
「去年と同じように広告を出しているのに、問い合わせが減ってきている」
「SNSも始めてみたけれど、何を投稿していいか分からない」
「そもそも、今の集客施策が効いているのかどうかさえ分からない」
こうしたお悩みを抱える学習塾の経営者さんから、ここ数年でご相談いただく機会が本当に増えました。
少子化による生徒数の減少、保護者の情報収集行動のWebシフト、チラシや紙媒体の反応率の低下。塾の集客がうまくいかなくなった理由はいくつも重なっていて、ひと昔前と同じやり方を続けているだけでは、結果が出にくくなっているのが現実です。
本記事では、学習塾の集客で押さえるべき4つの大前提から、オンライン8・オフライン5の合計13の施策、そしてホームページ改善と効果測定の回し方まで、地方の中小塾が大手と戦うための実践手順を体系的にお伝えします。最後まで読むことで、自塾で明日から着手できる改善の優先順位がはっきり見えてくるはずです。
※オンライン塾(地域性のない授業)を運営されている方は、オンライン学習塾のインターネット集客方法の記事のほうが適しています。ぜひご覧ください。
この記事は本気の改善を目指す方向けです
この記事を書いているスリーカウントについて
改めて、私たちスリーカウント株式会社について少しだけお話しさせてください。
私たちは、WEBマーケティングを専門とし、静岡を拠点に全国で700社以上の集客・採用支援に携わってきました。
学習塾業界でも、地方の個人塾から複数教室を展開するチェーン塾まで、これまで多数の集客支援に携わってきました。たとえば、直営・FC展開する学習塾の株式会社ヒーローズホールディングス様では、ホームページ改善・SEO対策・広告運用を組み合わせたご支援で、新規問い合わせ数とアクセス数の大幅な改善に貢献させていただきました。
Google Premier Partner(2025年認定)、Yahoo!マーケティングソリューション セールスパートナー、静岡県インターネット広告運用取引額No.1などの実績もあり、成果にこだわる姿勢を評価いただいています。
本記事では、そうした現場で実際に効果のあった考え方と施策をもとに、「どうすれば学習塾の集客がうまく回り始めるのか」という視点で順を追ってお伝えしていきます。まずは、なぜ今これほど学習塾の集客が難しくなっているのか、その根本から見ていきましょう。
なぜ今、学習塾の集客は難しくなっているのか

「去年と同じようにチラシを撒いたのに、問い合わせが半分になった」。「広告を出しているけど、本当に効いているのか分からない」。こうした声を塾の経営者さんから伺う機会が、ここ1〜2年で急に増えてきました。
うまくいっていない理由は、どれか一つの施策が悪いからではなく、市場そのものが大きく変わってしまったからです。ここではまず、いまの学習塾を取り巻く現実をデータで整理しておきたいと思います。
生徒の数は半分近くにまで減っている
学齢期の子どもの数は、過去と比べて劇的に減少しています。総務省の統計を見ると、0〜14歳の人口は1950年の約2,943万人から2024年には約1,401万人へと、約半分にまで減っている状況です。
(出典:総務省統計局「統計トピックスNo.141 我が国のこどもの数」)
地方では少子化に加えて若い子育て世代の都市部流出も重なり、生徒獲得のパイは想像以上に小さくなっています。つまり「ひと昔前と同じ集客数を維持する」だけでも、実質的にはシェアを拡大している状態なんです。
塾の数はむしろ減っていない
生徒が減っているのだから、塾の数も減っているかというと、現実はそうなっていません。経済産業省の統計調査によれば、学習塾の事業所数はここ10年ほど減少しておらず、むしろ微増傾向で推移してきました。
(出典:経済産業省「特定サービス産業動態統計調査)
結果として何が起きているかというと、生徒は減り続けているのに、取り合う塾の数は減らないという構造です。一つの地域の生徒を奪い合う競争は、年々激しくなっています。
保護者の情報収集が「Web中心」に変わった
もう一つの大きな変化が、塾を探す保護者の行動です。数年前までは、ポストに入ったチラシを見て、近所の評判を聞いて、最後に電話で問い合わせる流れが一般的でした。ところが今は、スマホで「〇〇市 学習塾」と検索し、Googleマップで近所の塾を一覧で比べて、口コミを確認し、気になった塾のSNSや公式サイトをチェックしてから、最後に体験授業に申し込むという流れが当たり前になっています。
この変化が意味するのは、Web上での見え方を整えていない塾は、そもそも比較のテーブルにすら乗せてもらえないということです。どんなに授業の質が高くても、保護者の目に触れる瞬間に情報が整理されていなければ、選ばれる以前の段階で落ちてしまうんです。
学習塾集客で押さえるべき4つの大前提

個別の施策の話に入る前に、どうしても先にお伝えしておきたい大前提が4つあります。ここをずらしたまま広告を出してもSNSを始めても、何をやっても成果は出ませんと率直に申し上げたいくらい、土台になる部分です。逆にここさえ押さえていれば、どの施策を選んでも効果が出やすくなります。少し長くなりますが、最初に揃えておきましょう。
【1】塾選びの決定権は「母親」が握っている
小学生・中学生の塾選びで、最終的に意思決定しているのは誰でしょうか。もちろん通う本人の意思も大事ですが、現場を見ていて強く感じるのは、実質的な決定権のほとんどは母親が持っているということです。
「どの塾がうちの子に合うのか分からない」「友達のママが勧める塾って、実際どうなんだろう」。こうした母親の不安や迷いに、どれだけ先回りして答えられるかが勝負になります。塾のホームページ、SNS、広告、すべての接点で「母親が知りたい情報が、母親に届く言葉で書かれているか」を点検してみてください。父親や子ども向けの言葉で書かれたままの塾は、想像以上に多い印象です。
【2】自塾の強み・コンセプトを言語化する
「うちは面倒見がいい塾です」「アットホームな雰囲気です」。よく聞くフレーズですが、正直な話、これでは選ばれません。どこの塾のホームページを開いても、だいたい同じことが書いてあるからです。
保護者が本当に知りたいのは、もう少し具体的な情報です。たとえば「中学受験に特化していて、過去3年の合格実績は〇〇中学校への〇名」「1クラス8名までの少人数制で、週1回は講師と面談をしている」「小学生のうちから英検2級を目指すカリキュラムがある」など、子どもがこの塾に通うとどんな力がつくのかが具体的にイメージできる言葉に置き換える必要があります。
【3】「家から近い」塾は、それだけで選ばれやすい
意外に思われるかもしれませんが、塾選びの決定要因の上位には常に「通いやすさ」が入ってきます。小学生なら徒歩や自転車で通える範囲、中学生でも自転車10〜15分圏内が現実的な選択肢です。送り迎えのしやすさも、共働きの保護者にとっては重要な要素になります。
ここから導き出される実務的な結論は、「地域名+学習塾」で検索された瞬間に自塾が見つかる状態を作ることが集客の出発点になるという話です。リスティング広告やGoogleマップの対策は、このあとで詳しく解説しますが、まずはこの原則を頭に入れておいてください。
【4】どんな講師が教えているのかを見せる
最終的に子どもの成績を左右するのは、講師の質とその子との相性です。保護者は「合わない先生に1年預けてしまった」という失敗をもっとも恐れています。
そこで効くのが、講師一人ひとりの顔と人柄を見せることです。顔写真の公開が難しい場合は、ペンネームとイラスト、あるいは似顔絵でも構いません。大切なのは「どんな先生がいるのか、事前に想像できる状態」を作ることです。ホームページの講師紹介ページ、SNSでの日常の一コマ、授業の短い動画など、手段はいくつもあります。
【全体設計】13の施策を”何から・どう組み合わせるか”

このあと、オンライン8選・オフライン5選の合計13の施策を解説していきます。ただ、いきなり各論に入る前に、どう組み合わせるかの全体像を押さえておきたいと思います。ここを共有しないまま個別の施策を読むと、「結局どれから手をつければいいの?」という状態に戻ってしまうからです。集客は単発の施策ではなく、複数の施策が連動して初めて成果が出るものなんです。
保護者の行動は「認知→興味→体験→入塾」の4段階で進む
塾に通うまでの保護者の行動は、ざっくり次の4段階で進みます。
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認知:「そういえば近所にこんな塾があるんだ」と存在を知る
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興味:「どんな授業をしているんだろう」と調べ始める
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体験申込:「試しに一度、授業を受けさせてみようか」と行動する
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入塾/継続:「この塾にお願いしよう」と決めて通い始める
ここで重要なのは、4つの段階それぞれで、有効な施策が違うという点です。たとえば看板やチラシは1つ目の認知に効きますが、入塾の決断を後押しする力は弱いです。一方、体験授業や保護者説明会は入塾直前の迷っている層に効きますが、そもそも知られていない塾にはたどり着いてもらえません。
今は「オウンド・ペイド・アーンド」の3メディアを連携させる時代
もう一つ大事な視点が、メディアの使い分けです。Webマーケティングの世界では、メディアを3つに分類する考え方があります。
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オウンドメディア:自塾のホームページ・ブログなど、自分たちが所有するメディア
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ペイドメディア:リスティング広告・SNS広告など、お金を払って使うメディア
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アーンドメディア:Googleマップの口コミ・SNS・保護者同士の評判など、信頼や評判から生まれるメディア
昔は、このどれか一つに力を入れるだけで集客できた時代がありました。ところが今は違います。保護者は検索して広告を見て、ホームページに行って、Googleマップの口コミを確認して、SNSで雰囲気を調べて、それでやっと問い合わせをしてきます。どれか一つではなく、全部が連動して見えている塾が選ばれる時代になっているんです。
13施策を段階×メディアで整理する早見表
このあとの各論を読むときに、全体のどこに位置する施策なのかをイメージしやすいように、早見表を置いておきます。
| 施策 | メディア | 主に効く段階 |
|---|---|---|
| リスティング広告 | ペイド | 興味〜体験申込 |
| SNSで講師の人柄 | オウンド | 興味 |
| YouTube動画 | オウンド/アーンド | 興味〜体験申込 |
| Googleマップ(MEO) | アーンド | 認知〜興味 |
| LINE公式アカウント | オウンド | 興味〜入塾 |
| ポータルサイト | ペイド | 認知〜興味 |
| ブログ | オウンド | 興味 |
| 口コミ対策 | アーンド | 興味〜体験申込 |
| 学校前チラシ | ペイド | 認知 |
| チラシ改善 | ペイド | 認知 |
| 看板 | ペイド | 認知 |
| 紹介制度 | アーンド | 体験申込〜入塾 |
| 地域イベント | オウンド | 認知〜体験申込 |
自塾のいまの状況に照らして、弱い段階・弱いメディアから優先的に手を入れていくイメージで読み進めてみてください。
【オンライン集客8選】学習塾が今すぐ始めるべきWeb施策

ここから具体的な施策に入っていきます。まずはオンラインの8施策から。現在の学習塾集客の主戦場は間違いなくオンラインで、ここを押さえない限りどれだけオフラインで頑張っても成果は上がりにくくなっています。ただ、全部を同時に始める必要はありません。自塾のリソース(時間・予算・人手)と相談しながら、優先順位の高いものから着手するのが現実的です。
【1】リスティング広告は「地域名×塾名」で取る
リスティング広告というのは、Googleで何かを検索したときに検索結果の上部に出てくる広告のことです。学習塾の集客では、この施策がもっとも短期間で成果が出やすいといって差し支えありません。
なぜなら、検索している人は「今まさに塾を探している人」だからです。新聞の折込チラシやSNSの投稿は、塾を探していない人にも届いてしまいますが、リスティング広告は「塾を探している人だけに、ピンポイントで届く」という強みがあります。
具体的にどんなキーワードで広告を出すかですが、鉄板は「地域名×塾」「地域名×学習塾」の組み合わせです。「浜松 学習塾」「浜松市中区 塾」のように、ご自身の塾の所在地域名と掛け合わせて配信します。ここを押さえるだけで、直近で塾を探している保護者に届く確率が一気に上がります。
また、Google広告のアドカスタマイザーという機能を使うと、検索された地域名に応じて広告文を自動で切り替えることができます。「浜松市の学習塾をお探しの方へ」「静岡市の学習塾をお探しの方へ」といった形で、検索した人にピタッと合わせた広告文を出せるので、クリック率が体感で2〜3割は変わってきます。
リスティング広告は、組み立て方と運用の仕方で成果が大きく変わる世界です。予算配分・目標CPAの考え方・通年配信の重要性など、本記事では書ききれないコツがあります。詳しくはリスティング広告の専門記事にまとめましたので、あわせてご覧ください。
【2】SNSで講師の人柄を伝える
SNSは、広告とは違う役割を持っています。広告が「今すぐ塾を探している人」に届ける手段だとすれば、SNSは「まだ塾を探していない層に、存在を知ってもらう」ための手段です。
学習塾のSNS活用で成果を出している塾に共通しているのは、塾の公式アカウントではなく、講師の人柄が見える発信をしていることです。授業前後の雑談、生徒との何気ないやりとり、テスト前の応援メッセージなど、講師が一人の人間として立っている投稿が保護者の心を動かします。
顔出しが難しい場合は、ペンネームと似顔絵・イラストでも構いません。重要なのは「無機質な塾アカウント」にしないことです。InstagramとTikTokはショート動画との相性もよく、授業の雰囲気を短く切り取って配信する運用がはまりやすい傾向があります。
媒体ごとの具体的な運用方法(投稿頻度・ハッシュタグ・ショート動画の構成など)は、SNS集客に特化した別記事で深掘りしています。
【3】YouTube動画で授業・勉強法を公開する
SNSの中でも、学習塾と相性がとくにいいのがYouTubeです。なぜかというと、保護者が一番不安に思う「先生の質」を、動画なら最短距離で伝えられるからです。
おすすめの動画ジャンルは次の3本柱です。
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授業の15分抜粋:実際の授業の雰囲気がそのまま伝わる
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進学ロードマップ:「小4から中学受験までに必要な準備」のように、学年別・目的別の情報をまとめて発信
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保護者向けQ&A:「低学年のうちから塾に通わせるべきか」など、よくある不安に答える
テスト前や夏期講習前などのタイミングで、TikTokやInstagramリールに短尺版を流して、興味を持った人をYouTubeの本編に誘導する流れを作ると、効率よく再生数を伸ばせます。
動画は「作るのが大変そう」と感じる方が多いですが、スマホ1台と5,000円くらいのマイクがあれば、十分に見られる品質のものが作れます。編集も無料アプリで問題ありません!最初の3本は試しに作ってみるところから始めてみてください。
【4】Googleマップ対策(MEO)は地方塾の生命線
Googleマップ対策は、正式にはMEO(Map Engine Optimization)と呼ばれるものです。ここ数年、Googleマップが地方集客に与える影響は想像以上に大きくなっています。
実際に現場を見ていて感じるのは、保護者がGoogleマップの情報だけで意思決定を完結させるようになっているということです。「〇〇市 学習塾」と検索すると、地図付きの一覧が上位に表示されて、そこで口コミや営業時間、写真を見て、気になった塾にそのまま電話をかけます。ホームページにたどり着く前に勝負が決まっているケースが、本当に増えてきました。
これは学習塾に限った話ではありません。スリーカウントでご支援している小売店やサービス業でも、同じ現象が起きています。検索数自体は減っていないのに、ホームページのアクセスだけが年々減っていく。それだけGoogleマップが保護者・ユーザーの入り口になっているという事実を、まず受け入れる必要があります。
Googleマップ対策でやるべきことは、大きく3つです。
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基本情報の整備:営業時間・電話番号・住所・ホームページURLを正確に登録
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写真の更新:教室の外観・内観・授業風景を定期的に10〜20枚アップする
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口コミへの返信:良い口コミにも悪い口コミにも丁寧に返信する
特に口コミ返信は、他の塾がやっていない分だけ差がつきやすいポイントです。口コミを書いてくれた保護者への感謝はもちろん、未来の保護者が「この塾は誠実に対応してくれそうだ」と感じる材料になります。
【5】LINE公式アカウントで見込み客を追客する
資料請求や体験授業の申込をしてくれた保護者を、その後どうフォローしていますか。一度連絡して、返事がなかったらそれきり。これはもっともよくあるパターンで、もっとももったいないパターンでもあります。
保護者が塾を決めるまでの検討期間は、平均して1ヶ月前後と言われています。つまり資料請求の時点では、まだ複数の塾を比較している途中であることがほとんどです。ここで有効なのがLINE公式アカウントを使った継続的な接点づくりです。
配信する内容の例を挙げると、
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授業風景の写真と1〜2行のコメント
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在籍生徒の合格速報(個人情報に配慮して)
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夏期講習・冬期講習の案内
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学年別の学習アドバイス(「中1の今やっておくべき英語の勉強」など)
配信頻度は週1〜月2回ほどが目安です。多すぎるとブロックされますし、少なすぎると忘れられてしまいます。LINEの強みは、「プッシュ通知でほぼ必ず見てもらえる」こと。メールよりも開封率が圧倒的に高いので、資料請求後のフォローツールとして非常に相性がいいんです。
【6】ポータルサイトは”比較前提”で情報を出す
塾ナビや塾シルといったポータルサイトも、選択肢の一つです。ただし、ポータルサイトには特有のクセがあります。それは他の塾と横並びで比較される前提の場だということです。
自塾のホームページなら、最初から最後まで自塾の魅力だけを伝えられます。ところがポータルサイトでは、同じページに競合塾の情報が並んでいます。保護者は一度に5〜10塾の資料を請求して、あとから比較検討することがほとんどです。
だからこそポータルサイトで差をつけるには、他塾と比べて一目で目に留まる要素が必要です。たとえば「資料請求で〇〇プレゼント」「体験授業後に成績カウンセリング無料」といった、わかりやすいベネフィットを最初の数行に置いておく。また、一括資料請求で届いた問い合わせはまだ本気度が高くないことが多いので、そこから体験申込までつなぐフォローの流れも別途必要です。
【7】ブログで教育方針・教育観を発信する
ブログは、短期的な集客というよりは教育方針への共感をじわじわと積み上げるための施策です。特に複数教室を展開している塾や、中学受験・高校受験に特化した塾では、ブログがじわじわと効いてきます。
書くテーマの例は、
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「なぜうちは小学校低学年から英語を始めるのか」といった教育方針の解説
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保護者からよくいただく質問への回答
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受験シーズンの所感、合格した生徒の振り返り
大切なのは、他の塾にもありそうな一般論ではなく、自塾の講師が本気で考えていることを自分の言葉で書くことです。保護者は「この人たちに子どもを預けてもよさそうだ」と感じる材料を探しているので、きれいに整った文章よりも、少しぎこちなくても誠実さが伝わる文章のほうが効きます。
【8】口コミ・レビュー対策は”集客施策”の一つ
口コミは、もはや受け身の要素ではなく、能動的に仕掛けていく集客施策だと捉えるべきです。Googleマップの口コミと、塾ナビなどのポータルサイトの口コミは、それぞれ管理すべきチャネルとして分けて考えます。
押さえるべき基本は次の通りです。
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依頼のタイミング:入塾から3ヶ月後、大きなテストで成績が上がった直後など、保護者が前向きな気持ちになっている瞬間に依頼する
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依頼の仕方:LINEや紙の案内で、QRコードから直接口コミページに飛べる導線を用意する
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悪い口コミへの対応:消そうとするのではなく、丁寧な返信で誠実な姿勢を見せる。他の読み手は「問題が起きたときにどう対応する塾なのか」を見ている
悪い口コミをゼロにすることがゴールではありません。ポジティブな口コミが継続的に積み上がる仕組みを作ることのほうが、何倍も重要です。
【オフライン集客5選】地域で認知を取る施策

オンラインだけで集客が完結するわけではありません。特に地方では、オフライン施策との組み合わせで初めて効果が最大化されます。ここではチラシ・看板・紹介制度・地域イベントの5つを取り上げます。ポイントは「昔ながらのやり方をそのまま続ける」のではなく、今の時代に合わせてアップデートすることです。
【1】学校前でチラシを配布する
チラシは「もう効かない」と言われがちですが、実は配り方で結果が大きく変わります。結論から言うと、折込チラシやポスティングよりも、学校前での配布のほうがはるかに反応がいいです。
理由はシンプルで、折込やポスティングはそのまま捨てられる確率が非常に高いからです。一方、学校前で直接手渡されたチラシは、相手の目に必ず触れます。受け取った保護者が「ありがとうございます」と言いながらバッグに入れて、家で目を通す確率が上がります。
配布のタイミングは、お迎えの時間帯、参観日、運動会や文化祭の日などがおすすめです。学校によっては配布を禁止している場合もあるので、事前に学校や自治会に確認を取ってから実施してください。
【2】チラシは5つの要素で改善する
学校前で配ったとしても、チラシの中身がよくなければ反応は得られません。学習塾のチラシで成果が出るものには、共通する5つの要素があります。
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場所:教室の住所と、最寄り駅や学校からの距離
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雰囲気:教室や授業風景の写真
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金額:月謝・入塾金・教材費の総額がひと目で分かる
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先生:講師の顔写真(またはイラスト)と人柄が伝わる一言
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時期:いつまでに何をすれば何の特典があるか
特に3つ目の「金額」は要注意です。たとえば「1コマ1,000円」という訴求をよく見ますが、母親の立場からすれば「週に何コマ必要なの?」「1コマって何分?」「プラスで教材費はいくら?」といった疑問だらけになります。ある塾ではこの訴求を「家計に優しい月謝設定」という表現に変えたところ、問い合わせ件数が明らかに増えました。金額を隠すのではなく、保護者が頭の中で計算しなくて済む表現にするのが正解です。
【3】看板で認知を積み上げる
看板は、瞬間的な反響を取るための施策ではなく、長期的に地域での認知を積み上げる施策です。地域住民の目に何度も触れることで、「そういえばあの場所にあの塾があるな」という記憶が自然にできていきます。
効果が出やすい設置場所は、
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学校の通学路
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保護者がよく立ち寄るスーパーやドラッグストアの近く
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主要な駅やバス停の周辺
ここ数年、コスト削減のために看板を撤去する塾が増えてきました。逆に言うと、続けている塾ほど相対的に目立ちやすくなっているとも言えます。
【4】紹介制度は”仕組み化”して初めて回る
紹介は、もっとも転換率が高い集客経路です。実際の保護者同士の口コミや、既存生徒の兄弟・姉妹からの紹介は、広告で獲得した見込み客よりも体験申込から入塾に至る確率が高くなります。
ただし、紹介は放っておいても勝手に発生するものではありません。仕組み化して初めて安定的に回り始めます。
| 要素 | 具体的な運用例 |
|---|---|
| 紹介特典 | 紹介者・被紹介者の両方に月謝1ヶ月分無料、図書カード5,000円など |
| 依頼のタイミング | 入塾3ヶ月後、大きなテストで成績が上がった直後、学期末 |
| 渡しやすいツール | 名刺サイズの紹介カード。「友達紹介で〇〇プレゼント」と書いておく |
| 依頼時の声かけ | 「もしお知り合いで塾を探している方がいらっしゃったら、このカードをお渡しください」 |
紹介カードは、保護者が「人に渡しやすい形」で用意しておくのがポイントです。長々と説明されたチラシは渡しにくいですが、名刺サイズの小さなカードなら気軽に配ってもらえます。
【5】地域イベント・説明会で直接接触する
リアルなイベントは、オンラインで興味を持ってくれた保護者を入塾の一歩手前まで引き上げる強力な施策です。形式としては大きく3種類があります。
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体験授業:1回50〜90分の実際の授業を無償または低額で提供
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保護者向け説明会:塾の理念・カリキュラム・実績を紹介する90分程度のセミナー形式
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講習会イベント:夏期・春期・冬期の講習会に合わせた無料の特別講座
開催する時期は、入塾検討の波に合わせて逆算します。中学受験なら新学年準備で動き出す2月、中学生の定期テスト対策なら6月、冬期講習の集客には11月というように、保護者が実際に動き出すタイミングの2〜3週間前に告知を打ち始めるのが鉄則です。
【核心】ホームページ・申込フォームを”選ばれる”状態に

ここまで13の集客施策を見てきましたが、どの施策も共通して最終的にホームページや申込フォームに辿り着かせるのがゴールになっています。つまりホームページが機能していなければ、広告もSNSもGoogleマップもすべて空振りに終わるということです。ここはWebマーケティングの心臓部分なので、独立した章として詳しく見ていきます。
学習塾HPで最もアクセスを集めるのは”教室詳細ページ”
実際に複数の教室を展開している学習塾のホームページをGoogleアナリティクスで分析すると、トップページよりも各教室の詳細ページのほうが、はるかにアクセスが集中しているケースがほとんどです。
理由は前述した通りで、保護者は「〇〇市 学習塾」「△△駅 塾」といった地域名を付けて検索するからです。Googleマップからの流入もリスティング広告からの流入も、多くは教室詳細ページに着地します。ということは、ホームページ改善の出発点はトップページではなく教室詳細ページになるわけです。ここを作り込まない限り、ホームページ経由の問い合わせは増えません。
CVR = 魅力 × 使い勝手 という公式
教室詳細ページを改善するときの指針として、一つだけ公式を覚えてください。
CVR(問い合わせ率)= 魅力 × 使い勝手
CVRは「そのページを見た人のうち、何%が問い合わせや申込にたどり着くか」を表す数字です。これは足し算ではなく、掛け算です。つまりどちらか一方がゼロに近ければ、もう一方をどれだけ頑張っても結果はゼロに近くなります。
「魅力」は、写真・キャッチコピー・構成・言葉のことです。教室の空気感が伝わる写真が載っているか、保護者の不安を先に受け取るキャッチコピーになっているか、読んでいて講師の人柄や授業の具体性が伝わる言葉になっているか。これが「魅力」の中身です。
「使い勝手」は、スマホで見やすいか、申込フォームの項目が少なくて入力しやすいか、ページの読み込みが速いか、といった技術的な快適さです。
多くの塾が悩みがちなのは実は「魅力」のほうです。「使い勝手」はテンプレートに近くて改善しやすいのですが、「魅力」はその塾ならではの言葉を作り出す作業なので、時間がかかります。
保護者の心は「興味→理解→行動」の順番で動く
もう一つ、ホームページ改善で絶対に外せない原則があります。それは、保護者の心は必ず「興味」→「理解」→「行動」の順番で動くということです。
多くの学習塾のホームページを見てきて感じるのは、いきなり「うちの塾にお任せください」「合格実績ならうちが一番」といった自塾の言いたいことから始まっていることです。これは、たとえるなら初対面の人にいきなり自慢話を始めるようなもので、相手は引いてしまいます。
正しい順番は、まず保護者の気持ちを先に言葉にして受け取ることです。
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「どの塾がうちの子に合うのか、本当に分からないですよね」
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「成績が下がり始めていて、でもどう対処すればいいか迷っていませんか」
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「体験授業に行ってみたけど、結局どこも同じに見えて決めきれない方、多いです」
このように先回りして不安を受け取ることで、保護者は「あ、この塾は自分の気持ちを分かってくれている」と感じます。そのあとで初めて自塾の強みやカリキュラムを伝える。この順番で書かれたページは、同じ情報量でも問い合わせ率が大きく変わってきます。
学習塾HP・教室詳細ページのチェックリスト
最後に、自塾の教室詳細ページを点検するためのチェックリストを置いておきます。
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スマホで開いたときに、上から下まで親指だけでスムーズにスクロールできるか
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教室の外観・内観・授業風景の写真が合計5枚以上あるか
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講師の顔写真(またはペンネーム+似顔絵)と人柄が伝わる自己紹介文があるか
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月謝・入塾金・教材費の総額がひと目で分かる位置にあるか
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体験授業の申込フォームの入力項目が5つ以内か
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「ありがちな保護者の不安」に先回りして答えるQ&Aコーナーがあるか
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体験授業後の流れ(いつまでに連絡がくるか)が明記されているか
全部にチェックが入るまで、他の施策よりも先にホームページの改善に集中することをおすすめします。器がしっかりしていないと、どれだけ上から水を注いでも漏れていくだけだからです。ホームページ制作・運用のさらに詳しい方法は、学習塾のホームページに特化した別記事でもまとめています。
KPIと効果測定で施策を磨き続ける

ここまで13の施策とホームページ改善の話をしてきました。ただ、施策を実行するだけで終わってしまうと、成果が出ているのかどうかが分からないまま、翌月も翌年も同じことを繰り返す状態になりがちです。この章では、施策を回しながら改善していくための数字の見方を整理します。打ちっぱなしの塾から卒業するために、ぜひ押さえておいてください。
KGI(問い合わせ数)= アクセス数 × 転換率
目標から逆算するときに覚えておくと便利な公式があります。
問い合わせ数 = アクセス数 × 転換率
たとえば「来月の問い合わせ数を30件にしたい」というゴールがあるとします。そのためには、アクセス数と転換率の組み合わせで数字を作る必要があります。
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パターンA:アクセス3,000 × 転換率1% = 30件
-
パターンB:アクセス1,500 × 転換率2% = 30件
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パターンC:アクセス6,000 × 転換率0.5% = 30件
同じ30件という結果でも、どこに手を入れるかで施策がまったく違ってきます。アクセスが足りないなら広告やSEOに投資する。転換率が低いならホームページを改善する。この2軸で考える習慣がつくと、なんとなく施策を打つ状態から抜け出せます。
学習塾で追いかけるべきKPIの目安
学習塾で具体的に追いかけるべき数字は、大きく次の5つです。以下の目安はスリーカウントでご支援してきた学習塾の平均的なレンジです。エリア・学年・指導形態で幅があるので、自塾の直近データと比べる参考値として使ってください。
| 指標 | 目安 |
|---|---|
| 月間アクセス数 | 教室数×500〜1,000PV/月が最低ライン |
| 問い合わせ数 | アクセスの0.5〜2%(目標はここを最大化する) |
| 体験申込率 | 問い合わせからの体験申込への転換率。40〜60%が目安 |
| 入塾率 | 体験から入塾への転換率。50〜70%が目安 |
| 顧客獲得単価(CPA) | 広告費を問い合わせ数で割った金額。学年・エリアで目安が変わる |
この5つを毎月記録するだけで、どこにボトルネックがあるかが明確に見えてきます。
サーチコンソールとGA4を使い分ける
Webサイトの分析には、大きく2つのツールを使います。
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Googleサーチコンソール:外側(検索エンジン)から自塾のサイトがどう見られているかを把握するツール。どんなキーワードで表示されて、どれくらいクリックされたかが分かります
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Google Analytics 4(GA4):サイトの内側で、訪問者がどんな行動をしているかを把握するツール。どのページを読んで、どこで離脱して、どれくらい滞在したかが分かります
2つは役割が違うので、両方を同時に使います。「訪問者は減っていないのに、問い合わせだけが減っている」ならホームページ内の問題です。「そもそもアクセスが減っている」なら検索エンジンやSNSなど外側の問題です。
ちなみに検索順位や直帰率そのものをKPI(目標数字)に置くのはおすすめしません。これらはあくまで「問い合わせ数を増やすための要因」であって、目的そのものではないからです。KPIはKGIの因数分解で出てくる数字にだけ置くようにしてください。
学習塾集客が失敗する3つの理由

ここまでの施策を実行しても、なかなか成果が上がらない塾には、共通する失敗パターンがあります。最後にこの3つの理由に触れておきたいと思います。自塾が当てはまっていないか、ぜひ一度フラットな視点で点検してみてください。
理由【1】ライバル塾との比較で負けている
同じ地域で複数の塾がある場合、保護者は必ず複数の塾を比較します。このとき、単純に料金や合格実績だけで戦おうとすると、大手チェーン塾には構造的に勝てないという現実があります。
個人塾や中小塾が戦う土俵は、大手とは別です。「面倒見の細かさ」「一人ひとりに合わせたカリキュラム」「講師との距離の近さ」「地域の学校の内申事情に詳しい」など、大手にはできない武器を磨くこと。そしてその武器を、ホームページや広告でしっかり言葉にして出すこと。これができていない塾は、比較段階で必ず落ちていきます。
理由【2】授業の質・評判が下がっている
当たり前の話のように聞こえるかもしれませんが、見落とされがちな視点です。どれだけ集客施策に予算を使っても、授業の質が下がっている・評判が悪化している塾は絶対に伸びません。
悪い評判は、今の時代、数週間でSNSやGoogleマップの口コミに広がります。ママ友同士のLINEグループや保護者会での会話でも共有されます。集客の数字が落ちているときは、まず「うちの授業と対応は、以前と同じ品質を保てているか」を点検するところから始めるのが正しい順序です。
理由【3】打ちっぱなしで改善の回路がない
もっとも多い失敗パターンがこれです。広告を出している、SNSをやっている、チラシも撒いている。でもどれがどれだけ効いているかを測っていない状態です。
「なんとなく広告を続けている」「去年もやったからSNSを更新している」という状態を続けると、予算だけが消えていきます。前章で紹介したKPIを毎月記録して、うまくいっていない施策は止める、効いている施策は予算を増やす、という回転を3ヶ月に一度は必ずやってください。この改善の回路があるかないかで、1年後の集客力はまったく別物になります。
学習塾集客の成功事例:スリーカウント支援実績
ここまでお伝えしてきたことを実際に形にすると、どれくらい数字が変わるのか。スリーカウントがご支援させていただいた学習塾の事例を一つ紹介させてください。
学習塾を展開する株式会社ヒーローズホールディングス様では、新規問い合わせ数が3倍以上、アクセス数が4倍以上という成果につながりました。
具体的に何をしたかというと、ホームページのリニューアルと教室詳細ページの改善、SEO対策、リスティング広告の運用改善を組み合わせて実施しました。ここまでの記事でお伝えしてきた考え方を、そのまま現場で実行した形です。
詳しい施策の中身と数字の推移は、事例ページにまとめています。
学習塾の集客は”正しい順番”で回せば必ず伸びる(まとめ)
長くなりましたが、最後にこの記事の要点を振り返っておきます。学習塾の集客で押さえるべきポイントは、大きく3層でした。
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大前提の4つ(母親が決める/強みを言語化する/近さで選ばれる/講師を見せる)を全ての施策の土台にする
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オンライン8・オフライン5の合計13施策を、段階とメディアで組み合わせて実行する
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ホームページの改善とKPIでの効果測定で、回しながら磨いていく
はっきり申し上げると、地方の中小塾が大手チェーンと同じ土俵で戦うと、なかなか勝てません。ただ、Webマーケティングを正しく回せば、大手にはできない細やかな対応と、地域に根ざした強さで十分に勝負できます。実際、スリーカウントがご支援しているお客様の多くは、地域密着型の個人塾・中小塾です。
「うちの塾の場合、どこから手をつければいいのか」「今の施策が本当に効いているのか自信がない」といったお悩みがあれば、ぜひ一度ご相談ください。スリーカウントでは毎月3社限定で、30分の無料コンサルティングをご用意しています。自塾の現状を一緒に整理して、次の一手を明確にするところまでお手伝いします。
また、すぐに相談というほどではないけれど、もう少し情報を集めたい方には学習塾様向けの無料資料もご用意しています。あわせて活用いただけたらと思います。
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