
学習塾でリスティング広告を出しているのに、思ったほど問い合わせが増えない。代理店から届く報告書の数字は悪くないのに、教室の生徒はほとんど増えていない。そんな状態が続いていないでしょうか。
こどもの数は1,329万人と45年連続で減少し、過去最少を更新しています(出典:総務省統計局「統計トピックスNo.148 我が国のこどもの数」)。それでも塾どうしの競争は緩みませんし、講習前には広告費も跳ね上がります。ただ、原因はそれだけではありません。数字の見方、予算の置き方、媒体の選び方。運用を引き継いでみると、つまずいている場所はだいたい決まっています。
この記事では、学習塾のリスティング広告で成果を出すために、獲得単価をどう見るか、予算をどこに置くか、どの媒体をいつ使うかを、順番にお伝えしていきます。代理店に任せている方も、自分で運用されている方も、判断の材料として使っていただける内容にしました。
この記事は本気の改善を目指す方向けです
この記事を書いているスリーカウントについて
改めて、私たちスリーカウント株式会社について少しだけお話しさせてください。
私たちは、WEBマーケティングを専門とし、これまで全国で700社以上の集客・採用支援に携わってきました。インターネット広告の運用では、Google Premier Partner(2年連続認定・国内上位3%)、LINEヤフー Sales Partner、Meta正規パートナーの認定をいただいており、リスティング広告の取扱高は静岡県で1位です。
学習塾の分野では、15年以上にわたって全国30社・800教室以上のWEBマーケティングに携わってきました。個別指導塾のヒーローズホールディングス様では、新規問い合わせ数3倍以上・アクセス4倍以上という結果につながっています。
本記事では、そうした現場での経験をもとに、「どうすれば広告から問い合わせが生まれ、生徒が集まる状態をつくれるのか」という視点でお伝えしていきます。まずは、用語の整理から見ていきましょう。
インターネット広告(リスティング広告)の仕組み

学習塾の集客でインターネット広告を検討するとき、最初につまずきやすいのが用語です。「リスティング広告」「ディスプレイ広告」「SNS広告」が同じ話として語られてしまい、どれに予算を置けばいいのか分からなくなる。ここを整理しておかないと、このあとの予算配分の話がすべてぼやけてしまいますので、まずは最低限の仕組みだけ確認させてください。
インターネット広告とは?
インターネット広告とは、インターネットを活用して配信する広告手法のことです。「Google広告」「LINEヤフー広告(2026年4月にYahoo!広告とLINE広告が統合)」から「Facebook・Instagram広告」まで種類は多数ありますが、その多くはクリック課金制を取っていて、広告がクリックされた瞬間に課金されます。
インターネット広告とリスティング広告の違い
リスティング広告は一般的に「キーワード広告」「検索連動型広告」と呼ばれ、Google・Yahoo!の検索結果の上部に掲載される広告のことを指します。ユーザーが検索したキーワードに連動して表示される広告が選ばれるため、学習塾がインターネット広告をスタートしようと考えたときには、まずこちらを選択します。
後述しますが、リスティング広告で費用対効果が合わない状態のまま他の媒体に広げても、同じ結果になります。これは、小規模な個別指導塾から複数教室を展開されている塾まで、幅広く運用してきた結果からの結論です。
学習塾の集客でリスティング広告がいい理由

この記事をご覧いただいている方はすでに感じられているかと思いますが、多くの学習塾や個別指導塾、予備校がインターネット集客においてリスティング広告を導入しています。ただ、なぜ相性がいいのかを説明できる状態でないと、代理店の提案を受けたときに判断ができません。大手の塾はもちろん、地方の学習塾様でも十分に成果を出せる理由を、3つに分けてお伝えします。
塾を探している方にダイレクトアタックできるのがリスティング広告
とてもシンプルな話ですが、折込チラシやポスティング、新聞などの広告は「学習塾に興味のない方」にも多く配信されます。マス広告と呼ばれる理由がこれです。
しかしリスティング広告は学習塾を探している人にダイレクトにアタックできることが、最もパフォーマンスが出る理由です。SNS広告やディスプレイ広告も選択肢にはありますが、これらはあくまで「学習塾に興味があるであろう」というレベルのターゲティングが中心になります。
しかも地域を限定できますし、クリックされて初めて課金されるので予算が無駄になりにくい。予算が限られる地方の塾様ほど、この2つが効いてきます。
リスティング広告で成果が出ず「他に成果の出る広告を探している」という状況の塾様を引き継ぐと、最初に見つかるのはたいてい配信先のズレか、サイト側での離脱です。よほどの高額運用でない限り、媒体そのものが向いていなかったというケースにはほとんど当たりません。まず疑うべきは運用とWEBサイトのほうです。
広告配信する属性をターゲティングできる
誰に対してインターネット広告を配信するか設定できる「ターゲティング」機能は、学習塾の集客において肝となる機能です。
学習塾は未就学児、小学生、中学生、高校生と、それぞれ受験を控えた子どもたちが利用します。当然、子どもがいない家庭や、子ども本人に広告を届けても意味がありません。インターネット広告であれば、子どもを持つ母親にピンポイントでターゲティングが可能です。
その点、チラシやポスティングといった紙媒体は、大まかなエリア選定や戸建てかマンションかは選べますが、子どもの有無は判別できずターゲティングの精度は低くなります。
リスティング広告を例にあげると、スマートフォンの閲覧履歴やリンククリックの傾向、「中学生 塾」などのキーワードで検索した人といった条件を組み合わせて、「子どもがいるセグメント」とみなして配信することが可能です。
検索結果の上位表示で認知を広げられる
駅看板やポスティング、折込チラシには認知拡大という効果がありますが、インターネット広告でも、検索結果への上位表示や、子どもを持つ母親がよく見るサイトへのバナー掲載で同じ効果が狙えます。
見落とされがちなのが、紙との組み合わせです。チラシを見た保護者がその足でインターネット検索をしたときに、真っ先に自塾の広告が出れば、見込み客の取りこぼしを防げます。
▶ 自塾の名前で検索されたときの広告の扱いは、こちらで詳しく解説しています。 【徹底解説】リスティング広告で指名キーワード(指名検索)を出すべき?適切な運用方法は?
学習塾のリスティング広告の費用。「CPA 1万円」と「CPA 3万円」は同じものを数えていない

広告の相談で最も多いご質問が「問い合わせ1件あたり、いくらが適正ですか?」です。ネットで調べると数字はいくらでも出てきますが、同じ「CPA」という言葉が、まったく違うものを指しているケースがかなり多いです。ここを揃えないまま代理店の提案を比べると、安く見える提案が実は高い、ということが起こります。この章では、私たちが実務で見ている数字と、その数字をどう読めばいいのかをお伝えします。
実務で見ている獲得単価はいくらか
私たちが学習塾のリスティング広告を運用するとき、目標として置いているのは「メールベースの問い合わせ、または無料体験」1件あたりの単価です。
この基準でいうと、2万円前後であれば非常にうまくいっている状態です。中には1万円前後という会社様もございます。
ただ、いきなりそこを目指す必要はありません。順番としては、まず4万円を上限のラインだと考えてください。ここを超えている状態が続くなら、運用かサイトのどちらかに手を入れる必要があります。そのうえで3万円を切るところまで持っていくのが、当面の目標地点というイメージです。
ここで大事な注意点があります。この数字には、電話でのコンバージョンを含めていません。塾の問い合わせは電話が相当な比率を占めますので、電話を計測に入れれば見かけの単価はもっと下がります。つまりこの数字は、かなり厳しめに見積もった数字だとお考えください。
チラシからの問い合わせと比べれば、費用対効果が合うのは明らかです。ただ、その比較よりも先に確認していただきたいことがあります。
「体験申込1件」と「入塾1件」では、単価が数倍変わる
ネット上で塾のリスティング広告の相場を調べると、クリック単価は数百円、CVR(成約率)は数%、CPAは1件1万円前後、といった数字を見かけると思います。どれも間違いというわけではありません。問題は、その1件が何を指すのかが書かれていないことです。
塾の場合、CPAの計測地点は少なくとも3つあります。
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問い合わせ・資料請求の1件:まだ話も聞いていない段階。最も件数が出るので、単価は最も安く見える
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体験授業の申込1件:教室に来る意思がある段階。ここを分母にすると単価は上がる
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入塾1件:実際に売上が立つ段階。ここまで来ると、さらに数倍の単価になる
同じ広告費でも、どこを分母に置くかで単価は簡単に数倍変わります。ですから「うちはCPA1万円でやっています」と言われたときに確認すべきなのは、金額の高い安いではなくその1件が、どの段階の1件なのかです。
もうひとつ、ここに電話の扱いが乗ってきます。電話を計測している会社と、していない会社では、同じ運用をしていても数字が変わります。ここまでお伝えしてきた金額は、上限も目標もすべて、電話を含めない前提での数字です。
同じ学習塾でも、単価はここまで開きます
実例をひとつお出しします。私たちが支援している個別指導塾のヒーローズホールディングス様では、コンバージョン単価3,000〜5,000円程度で運用できています。アクセス数は4倍以上、新規問い合わせ数は3倍以上になりました。
先ほど「2万円前後ならうまくいっている」とお伝えしたばかりですので、違和感を持たれたと思います。ここが、この章でお伝えしたいことそのものです。
この差が生まれているのは、教室ごとの詳細ページを作り込み、通える範囲に絞ったジオターゲティングを重ねてきた積み上げがあるからです。加えて、公開されている数字がどの地点の1件を指すかは、運用ごとに定義が違います。同じ学習塾で、同じリスティング広告を使っていても、ここまで開きますし、そもそも横に並べて比べられるものではありません。
だからこそ、ネットで見つけた相場の数字をそのまま自塾に当てはめても、判断材料にはなりません。見るべきなのは他社の数字ではなく、次にお伝えする自塾の上限です。
▶ ヒーローズホールディングス様で実際に行った改善の中身は、こちらでご覧いただけます。 株式会社ヒーローズホールディングス様の事例
自塾にとっての上限は、月謝から逆算して決める
相場を調べる前に、本当は自塾の上限を先に出しておくべきです。ここが決まっていないと、提案された数字が高いのか安いのか永久に判断できません。
考え方はシンプルで、生徒1人が在籍している間にどれだけの売上と利益が生まれるかを出し、そこから逆算します。
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STEP1:月謝の平均額を出す
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STEP2:平均で何か月在籍するかを出す(ここが最も見落とされます)
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STEP3:月謝 × 在籍月数 で、生徒1人あたりの売上を出す
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STEP4:そこに利益率を掛け、さらにどこまでを広告に使えるかを決める
たとえば月謝が2万5,000円で、平均24か月在籍するなら、生徒1人あたりの売上は60万円になります。あくまで計算例ですが、この規模感が自塾の数字で見えていれば、入塾1件に3万円を使うことが高いのか安いのか、自分で判断できるようになります。
相場を探すより先に、自塾の上限を出してください。これが決まると、代理店との会話が「安くしてください」から「この上限内で何件取れますか」に変わります。
代理店の「CPA◯円達成」をどう読むか
ここまでの話を踏まえると、提案書や運用報告を見るときに確認すべきことがはっきりします。私たちが他社様の運用を引き継ぐとき、実際に最初に聞いているのは次の3点です。
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その1件は、どの段階の1件か:問い合わせか、体験申込か、入塾か
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電話は計測に入っているか:入っていないなら、実際の獲得はもっと多い可能性がある
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どの期間の平均か:講習前の繁忙期だけを切り取れば、数字はいくらでも良く見えます
そしてもうひとつ、現場で必ずぶつかるのがそもそも正確に計測できていないというケースです。フォームが古くて送信後にページが変わらない、フォームだけ別ドメインになっていて計測が切れている。こういうサイトは今でも珍しくありません。
この場合、私たちは完了画面ではなく「問い合わせフォームのページに到達した数」を仮の指標に置き、そのうちおよそ1割が送信まで進むという目安で件数を仮置きします。そのうえで、必ず塾側に「実際に何件来ていますか」と聞いて答え合わせをします。
面白いのは、このとき計算値と実数がズレることに意味があることです。フォームまで200人来ていて、計算上は20件のはずなのに実際は1件しかない。これは計算が間違っているのではなく、フォームで199人が脱落しているということです。つまり直すべきは広告ではなくフォームだと、ここで分かります。
数字を正確に取ること自体が目的ではありません。次にどこを直すかを決めるために数字を見るというのが、私たちの考え方です。
電話の問い合わせは、どこまで測るか
ここまで「電話は計測に入れていない」と何度かお伝えしてきました。では電話は測れないのかというと、そんなことはありません。手をかける順に3段階あります。
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STEP1:広告の電話番号アセット(旧:電話番号表示オプション)経由の通話を計測する。広告管理画面の設定だけで済むので、まずここから
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STEP2:サイト上の電話番号タップを計測する。スマホから電話番号を押した回数が取れるようになります
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STEP3:広告専用の電話番号を用意して、そこにかかってきた分だけを切り分ける(コールトラッキング)。月額の費用がかかります
どこまでやるかの判断は単純で、電話の比率が高いほど、上のSTEPまで手を入れる価値があります。問い合わせの半分以上が電話で来ている塾なら、STEP1だけで見えている数字がまるで変わります。逆に、ほとんどがフォーム経由ならSTEP1で十分です。
▶ 代理店の手数料の相場や料金体系そのものについては、こちらで詳しくまとめています。 【2026年版】リスティング広告 運用代行・代理店の手数料相場は20%?”率より中身”
リスティング広告が失敗に終わる理由

ここまでお伝えしたように、学習塾や個別指導塾でのリスティング広告は、チラシなどのアナログ広告と比べてパフォーマンスは出ます。にもかかわらず失敗をしてしまっている方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。この記事をお読みくださっている方は、まさにその状況だと思います。地方の塾と相性の良いリスティング広告なのに、実際にやってみたらうまく成果が出なかった。その原因は、大きく3つに分かれます。
【1】広告運用がうまく機能していない
「代理店を使ってリスティング広告を出稿している」「自分でGoogle・Yahoo!を使ってやってみた」。こういう方に正直多いのが、この「運用がうまく機能していない」ケースです。
具体的にいいますと、おそらく皆様の学習塾には「中学生に強い」「英語に強い」「高校生は対象としていない」「価格が安い」などの特徴があります。この特徴を加味した運用をしないと、数字は動きません。
たとえばLINEヤフー広告の検索広告で「学習塾」をインテントマッチ(旧:部分一致)で入札した場合、お客様の感覚としては「学習塾というキーワードで配信している=学習塾を探している人に配信している」かと思いますが、配信結果は実際にはまったく違うことが多々あります。
実際には「英語塾」「フランス語塾」「書道塾」「そろばん塾」「大人向けの通信講座」「同じ地域にある別の塾」はもちろんのこと、「自動車免許の教習所」「サッカー教室」まで配信されています!
この御社を探していないユーザーに広告が多く配信されることが、最も費用対効果を悪化させる理由です。あくまで感覚ですが、うまくいかない方の半数以上はこの状態を意図せず放置してしまっているため、本来出るはずの結果が出ていません。
また、特徴を加味した広告文の作成も必須です。英語が強い学習塾なのに「○○市で学習塾を探すなら」という広告文では、英語が元々得意な生徒も流入することになり、これも成果が出ない要因になります。
広告文に「英語に強い○○市の学習塾」とはっきり記載することで、ユーザーは御社に興味を持った状態でクリックします。ここまで運用するからこそ、パフォーマンスが出るのです。
では何をすればいいのかというと、やることは地味です。管理画面の検索語句レポートを開いて、実際にどんな言葉で広告が出ていたかを見る。そこに免許・サッカー・書道といった無関係な語が並んでいたら、除外キーワードに追加して二度と出ないようにする。地域名を含む主力の語は、インテントマッチのままにせず完全一致やフレーズ一致に寄せる。
この検索語句レポートの確認を、最低でも月に1回。広告を始めたばかりの時期なら週に1回は見てください。ここを見ずに入札単価だけを動かしても、無駄クリックは減りません。
【2】WEBサイトが塾を検討される方に刺さっていない
インターネット広告を活用される方で誤解が多いと感じるのが、「リスティング広告を使えば自然と問い合わせが増える」という思い込みです。
すべてのインターネット広告は集客のために行うもので間違いありませんが、あくまでWEBサイトに呼び込むことがゴールです。運用や調整次第で「問い合わせをする見込みの高さ」の調整はできますが、できるのはサイトに呼ぶところまでですので、サイトが魅力的でなかったら問い合わせには繋がりません。
特に広告はトップページに飛ばすことが多いですが、来た人の大半がそのまま戻ってしまうようなトップページでは、とても成果を発揮させることはできません。
ユーザーである保護者が子どもの塾を決める要因は、突き詰めると「近さ(通いやすさ)」と「子どもに合うカリキュラム」の2つです。この2つが伝わるサイトになっているかを、広告を出す前に確認してください。
▶ 教室詳細ページの作り込みやフォームの改善など、サイト側の打ち手はこちらで詳しくまとめています。 塾の集客方法13選!生徒が集まる学習塾の実践手順を”正しい順番”で徹底解説
【3】夏期講習や冬期講習のタイミングしかやっていない
リスティング広告を新しく始めようとしたときに多いのが、「夏期講習や冬期講習のタイミング」です。かきいれ時であるこのタイミングで広告を打ち出すのはもちろん素晴らしい判断ですが、この時期だけしか配信しないのは非常にもったいないです。
なぜかというと、この時期は同じように考える方が多いため学習塾関連の市場が加熱状態にあり、一時的に競合が増えます。そうするとクリック単価が高騰し、結果として特に初めて行う場合は結果が出ないことも多々あります。
リスティング広告は「学習塾を探している人」にダイレクトにアタックできるため、ある意味、夏期講習や冬期講習以外のタイミングでも探している人は探しています。
そしてもうひとつ見落とされがちなのが、山は夏期・冬期だけではないということです。私たちが学習塾の広告を通年で運用してきた実感として、学年が切り替わる2〜3月にも大きな山があります。ここを外して夏と冬だけに寄せるのは、取れるはずの山をひとつ捨てているのと同じです。
そのため予算配分は、2〜3月・7月前後・12月前後の3つの山を厚く、それ以外を薄くという形にして通年で配信するほうが、運用の改善にもつながりますし効果的です。シーズナルなイベントだけでなく通年で打ち出すことにより運用改善が回り、本番のシーズンでの結果も上がっていきます。
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学習塾のリスティング広告でおさえるべきポイント5つ

失敗する理由が分かったところで、実際の運用で何をおさえるべきかをお伝えします。ここは予算規模によって打ち手が変わりますので、まず全体像を表で確認してください。地方の学習塾や個別指導塾、予備校での運用を前提にしています。
| 月額予算 | 予算の使い方 |
|---|---|
| 10万円未満 | キーワード広告のみ。他には広げない |
| 10〜20万円 | キーワード広告に70%以上(できれば80%)。残りでリマーケティング |
| 30万円以上 | 初めてSNS広告・カスタムセグメント・高度なセグメントを検討 |
【1】「地域」×「学習塾」「個別指導」「予備校」に予算を最大限に使う
「学習塾」と調べている人に広告を出すのと、「○○市 学習塾」と調べている人に広告を出すのとでは、実は獲得率に大きな差が出ます。
ただ「学習塾」とだけ探している方は、その地域で探していない可能性もありますし、そもそも求人を探しているのかもしれません。そのため「地域名」×「塾」「学習塾」のキーワードは獲得率が高く、ここにご予算を最大限活用するようにしましょう。
広告文にオリジナリティを出してクリック率を高め、このワードで最もユーザーを流入させるようにします。さらに価格勝負できるなら、価格を徹底して広告文に入れるようにすると、価格を気にするユーザーを流入させることができるので、実は獲得率が上がります。
【2】予算が20万円以内ならキーワード広告で70%以上使う
先ほどお伝えしたように、リスティング広告(ディスプレイ広告を除くキーワード広告のみ)と学習塾は本当によく噛み合います。ご予算が月額10万円未満で検討されるなら、キーワード広告のみを選択しましょう。
ご予算が20万円になってくると「リマーケティング広告などディスプレイ広告を活用すべき」となります。そこで注意が必要なのは、70%以上(できれば80%)はキーワード広告で使用するということです。
ディスプレイ広告でのリマーケティングは、一度ホームページに流入したユーザーへの配信ですので確かに効果が高いです。しかしディスプレイ広告にも運用のコツがあり、うまくいかないケースもあります。また予算配分に注意しないとディスプレイ広告に多く配信しすぎるという特性もあるため、この比率を守ってください。
【3】予算が30万円以上ならSNSやカスタムセグメント、高度なセグメントを使用する
カスタムセグメント(旧カスタムオーディエンス、さらに前はカスタムインテント)は、特定の商品やサービスに興味関心があったり購買意向が強かったりするユーザー層にアプローチできる、Google広告のターゲティング機能です。LINEヤフー広告側には「高度なセグメント」があり、指定したキーワードやURLに関連する行動をとったユーザーを機械学習でリスト化して配信できます。従来のサーチキーワードターゲティングは2025年8月に提供を終了し、この高度なセグメントへ統合されました。
これらは確かに魅力的に見えると思います。ただ、エリアによっても変わりますが、ご予算が30万円以上あって初めて活用するようにしてください。検索キーワードほど「探している」という意思がはっきり出る面ではないぶん、成果につなげるには一定以上の運用力と、受け皿になるWEBサイトが前提になるからです。SNS広告やジオターゲティングなどの特殊なDSPも同じと考えてください。
【4】広告アセット(旧:広告表示オプション)はフル活用する
Google広告やLINEヤフー広告を運用されている方はご存知かと思いますが、無料で使えるアセット(旧:広告表示オプション)があります。その中でも学習塾の場合は「住所アセット(住所表示オプション)」「価格アセット(価格表示オプション)」がよく効きます。
学習塾は家から塾まで通うため、「距離」がとにかく重要です。住所アセットを設定するとGoogleマップと連携が取れるようになり、検索結果上に塾の住所が表示されます。
すると、ユーザーが自然と「遠い」と思ったらクリックしません。これだけで無駄クリックを防げるわけです。
【5】ランディングページからフォームまでを最短距離にする
広告をクリックしたときのリンク先となるランディングページは、獲得率を上げる重要な要素です。フォームまでのルートは最短距離になるよう組み立て、「お問合せや無料体験」などのボタンは、できればファーストビュー(1画面で見える範囲)に設置しましょう。
またこのフォームが最大のカギで、質問項目が多いと簡単に離脱します。項目をとてもシンプル(名前・メールアドレス・電話番号だけなど)にして、まずは問い合わせをしてもらうことを最優先に考えてください。LINEでの問い合わせやチャットボットなど、よりシンプルな問い合わせ方法は学習塾でよく機能します。
先ほどお伝えした「フォームに来た人のうち1割程度が送信まで進む」という目安を大きく下回っている場合は、広告ではなくこのフォームに原因があります。
▶ 学習塾のホームページの作り方と参考デザインは、こちらでまとめています。 【事例紹介】学習塾のホームページの作り方・運用のコツを徹底解説
学習塾の広告はリスティングだけでは足りない。Meta・LINE・ディスプレイの使い分け

ここまではキーワード広告の話をしてきました。ただ、ご予算が20万円を超えてくると「他の媒体も使ったほうがいいのでは」というご相談が必ず出てきます。結論から申し上げると、使う順番と使わない判断のほうが大事です。向いているから使うのではなく、どの状態になったら使うのかを決めておかないと、予算が薄く広がって全部が中途半端になります。ここでは有料広告に絞ってお伝えします。SNSのアカウント運用や投稿の話は別の記事に譲ります。
Meta(Instagram・Facebook)広告:保護者の認知を取りにいく
Meta広告は、Instagram・Facebookに配信する広告です。学習塾では塾を探し始める前の保護者に届けられる点が価値になります。検索している人にしか届かないキーワード広告と、ここが決定的に違います。
使いどきは、キーワード広告で取れる件数が頭打ちになったときです。地域が狭い塾ほど、「○○市 学習塾」で検索する人の数自体に上限があります。月の予算を増やしても件数が伸びなくなったら、検索の外にいる保護者へ広げるタイミングです。
逆に急ぐ必要がないのは、キーワード広告の獲得単価がまだ目標に届いていない段階です。Meta広告は検索していない層に会いにいく配信ですので、いま検索で取れている分の単価が合っていない状態で足しても、同じ課題がそのまま広がるだけになります。
なお、Meta広告は画像や動画の出来で結果が大きく変わります。教室の様子や講師の顔が出せるかどうかで、打てる手が変わってきますので、素材が用意できるかも先に確認しておいてください。
▶ 広告ではなくSNSアカウントそのものの運用に興味がある方は、こちらをご覧ください。 学習塾のSNS集客を成功に導くコツを解説!〜成果の出る動画投稿・共有サイトの使い方〜
LINE面への配信:友だち追加を入口にして検討期間の長さに対応する
LINEのトーク一覧やニュース面に配信する広告は、学習塾ではよく噛み合うと感じています。なお従来の「LINE広告」は2026年10月下旬に配信を停止し、LINEヤフー広告のディスプレイ広告へ統合される予定です。配信面そのものはなくなりませんが、管理画面と出稿の入口が変わりますので、これから始める方は統合後の環境で設計してください。
理由は、塾選びの検討期間が長いことにあります。夏期講習を検討し始めてから実際に申し込むまで、保護者は何週間も比較を続けます。その間ずっと広告費をかけ続けるのは効率が悪いのですが、一度友だち追加をしてもらえれば、その後は費用をかけずに接点を持ち続けられます。
ですので、LINE面への配信は「今すぐ問い合わせ」を狙うより、友だち追加を入口にして、講習の案内や説明会の告知を送る形が向いています。逆に、追加してもらった後に何も送る予定がないなら、やる意味はほとんどありません。配信して終わりにならないよう、追加後に何を送るかを先に決めてから始めてください。
ディスプレイ広告・リマーケティング・YouTube広告:一度来た人の取りこぼしを拾う
ディスプレイ広告は、さまざまなサイトやアプリの広告枠に画像で配信する広告です。この中で学習塾が最初に使うべきなのは、一度サイトに来た人を追いかけるリマーケティングです。
塾のサイトは、保護者が比較のために何度も出入りします。1回目の訪問で問い合わせまで進む人はほとんどいませんので、一度来た人にもう一度出会いにいくこの配信は、比較的少ない予算でも効きます。
ただし、先にお伝えした予算配分は必ず守ってください。ディスプレイ広告は配信量が出やすく、放っておくと予算がこちらに流れます。キーワード広告に70%以上を残したうえで、余った分で回すのが基本です。
YouTube広告についても考え方は同じです。動画素材があり、認知を広げたい段階で初めて検討するもので、問い合わせを増やしたいという目的で最初に選ぶ媒体ではありません。
塾の形態別(個別指導・集団指導・予備校・オンライン)で広告の設計はどう変わるか
ここまでを読んで「うちの塾の場合はどうなるのか」と思われた方も多いはずです。実際、同じ学習塾でも指導形態によって、狙うキーワードも訴求も獲得単価も変わります。ここを分けずに運用しているケースが本当に多く、成果が出ない原因になっています。自塾がどこに当てはまるかを確認してください。
| 個別指導 | 集団指導 | 予備校・高校生向け | オンライン指導 | |
|---|---|---|---|---|
| 主に検索する人 | 保護者(成績や不登校の不安が起点) | 保護者(受験・進学が起点) | 保護者と本人の両方 | 保護者(送迎の負担が起点) |
| 狙うキーワード | 地域名+個別指導、地域名+家庭教師 | 地域名+学習塾、地域名+中学受験 | 地域名+予備校、大学名+対策 | オンライン+学年・科目(地域名を外す) |
| 訴求の中心 | 一人ひとりに合わせられること | 合格実績と競い合える環境 | 志望校への到達方法 | 送迎が要らないこと・時間の自由度 |
| 検討期間 | 短め(悩みが具体的で急ぐ) | 長め(学年の切り替わりに集中) | 長め(本人の意思が入る) | 短め(比較対象が全国に広がる) |
オンライン指導だけは、他の3つと設計の前提がまったく違います。地域名を外して配信することになるため商圏の制限がなくなる代わりに、競合が全国の事業者に広がります。地域名で守られていた分の競争が一気に効いてきますので、通塾型と同じ感覚で予算を組むと確実に足りません。
特に注意していただきたいのが、個別指導と集団指導を同じ広告文で配信してしまうことです。個別指導を探している保護者は「うちの子だけを見てほしい」と思って検索していますので、集団指導の実績を並べても響きません。逆も同じです。
複数の形態を運営されている場合は、キャンペーンを分けて予算も別に管理してください。まとめて1つで回すと、成果が出やすい形態に配信が寄ってしまい、他の部門の生徒が取れなくなります。
▶ 形態ごとのキャンペーン分割まで手が回らない場合の支援内容は、こちらでご確認いただけます。 学習塾向け集客支援サービス
まとめ:学習塾のインターネット広告(リスティング広告)で成果が出ないときは
インターネットで集客を本気で考えたとき、多くの方がこの広告にたどり着きます。ただ、出してもうまくいかない、運用代行会社に頼んでも変わらない、という状態で止まってしまう塾様が本当に多いです。
焦る必要はありません。まずは、うまくいかない原因がどこにあるのかを切り分けてください。運用なのか、サイトなのか、そもそも計測なのか。この記事でお伝えした獲得単価の見方が、その入口になるはずです。
なお、自塾で運用するか代理店に任せるかで迷われている方もいらっしゃると思います。学習塾の場合、見るべきは次の3点です。
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繁忙期に予算と入札を動かし続けられる人が社内にいるか:講習前は毎週のように調整が要ります
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キーワードの数は限られるか:商圏が半径数kmと狭いぶん、日々の手数そのものは多くありません
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電話の計測まで手を入れられるか:塾は電話の比率が高く、ここを外すと数字が読めなくなります
この3つに自分たちで手が届きそうなら、自塾運用でも十分に回ります。届かない部分があるなら、そこだけを任せる形もあります。
弊社では、学習塾で過去にインターネット広告で失敗をされてしまったお客様から多くのご依頼をいただいております。この集客ノウハウをもとに皆様の問題解決を実現させていただきますので、ぜひともお気軽にご相談ください。
もし具体的なコストの算出が難しい場合は、30分無料コンサルティングも行っておりますので、この機会にご活用ください。ご相談枠には限りがありますので、ご希望の場合はお早めにご連絡いただければと思います。
▶ 学習塾向けの集客支援サービスの内容と料金はこちらでご確認いただけます。 学習塾向け集客支援サービス
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