不安をあおる表現や他の事務所との比較、安さの強調を避ける

  • 所長一人で抱えず、所長はコラムの中身に専念し、広報担当やスタッフとチームで回す

 

 

私たちスリーカウントは、税理士事務所をはじめとする士業の集客を、コラムの企画から事務所の中で運用を回せる体制づくりまで一緒に支援しています。紹介以外の入口をつくりたいけれど、何から手をつければよいか分からないという方は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。

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この記事はわたしが書きました

スリーカウント株式会社 代表取締役鈴木悠資

2007年、静岡大学在学中に大学のメンバーとスリーカウント株式会社を創業。2011年にインターネット広告運用を本格化して以来、約15年にわたりWebマーケティングを活用した「集客」と「求人」の課題解決に取り組む。
現在は浜松・静岡・東京の3拠点・20期目のWebマーケティング会社の代表を務める。

専門は、インターネット広告・SEO・SNS・サイト改善などを“バラバラの施策”で終わらせず、お客様と見込み客の間の「コミュニケーション」を設計するコミュニケーションマーケティング。自社の支援だけでなく、静岡県内の広告代理店やWebマーケティング会社に向けた技術教育も継続して行っている。

広告領域では Google Premier Partner、Yahoo!広告 正規代理店、Facebook マーケティングパートナー、採用領域では Indeed 認定ブロンズパートナー、求人ボックス ダブルスターパートナーの認定を受け、運用データに基づく戦略設計とWebサイト改善を強みとする。

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